とんだ林が映画のオルタナティブビジュアルを手がけるのは今回が初。「人とたまたま出会って、同じ空間で過ごして言葉を交わす。それがその後の運命を大きく変化させるという当たり前のこと。ひび割れたたまごを頼りなく守るリボンは少女です。たまごの真っ赤な影には少年の瞳が潜んでいます」とコメントを寄せた。小島は「本作を観た時の衝撃は今でも忘れられない」と初見時を振り返り、犬山は「難解のようで全ての人に開かれている傑作!」とコメント。樋口は「今こそ劇場で没入すべき啓示的体験」と語った。
「天使のたまご」は1985年にOVAとして発表された作品。公開40周年を記念し、押井監督による監修のもと4Kリマスター版が制作された。11月14日にドルビーシネマでの上映が全国10館でスタートし、5日間で興行収入は1500万円を突破。明日21日より順次上映劇場が追加される。
とんだ林蘭コメント
人とたまたま出会って、同じ空間で過ごして言葉を交わす。
それがその後の運命を大きく変化させるという当たり前のこと。
ひび割れたたまごを頼りなく守るリボンは少女です。
たまごの真っ赤な影には少年の瞳が潜んでいます。
小島秀夫コメント
押井守監督をちゃんと意識したのは、1985年にOVAという新たなメディアで登場した「天使のたまご」だった。各種のアニメ雑誌でも話題沸騰だった本作を観た時の衝撃は今でも忘れられない。
「ここのスローなテンポ、タルコフスキーじゃないか!日本にもこんなに流行に逆らう映像作家がいたのか!」と。
21世紀の今、本作を観直して、あらためて、いや、初めてこの作品を理解した。
あまりにも早すぎた作品だったのだと。
その伝説の「天使のたまご」が4Kで劇場公開される。
これは観るしかない。今なら眠たくはないはずだ。
犬山紙子コメント
少女時代に見た時とまるで違う感想を持った。
何を守りたいのか、何を破壊したいのか、自分の心の変容を突きつけられる。
浅い興奮ではなく、深い心の揺らぎ。
静かな揺らぎは時間と共に大きなうねりとなる、難解のようで全ての人に開かれている傑作!
樋口真嗣コメント
創造とは何か?
野心と義務の闘争である。
四〇年前だから成し得た熾烈な衝動と静謐の美意識が織りなす祝宴であり、
今こそ劇場で没入すべき啓示的体験なのだ。
「天使のたまご 4Kリマスター」
ドルビーシネマ先行公開中、11月21日(金)全国順次公開
提供:徳間書店
配給:ポニーキャニオン
オリジナルスタッフ
製作:徳間康快
企画:山下辰巳、尾形英夫
原案:
プロデューサー:三浦光紀、和田豊、小林正夫、長谷川洋
監督・脚本:押井守
アートディレクション:天野喜孝
美術監督・レイアウト監修:小林七郎
作画監督:名倉靖博
作曲:菅野由弘
音楽監督:菅野由弘
音響監督:斯波重治
撮影監督:杉村重郎
編集:森田清次
キャスト
少年:根津甚八
少女:兵藤まこ
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小島監督のコメントがおもしろい - 「天使のたまご」4Kリマスター版オルタナティブビジュアル公開、小島秀夫らのコメントも(コメントあり) https://t.co/iF7lS9lLET