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「JAPAN NIGHT」主催・MEGUMIが語ったカンヌでの日々

「日本の映画を盛り上げなきゃ」

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女優・プロデューサーのMEGUMIが、フランス現地時間5月17日に第77回カンヌ国際映画祭にて「JAPAN NIGHT」を開催。100年以上の歴史を持つホテル マルティネス カンヌにて開かれたパーティには、700人を超える人々が集った。国境を超えた世界中の映画関係者の交流を図り、まだ見ぬ映画を作り出すことを願って行われたJAPAN NIGHT。パーティを主催したMEGUMIは、どのような思いでカンヌでの日々を過ごしたのか。彼女の本音と、仕事人としての覚悟が垣間見える複数回にわたったインタビューをお届けする。

構成 / 奥富敏晴

5月14日(火)カンヌに着いて

「JAPAN NIGHT」の主催者としてカンヌ国際映画祭を訪れたMEGUMI。

「JAPAN NIGHT」の主催者としてカンヌ国際映画祭を訪れたMEGUMI。

今まで経験したことがない未知なる出会いに本当にドキドキしてます。改めて「映画祭」って口にするだけで高揚しますよね。何が起こるのかなっていうワクワク感。2年前に初めてカンヌ映画祭に来て、日本映画をもっと海外にアピールしたいと思ってから、いろんな縁があってJAPAN NIGHTという大きなパーティを主催することになりました。本当に不思議。自分がこういうことをやるのはとても恐れ多いんです。

参加者は400人から500人の予定。信じられないようなビッグな方もいらっしゃるかもしれない。とにかくパーティでは飲んで、仲良くなって、バイブスすり合わせて(笑)。国際的に活躍する先人が築き上げてきたものを若い映画監督やプロデューサーにも継承したい。日本の映画界はドメスティックなマインドの人も多いから、グローバルなつながりがここから生まれたらいいなって思います。

MEGUMI。今年のカンヌは黒澤明の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」がポスターのモチーフとなった。

MEGUMI。今年のカンヌは黒澤明の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」がポスターのモチーフとなった。

滞在するのはHotel Le Suquet Cannesというブティックホテルみたいな所。イケてるんだけど、謎めいた雰囲気で、すごくかわいい。でも冷蔵庫がないので日本だったら、ちょっとムカつくかも(笑)。海外に来た感じがしますね。スケジュールは毎日パッツパツです。今回は毎日おしゃれしようと思って、普段東京では着ないような派手な服のコーディネートを組んできました。

日本から来る役者さんのアテンドもあれば、パーティの打ち合わせ、プレス取材。自分がプロデューサーを務める作品の交流会もある。この映画は1970年代の静岡を舞台にしたシングルマザーのお話です。自分も人生はいったいどうなっていくのかっていうワクワクもありますし、42歳という今の年齢で、そう感じられるのはうれしいこと。19日までの滞在を走り抜けたいです。

5月17日(金)「JAPAN NIGHT」を目前に控えて

「JAPAN NIGHT」会場のMEGUMI。

「JAPAN NIGHT」会場のMEGUMI。

昨日はJAPAN NIGHTのランスルー、最終打ち合わせ。来る人は500人ぐらいで考えていたんですが、日本が注目されているのか、800人、900人も来る可能性があるとか(笑)。映画祭にいると、アジア、中東、北米、もちろんフランスの方からも「JAPAN NIGHTは行くよ」と声を掛けられるので、びっくりしています。こんな規模のパーティは初めて。準備は何もかも初めてだったので全部大変でしたけど、勉強になりました。何が起きるのかすごくドキドキです。

5月18日(金)「JAPAN NIGHT」から一夜明けて

MEGUMI

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まだ余韻がすごく残ってます。ドバイ、フランス、アメリカ、インド、台湾、もういろんなところから、たくさんの方が来てくださって。監督やプロデューサーが映画のプレゼンを最初にされたんですが、真剣に聞いている方が多くて、そういう映画に対しての思いは世界共通。それは、すごくエモーショナルでした。実際にプレゼンした人に「君の企画面白そうだから出資したい」とか、そういう話もあって、早速何か生まれそうな気配があります。

挨拶のとき、手が震えました。英語でスピーチした斎藤工さんや千原徹也監督も緊張してたよね。深田晃司監督もプレゼンテーションに立ってくれた。本当にみんなが真摯に向き合って日本の映画を海外に届けよう、普段の自分の範疇を超えた挑戦をしようとしていて、その姿を見て泣きそうになっちゃいました。斎藤さんも、途中、震えてた。それが素敵でした。挑戦してるなと思って感動した。ポジティブなエネルギーにあふれていて、そういう場所を作れたことがうれしいです。

「JAPAN NIGHT」会場の様子。

「JAPAN NIGHT」会場の様子。

パーティには日本の映画を盛り上げなきゃいけないと思っている方たちが集まってくれました。JAPAN NIGHTではないですが、日本映画の新しい生態系を作ることを目指すK2 Picturesの皆さんも素晴らしい記者会見をやってましたよね。若い日本の監督がフランスのバイヤーと直接会ってアドバイスをもらっている姿も見ました。海外に目を向けている方がいろんな形で動いて、それぞれの方法で海外に視野を向けてる。そういう同じ意識を持っている人たちに、このカンヌで会えたのはすごくうれしかった。

映画祭の華やかな世界のもとで、いろんなことを考えてクリエイトして、またここに戻ってくる。やっぱり、夢がありますよ。そういう場所ってなかなかない。来てよかった。よっしゃー! また来年も来るために日本でがんばろうという気持ちが、よりクリアになりました。私は、明日、プロデュースする映画の打ち合わせをしてから日本に帰ります。帰ったら……湯舟に浸かりたい。あと、日本のうどんを食べたいです(笑)。

MEGUMI

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MEGUMI プロフィール

1981年生まれ、岡山県出身。俳優として第62回ブルーリボン賞の助演女優賞を受賞。近年は映像の企画・プロデュースも行う。プロデュース作品にはドラマ「完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの」、ドラマ「くすぶり女とすん止め女」、映画「零落」、ショートムービー「LAYERS」などがある。2023年よりBABEL LABELにプロデューサーとして所属。

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