吸血鬼と人間の長きに渡る生き様を描いた、至高のゴシックロマンス「ヴァンパイア騎士」。2005年から2013年までLaLa(白泉社)で連載された同作は、美麗な筆致や耽美で退廃的な物語などで注目を浴び、多数のメディア化を果たすなど人気を博した。
その正統続編となる「ヴァンパイア騎士memories」が、2025年8月にLaLaDX(白泉社)で完結。同作では「ヴァンパイア騎士」の主人公の1人である純血種の吸血鬼・玖蘭枢が、氷の棺の中で眠っていた千年間の出来事が明かされていく。
コミックナタリーでは「ヴァンパイア騎士」シリーズの完結を記念して、千年超にわたる作中の出来事を年表化。優姫、枢、零の関係値の変化を中心に、物語の主となるエピソードや印象的なシーンをまとめた。また完結に際し、樋野からのコメントも公開。さらにアニメキャストの堀江由衣、宮野真守、岸尾だいすけ、アニメ第1期、2期のオープニングテーマを担当したON/OFF-twins-、エンディングテーマを担当した分島花音、舞台キャストの若月佑美、AKIRA、ルウト、歴代担当編集からもお祝いコメントが寄せられている。
文 / コミックナタリー編集部
「ヴァンパイア騎士」
2005年~2013年、LaLa(白泉社)で連載
私立黒主学園のエリート集団・夜間部の秘密は、彼らが全員“吸血鬼”だということ。普通科の優姫と零は、その秘密を守る学園守護係として活動している。しかし零は、優姫も知らない残酷な過去を抱えていた。そして、夜間部の寮長にして純血の吸血鬼・枢は優姫の失われた記憶に関わっていて──? 単行本は全19巻。文庫版は全10巻。
小説「ヴァンパイア騎士 憂氷の罪」「ヴァンパイア騎士 凝黒の罠」「ヴァンパイア騎士 煌銀の夢」
2008年刊/2013年刊
マンガ本編では描かれない、完全オリジナルストーリーの数々を収録した小説。「憂氷の罪」では優姫たちが入学する前の夜間部黎明期のエピソードと零の幼少期を描いた物語の2作、「凝黒の罠」では普通科と夜間部のキャラクターにまつわる恋物語3作、「煌銀の夢」では本編完結後のスピンオフ6編が収録された。表紙イラストは樋野の描き下ろし。
「ヴァンパイア騎士memories」
2016年~2025年/LaLaファンタジーとLaLaDX(いずれも白泉社)で不定期連載の後、
LaLaDXで本格連載スタート
「ヴァンパイア騎士」の正統続編。枢が氷の中で眠っていた千年間の出来事、そして彼が目覚めてからの日々が描かれる。単行本は10巻まで刊行。2025年12月5日に最終11巻が発売される。
「ヴァンパイア騎士memories」最終11巻
特装版も同日発売!
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2025年12月5日(金)発売
税込1980円特装版はボイスドラマ&小冊子付き! ボイスドラマにはTVアニメのキャストが再集結。玖蘭優姫役を堀江由衣、錐生零役を宮野真守、玖蘭枢役を岸尾だいすけが演じる。脚本はすべて樋野の書き下ろし。全8章の「それぞれの想い」と、優姫と零の夢枕に“あのお方”が立つ「絶対非中立モンスター」の2本が視聴できる。小冊子には脚本と描き下ろしイラストを収録。ボイスドラマとともに楽しもう。
「ヴァンパイア騎士memories」ボイスPVは
白泉社のYouTubeチャンネルで12月5日公開予定。
※動画は予告なく削除される場合があります。
一万年以上前~ |
終わらない命を持って生まれた吸血鬼の始祖・枢。 正体を隠し人間に紛れて暮らしていたが、やがて同胞と出会い、ともに行動するように。 |
| しかし、枢を孤独から救い出した“彼女”は、自らの心臓と引き換えに対吸血鬼武器の“親金”となる道を選んだ。 | |
| 枢は永遠に目覚めるつもりのない眠りにつく。 | |
| 玖蘭李土によって強制的に目覚めさせられた枢。不完全な身体を赤ん坊の姿まで戻し、記憶を眠らせた彼を、玖蘭悠・樹里は自分たちの子として受け入れる。 | |
優姫0歳~ |
枢の妹・優姫が誕生。吸血鬼を統率する最高機関・元老院の干渉から守るため、窓ひとつない地下室で幼少期を過ごす。 |
優姫5歳~ |
李土が優姫を狙い玖蘭家を襲撃。母・樹里の命と引き換えに、優姫は吸血鬼から“人間”に。 |
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すべての記憶をなくした優姫。吹雪の中、吸血鬼に襲われていたところを枢に助けられる。 私立黒主学園の理事長・黒主灰閻の養子となり、人間としての生活が始まる。 |
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| 引き取ってから1週間経っても言葉を発しなかった優姫が初めて発した言葉は「かなめ」だった。 | |
優姫11歳~ |
吸血鬼ハンター一家の錐生家が純血種の吸血鬼・緋桜閑に襲われる。家族を殺された錐生零は、黒主理事長に引き取られる。 |
| 吸血鬼と人間の平和的共存を目指す黒主理事長は、まだ若い吸血鬼たちを穏健派として教育するため、学園に夜間部を設立。 | |
優姫15歳~ |
普通科の優姫と零は、夜間部の秘密を守る“守護係”として活動する日々を送る。 枢は夜間部の寮長を務める。 |
| 吸血鬼の衝動に抗えず、零が優姫に牙を突き立てる。 | |
| 飢えに苛まれる零に、優姫は自らの血を与える。 | |
| 紅まり亜が夜間部に転入。彼女の正体は、零の両親を殺し、零を吸血鬼にした純血種・緋桜閑だった。 | |
| 零の双子の弟・壱縷が姿を現す。死んだと思われていた壱縷だが、両親が殺されたあの惨劇の夜、閑とともに行くことを選んでいた。 | |
| 枢の手によって閑が死去。 | |
| 優姫を失ってしまう悪夢を見た零。心配してやって来た優姫にキスしようとして……。 | |
| 枢から「吸血鬼になる…?」と問いかけられた優姫。困惑しながらも「はい」と答えた優姫だが、枢は腕の中からそっと彼女を解放する。 | |
| “優姫を守る”という役割を全うさせるため、枢は自らの血を零に与える。 | |
| 失った過去の記憶に枢が関わっていると気づいた優姫。真実を問う優姫だが、枢は「真実を知ったら僕を嫌うかもしれない」と口にする。「…嫌いになんて絶対ならないです」と答えると……。 | |
| 見え隠れする記憶の残像に怯える優姫。壊れかかった優姫の心を守るため、枢は彼女を本来の姿──純血の吸血鬼として目覚めさせる。 | |
| 李土が完全復活。 | |
| 李土との戦いで瀕死の重傷を負った壱縷。零は彼の最期の願いを叶え、李土との決戦に向かう。 | |
| 李土を倒すべく共闘する優姫と零。 | |
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李土が消滅。 零は純血種を憎むハンターとして、優姫は純血の吸血鬼として、別々に生きる道を選ぶ。 |
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優姫16歳~ |
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| 墓地で再会する零と優姫。純血種の吸血鬼・橙茉に襲われ気を失った優姫は、零の懐かしい匂いに惹かれ、無意識に血を吸おうとして……。 | |
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枢が純血種の殲滅を開始。危険吸血鬼に認定される。 彼の婚約者である優姫は、重要参考人としてハンター協会に捕らえられる。 |
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| 枢がかつて、囚われの身だった閑を解放し、錐生家を襲わせたことが判明。それは零と壱縷に純血種への憎しみを抱かせ、純血種殲滅のための“生ける武器”にするためだった。 | |
| 純血種殲滅のため、純血種・白蕗更が匿われているハンター協会に現れた枢。零と交戦。 | |
| 優姫、枢に「狩りの女神」を向ける。「ここまでしてやりとげたい“彼女の意志”ってなに?」 | |
| 対吸血鬼武器の親金となった”彼女”の思いを継ぎ、枢は自らが親金になることを決意。 | |
| 自分の命を使って枢を人間にすると決めた優姫。零を飢えから解放するため、自らに関する記憶をすべて奪う。 | |
| 対吸血鬼武器の炉に心臓を捧げようとしている枢と、そんな枢を人間にしようと決めた優姫。思惑は交わらないまま、けれど互いの想いは重なり──。 | |
| 零が優姫の記憶を取り戻す。 | |
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| 藍堂、枢が行っていた「吸血鬼を人間にする研究」を発見。後を引き継ぐことに。 | |
※以降、枢が眠りについた日を0日目と換算二ヶ月後 |
優姫、枢との子を身籠っていることに気づく。 |
四年後~ |
優姫、いつもの友人たちに娘・愛をお披露目。 |
| 英と沙頼が結婚。 | |
| 愛が初恋の相手・零に告白。自分の思いに決着を付ける。 | |
| 沙頼の葬式が執り行われる。 | |
約五十四年以上後~ |
優姫と零は一から付き合うことに。関係者に挨拶まわりに行く。 |
| 莉磨が支葵にさらっとプロポーズ。「お婿さんになってくれない?」「いいよ」 | |
| 正体不明の反吸血鬼団体「吸血鬼王」による爆破事件が発生。暁は落下する瓦礫から身を挺して瑠佳を守る。自らを顧みない暁に対して、瑠佳は「死んだらどうするの」と心配し、さらに「今すぐ私の夫になると誓いなさい」とプロポーズする。 | |
| 爆破事件を追う中で、1人の子供を守るために研究者に捕らえられてしまった零。彼のもとに駆けつけた優姫は、ある思いをつい口走ってしまう。 | |
| 黒主理事長、逝去。 | |
| 優姫と零の娘・恋が誕生。 | |
| 妹を溺愛する愛。同時に、恋も愛に対して密かな想いを募らせていく。 | |
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| 「吸血鬼王」による爆破事件をはじめとする不穏な出来事の数々は、前市長が画策したものだと判明。吸血鬼と人間の対立が深まっていく。 | |
| 吸血鬼と人間の対立の激化を阻止するため、優姫は吸血鬼たちの籠城生活を提案。 | |
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| 怪我をした人間の子供・タロを拾った愛。枢が眠る場所でしばらく匿ったのち、彼を人間の国へ送り届ける。 | |
| 恋は愛の手足となるべく、純血種の吸血鬼・朱鷺和のもとへ修行に向かう。長い別れに際し、ついに愛は激しく恋の血を求める。 | |
約六十年後~(タロと出会って |
愛とタロが再会。実は帝(市長)の第3皇子だったタロは、吸血鬼と人間の和平について愛に相談をもちかける。 |
| 英が吸血鬼を人間にする研究をついに完成させる。しかし成果を隠し逃亡。 | |
約八十年後~(帝国終焉から |
愛とタロが和平のために政略結婚。 |
| 優姫と零の捕縛司令が取り消され、2人の逃亡生活は終了。 | |
約百二十年後~(逃亡生活終了から |
タロ、逝去。 |
| 英が新薬“人化製剤”の研究結果を優姫に伝える。 | |
約百六十年後~(新薬の報告から |
人化製剤が対吸血鬼武器の代替として導入される。 |
| 零との別れ。 | |
枢が眠りについてから千年後~ |
優姫が自らの心臓を与え、枢を人間として甦らせる。すべての記憶を失った枢に、愛と恋は千年の間に起きた出来事を語り始める。 |
| 枢は黒主理事長が作った写真アルバムを愛から手渡される。 | |
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| 枢、アルバムを手に取る。 |
そして
「ヴァンパイア騎士memories」11巻の最終話へ──。
「ヴァンパイア騎士memories」の単行本最終11巻が、2025年12月5日に発売される。
これを記念して、コミックシーモアでは「ヴァンパイア騎士memories」1~3巻を無料公開&1~4巻を20%引きで販売! 「ヴァンパイア騎士」シリーズを対象に、20%ポイント還元も実施される。これらのお得なキャンペーンは12月18日まで。お見逃しなく!
さらに12月4日の1日限定で、「ヴァンパイア騎士」全19巻を無料で公開!
これを機に「ヴァンパイア騎士」の始まりから終わりまでをおさらいしてみては。
そのほか、12月5日から12月18日まで、LaLa作品の12月新刊を対象とした「LaLa新刊フェア」が主要電子書店にて展開。有川ひろの小説を弓きいろがコミカライズした「空の中 ~自衛隊三部作シリーズ~」や石原ケイコ「偽りのフレイヤ」などラインナップされている。


























































優姫たちの物語を最後まで一緒に見届けてくださり本当にありがとうございました。最後まで続けることができたのは「これを待ってくれている人に届けたい」という気持ちがあったからです。そして「ヴァンパイア騎士」と「ヴァンパイア騎士memories」を描いていく中で、長い連載という事も含め多くの面白い事、光栄な事、様々な貴重な体験をさせてもらえたのは、何ものにも代え難い宝です。読者の皆様と作品に関わってくださった全ての方々に心より感謝申し上げます。