コミックシーモア主催の「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2026」は、「次に来るヒット作品はこれだ!」と出版社が推薦した作品の中から、一般投票で大賞を選ぶマンガ賞。男性部門、女性部門、異世界部門、ラノベ部門、BL部門、TL部門の6部門が設けられており、その結果発表が2月に行われた。
この特集では、BL部門賞、TL部門賞を受賞した計4作品を紹介。「愛の温度を教えてよ」「夜明けがいちばん暗い」「今から、親友やめようか。~腐れ縁同僚は甘い快楽で私を壊す~」「身代わり姫は隣国の勇猛王に溺愛される」について、それぞれの担当編集者にプレゼンしてもらった。
「愛の温度を教えてよ」
Hiカロリー
コアマガジン
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ゲイ向けのパパ活をしてお金を稼ぐ青年・戒は、客と揉めている現場を偶然通りがかった歯医者の男性・悠真に助けられた。悠真の人当たりと身なりのよさに目を付けた戒が「俺のパパにならない?」と提案したところ、社会勉強として彼から快諾される。最初はお金目的だったものの、これまでのパパとは違って、自分を尊重し大切にしてくれる悠真に惹かれていく戒だったが、彼には他人を信じられない理由があった。
©Hiカロリー/コアマガジン drap
担当編集者・T氏(drap編集部)コメント
Q. 受賞した感想をお聞かせください。
この度は素晴らしい賞を賜り、誠にありがとうございます。たくさんの方に読んでいただき、また、ご支持をいただけたこと、心からうれしく思います。最初にお電話でHiカロリー先生へ受賞をお伝えした際は、まだ現実味がなく落ち着いたご様子でしたが、次第に実感が湧いてきたのか、2度目のお電話の際はとてもうれしそうなご様子が垣間見えました。Hiカロリー先生並びに編集部一同、日々喜びを噛み締めております。
Q. 「電子コミック大賞」にどういった印象を持っていますか?
電子書籍ジャンルにおいて、最も名の知れた賞の1つである「電子コミック大賞」を受賞するということは、それだけ多くの読者様に読まれ、そして評価されているのだと改めて実感し、身の引き締まる思いです。
Q. 「愛の温度を教えてよ」の推しポイントはどんなところでしょうか。
過去の恵まれない家庭環境により、人からの愛を信じられなくなっていた戒の“大人の男性”に向けた複雑な心情を描いています。そんな戒が悠真によって愛を説かれ、教えられていく過程が丁寧に描かれている点は、作品通しての見どころです。Hiカロリー先生の美しく緻密なイラストによって、心情の変化とともに戒の表情の変化が明瞭になっており、より物語の世界観に深みを与えています。野良猫が徐々に懐いていくような、そんな愛らしさを戒から感じ取っていただけるとうれしいです。
Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。
「愛の温度を教えてよ」の前に執筆いただいた作品(「ドアの向こうにはロマンス」)が、ストレートに申し上げると「クズ」にカテゴライズされる年上の攻だったので、Hiカロリー先生と「今度は人格者の大人で優しい攻を描きましょう」とお話しして生まれたのが悠真でした。
そしてなぜか、Hiカロリー先生も担当編集の私も、戒の事は「戒くん」呼びで、悠真のことは「悠真」といったように、呼び捨てになっていました。うら若い戒に対して悠真同様、庇護欲が湧いてしまったようです。
Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?
なんといっても、4話目の戒が悠真に対して心絆され、甘えたような少し幼い表情を見せるシーンです。こちらのシーンは雑誌掲載時より読者の皆様から絶大な支持を得ていました。ぜひ1話目との表情の違いを見比べていただきたいです。
「夜明けがいちばん暗い」
山田ノノノ
新書館
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興味本位からホストになったタカヤは、ひょんなことから同じアパートに住む小説家の斎藤と知り合う。初対面でゲイだと告白してきた斎藤の部屋に招かれ、彼のテクニックに骨抜きにされてしまったタカヤ。斎藤と付き合えるものだと思っていたタカヤだったが、斎藤はそれをあっさり否定。そんな中、タカヤは斎藤が「できる男が好き」と聞き、彼に似合う男になろうと奮闘を始める。
©山田ノノノ/新書館
担当編集者・M氏(シェリプラス編集部)コメント
Q. 受賞した感想をお聞かせください。
この度は、栄誉ある賞に選んでいただきありがとうございます。
ちょうど先生と打ち合わせをしているタイミングに受賞の連絡をいただき「やりました…!!」と直接お伝えすることができました。そして先生と「やったー!!!」と手を取り合って喜びました。
「夜明けがいちばん暗い」をたくさん応援し、投票してくださったおひとりおひとりに深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました!!
Q. 「電子コミック大賞」にどういった印象を持っていますか?
マンガを描くという作業はとても孤独な作業なので、レビューや投票により読者さんからの応援が実感でき、さらにこの賞がきっかけでまた新しい読者さんに作品を読んでいただけていることを目の当たりにしておりとてもありがたいなと思っています。
Q. 「夜明けがいちばん暗い」の推しポイントはどんなところでしょうか。
いい意味で最初の印象とガラリと変わる展開がたくさんある作品です。売れない新人ホストのタカヤくんが酔って部屋の寝ているところを、ミステリアスな大人の男・サイトーさんに助けてもらうところから始まるのですが、この後話が思わぬ方向に進んでいきます。
そして最後まで読んでいただいた後に再び表紙そしてタイトルをご覧いただくと、そういうことだったのか!と腹落ちし、思わずグッとくる瞬間があるかと思います!!
Q. 制作時の裏話や先生との印象的な思い出を教えてください。
コミックスの表紙イラストを描いていただく際、この「夜明けがいちばん暗い」というお話を1枚で表現するような絵をという相談を先生にさせていただきました。そしていただいたのがタカヤくんの圧倒的光感とサイトーさんの影、そして踏切…! いただいた瞬間、思わず「おおー!」と声が出ました。
Q. ぜひ読んでほしいというエピソードや話数、シーンはどこでしょうか?
たくさんあり、またどこもネタバレになってしまうので難しいのですが、やはり3話の「一緒帰ろ」とタカヤくんが言うシーンでしょうか。
傷を抱えまさに闇に佇むようにして生きていたサイトーさんが、タカヤくんと出会い彼から光を感じたことによって、その先どう変わっていったのか。
胸キュン要素も沢山あるお話ではあるのですが、サイトーさんの考え方の変化は多くの方の胸に刺さるのではないかと思っています。



