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映画「ミスミソウ」はギャグ臭がにじみ出る?押切蓮介が旧友の黒史郎とトーク

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左から黒史郎、押切蓮介。

左から黒史郎、押切蓮介。

押切蓮介原作による映画「ミスミソウ」の公開を記念し、押切と「小説 ミスミソウ」を手がけた黒史郎によるトークイベントが、本日3月27日に東京・文禄堂高円寺店にて開催された。

チケットが販売されてから、わずか半日で売り切れてしまったという本日のトークショー。映画は4月7日に公開されるが、客席には完成披露ですでに鑑賞したという熱狂的なファンも多く集まる。映画について押切は「面白かったです。試写会で観たので、でっかいスクリーンで観てないんですよ。お金を出して、また観に行こっかな」とコメント。黒は「ノベライズの仕事の依頼を受けていたので、どうしようかなと意識しながら観ちゃいました。でもすごくインスピレーションをもらって、小説に影響が出たところも多いと思います」と語る。

押切からは「撮影を見学したとき、動物の鳴き声が聞こえたので何かな?と思ったら、流美(大塚れな)ちゃんの泣き声だったんですよ。その瞬間に、『この映画はヤバイな』と思って期待が膨らみましたね」という言葉が。また予告映像にも盛り込まれた、除雪車に京子が巻き込まれるシーンについて、予想以上に雪が血の色で真っ赤に染まっていたという感想を述べる。これに映画プロデューサーで本日のMCを務める田坂公章は「あのシーンの撮影はワンチャンスで。雪が真っ赤に染まった瞬間、みんな本番中なのに『わー!やったー!!』って言ってました」と裏話を披露。黒は「名シーンですからね」と言いながら、「応援上映とかあったら、そこで観客は叫ぶんじゃないかな。犠牲者と共に悲鳴あげるとか」と楽しそうに予想した。

全編を通して残酷な映像が続く本作だが、押切は少し変わった見方もしていたそう。「もともと僕はギャグマンガ家だったんですけど、『ミスミソウ』は真面目なつもりで描いたんです。でも映画になってるとにじみ出るギャグ臭が伝わってきて。特に、春花が泥だらけになりながら帰り道を歩いてて、迎えにきた祥ちゃんが心配して『お姉ちゃん!』と抱きつくシーン。後ろを歩いてたお母さんも一緒になって抱きしめて。そしたら映像には入ってなかったけど、いたんでしょうね。お父さんも出てきて、3人を抱きしめるんです。『お前もいたのかよ!』って。あれがすごいシュールに見えちゃって笑っちゃった。ぜひ皆さん、このことを念頭に置いて観てみてください」と呼びかけた。

ここで黒が手がけた「小説 ミスミソウ」の話題に。黒は「『ミスミソウ』は熱狂的なファンが僕の身近にもいるので、この人たちを怒らせたら殺されるな……と思ってました。僕も『ミスミソウ』が大好きなので、あまり自分の妄想寄りにいかないように。でも押切さんが初めて見るような要素も少し入れたかったんです。僕にとっては全員主人公で、メイン以外のキャラクターも1人ひとり愛着があるので、少しでも彼らの日常や描かれてない側面をセリフなどで入れるようにしました」とコメント。そんな黒に対し、押切は「僕の原作で至らない点を全部補ってる感じがしました。読みながら『俺、めちゃくちゃいいこと描いてんな。でもマンガでこんなこと描いたっけ?』と思ったら、全然僕の言葉じゃなかった(笑)。全部、黒さんの力量でした」と称賛する。さらに押切が「小説はマンガと映画、どちらもリスペクトしてる印象を受けた」と伝えると、「押切さんより『ミスミソウ』読んでると思います」と言う黒。押切は「俺、3回ぐらいしか読んだことない」と返した。

話は原作に移り、黒は押切に「ミスミソウ」誕生のきっかけを質問。押切は「背伸びしたかったんですよ。ずっとギャグマンガしか描いてなかったんで、ギャグなしのマンガを描けるんだぞって誇示したかった」と回答。タイトルの由来を聞かれると、「雪割草っていう花があることをゲームで知ってて、花言葉を調べていくうちに、これを話にしたら面白いなと思ったんです。はにかみや、信頼とかをテーマに1つの作品を構築したらいいんじゃないかなと。でも雪割草はゲームのタイトルにもなってるし、どうしようかなと思ってたら“ミスミソウ”っていう別名があることがわかってこうなったんです」と明かす。また黒から「もし『ミスミソウII』をやるとしたらどんなものになるんですか?」と聞かれると、押切は「Twitterでそう発言したけど本気ではない」と回答。「描きませんね」と断言した。

実は「小説 ミスミソウ」の企画が始まる前から友人だったという押切と黒。黒がまだ小説家デビューもしていない頃、深夜に高円寺の公園で、友人数人と輪になって怪談話をしたり、鬼ごっこをしたりしたという思い出話が語られる。またMCの田坂も23、4歳の頃に押切と出会っており、バイト仲間だったことが明らかに。「ミスミソウ」映画化の企画については押切とは知り合いということを言わずに、まず双葉社にオファーしたとのこと。そこで田坂の名前を見た押切が会いたいと希望し、今回の映画化につながったと語られた。

「ミスミソウ」は田舎町を舞台に、クラスメイトのいじめで家族を失った少女・野咲春花の復讐を描くホラーサスペンス。映画では内藤瑛亮が監督、唯野未歩子が脚本を務め、4月7日に公開される。また4月3日発売の漫画アクション(双葉社)には、「ミスミソウ」の映画特別編として押切による8ページの読み切りが掲載される。

映画「ミスミソウ」

2018年4月7日(土)より全国ロードショー

スタッフ

監督:内藤瑛亮
原作:押切蓮介「ミスミソウ 完全版」(双葉社刊)
脚本:唯野未歩子
主題歌:タテタカコ「道程」(バップ)
制作プロダクション:レスパスフィルム
配給:ティ・ジョイ

キャスト

野咲春花:山田杏奈
相場晄:清水尋也
小黒妙子:大谷凜香
佐山流美:大塚れな
橘吉絵:中田青渚
加藤理佐子:紺野彩夏
三島ゆり:櫻愛里紗
久賀秀利:遠藤健慎
真宮裕明:大友一生
池川努:遠藤真人
南京子:森田亜紀
野咲祥子:玉寄世奈
野咲満雄:寺田農
戸田昌宏、片岡礼子

(c)押切蓮介/双葉社 (c)2017「ミスミソウ」製作委員会

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