テニミュ3rdの34名、初のドリライで熱唱！「今をつなげて永遠にしよう」

「ミュージカル『テニスの王子様』」のライブイベント「コンサート Dream Live 2016」が、5月13日から15日まで大阪・オリックス劇場、20日から22日まで神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて行われた。ステージナタリーでは20日に行われた公演の様子をお届けする。

本公演とは異なり、キャラクターに扮した出演者たちが熱いライブを繰り広げ、観客もペンライトを振って楽しめる「Dream Live」、通称ドリライ。7月14日から全国5都市で開催される「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学（せいがく）vs氷帝」をもって卒業する、主役校・青学のキャストにとっては、本公演が最初で最後のドリライとなる。今回の公演には主役校である青学をはじめ、不動峰、聖ルドルフ、山吹の4校、総勢34名が集結した。

オープニングでは「ウェルカム」というフレーズが印象的な新曲「DREAM」をはじめ、「ザ・レギュラー」「Victory」を全員で披露し、華やかにドリライの幕開け。続いて各校が順に、それぞれの学校のテーマとなる曲を歌唱していく。青学は本公演とは異なるアレンジも交えつつ「勝利への躍動」、聖ルドルフは「テニスの精鋭部隊」、不動峰は「真剣勝負だ！」、山吹は「一陣の風」を歌い、コールを交えて会場を盛り上げる。各校の歌う前後に繰り広げられるフリートークも楽しいポイント。楽屋での素性を明かされた亜久津が、喜多に向け「（頬の）ぐるぐる、よく書けてるじゃねーか!!」と叫んだり、不動峰がチームカラーの黒にちなみ「俺たちが黒猫アイドル、不動峰だ！」と猫のポーズで自己紹介をしたりすると、その都度黄色い歓声が上がる。

越前リョーマの父親・越前南次郎の「おいリョーマ、お前、大阪は楽しかったらしいな、じゃあ横浜でも暴れてこい！」との声がすると、「越前リョーマ、行ってきまーす」とリョーマがポップアップで登場。ここからは不動峰公演、聖ルドルフ公演での熱闘を振り返るように、不二裕太、伊武深司とボールを打ちあいながらソロ曲を披露していった。不動峰の神尾は「俺の仕切ったリズム」で客席を縦横無尽に駆け巡り、海堂は「マムシ」を力強く披露。海堂に「横浜ベイブリッジを往復して20分で戻ってこい」とトレーニング指導した乾は、海堂が客席に走っていった途端、「ソロを歌うのは今しかない！」と「分析」のワンフレーズをセンターで歌い、満足げな表情を見せる。

桃城と海堂による「お前はお前で俺は俺」では、どちらがより美しくジャージを着られるかという「ジャージランウェイ」で2人が勝負。そして「シナリオをぶち壊せ」では、寿司屋の息子である河村が、ラケット型のペンライトをしゃもじに見立て、寿司桶を片手に持って踊る。亜久津の「俺の前に立つな」、裕太の「俺の名前は不二裕太」などソロ曲のコーナーでは、キャラクターたちがよこはまコスモワールドでジェットコースターに乗ったり、八景島シーパラダイスに行きたがったりと、開催地の横浜にちなんだトークも。前半のラストを飾ったのは「24/365」。全員で迫力あるステージを見せた。

この日はテニミュ通算1400回公演。トークコーナーではMCの森山栄治によって、2ndシーズンより、越前リョーマ役の小越勇輝、手塚国光役の和田琢磨、橘桔平役の上田悠介がゲストとして呼び込まれた。和田がさっそく、この日上田が間違えて横浜アリーナに行ってしまったことを暴露すると、上田は「気持ちが自然とアリーナに向いちゃって」と弁解。そして小越が上田の額に、橘のトレードマークであるホクロをペンで描くと、会場は歓声と笑いに包まれた。またラケットを手渡された小越は「持つだけだからね！振んないよ！」と焦らしながら、「小越勇輝としてなら振りますよ」と軽く素振り。また和田は、「あれやりたいなー！」とワクワクした表情で小越と共に手塚とリョーマのポーズを取り、「満足！」と懐かしさに喜んでいた。さらに3rdシーズンのリョーマ、手塚、橘も登場。最初は頑なにキャラを保っていた3人だったが、古田一紀（リョーマ役）、財木琢磨（手塚役）、青木空夢（橘役）としてトークすることに。

小越をリスペクトする古田は、肩を組んで密着してくる小越に向かって「近い！」と照れた様子。そんな古田に和田は「俺のほうが小越のこと好きだからね」と対抗意識を燃やす。また小越が「最初のソロ、上から見てたけどよかったよ」と褒めると、古田は満面の笑顔で「よし！」と喜びをあらわに。「『よかったよ』とか言ってくれたの初めてじゃないですか」とうれしそうに話し、満足した様子だった。後輩たちがはけると、ゲストはしみじみと感想を語り、上田は「自分が演じてたキャラを前にしても、『わあ、本物だ！』って、ファンみたいになっちゃった。不思議な気持ち」と心境を明かす。そしてトークコーナー終了後は、次回公演に登場する氷帝メンバーの動く映像もお披露目された。

ドリライ後半戦は、私服姿の青学メンバーによる「突っ走れ！」でスタート。本公演では見られない特別な衣装もドリライの見どころのひとつで、「100％の心」では山吹が胸元に「%」、背面に「100」と書かれたTシャツ、「観月のルール」では聖ルドルフが中世貴族のようなベルベットのコートを羽織り、ラケットの代わりにレイピアを持って艶やかに踊ってみせた。不動峰による「真剣勝負とはそういうこと」では、橘が「俺たち、今日までがんばってきたよな。素人みたいだった俺たちが、一緒に練習して、こうして舞台に立てるまでになったよな。これからそれぞれの道を歩んでいくことになるが、がんばっていこうな」と劇中のセリフを交えてキャスト陣の将来を鼓舞。神尾をはじめとるする不動峰メンバーは「今まで俺たちを引っ張ってくれてありがとう！橘さん！」と感謝を述べ、絆を確かめ合っていた。

その後は大石、神尾、東方、野村ら、各校の副部長たちが集まるレアな光景が広がり、自分が地味なことを気にする東方が「地味な野菜を言ってみろ」と3人に振る。神尾の「ラディッシュ」という答えに東方は首をかしげ、自身は「しそ」と呟いてさすがの地味ぶりを見せつけていた。そして大石が「俺には大切なパートナーがいます」と語ると、パートナーの菊丸を励ます「視線の先の同じ夢」へ。大石と菊丸の黄金（ゴールデン）ペアのほかにも、不二と河村、石田と桜井、赤澤と金田、新渡米と喜多といったペアが登場し、ステージを盛り上げた。

大石の励ましもあり充電完了した菊丸は「チャージアップ」で元気よく舞台を駆けまわる。ローラースケートを履いた新渡米と喜多も、青学1年生トリオとともにステージに華を添えた。また某音楽番組を彷彿とさせる「ラッキー千石」では、千石が赤いセットアップをまとい、アイドルさながらの楽しいステージを展開。南と東方は「漆黒の地味'S（ジミーズ）」をシブくパフォーマンスするが、その背後にはカラフルな衣装を着た山吹の面々が踊る。大石と菊丸のほかさまざまなダブルスペアも登場した「You&Me」の後には、1stシーズンで桃城役を演じていた森山が海堂を呼び込み、胸ぐらを掴んで「やんのかコラァ！」と睨み合う、お決まりの桃城・海堂のやり取りを再現した。海堂役の佐奈宏紀は堂々と向き合ってみせたものの、やり取りを終えると、大先輩を相手に恐縮した表情を見せる。

ラストスパートはリョーマと亜久津を青学、山吹が取り囲んで重厚なハーモニーが披露される「勇気VS意地」、手塚による「青学の柱」、山吹・聖ルドルフ・不動峰による「輝け、もっと」、全校による「チャレンジ」～「すべては勝利のために」。MCの森山が「次の曲は初代である僕たちにとってもすごく思い入れがある曲です。『Dream Live 1st』でも歌いましたし、この曲で僕たちも卒業しました。こうやって何年経っても歌い継いでくれている。それもまたテニミュの良さだと思います」と「Now&Forever」を紹介すると、「今 今をつなげて永遠にしよう！」という心を打つ歌詞を、全員でしっとりと歌い上げる。最後は「ニューウェーブ」「Jumping up! High touch」「On My Way」のメドレー、「シャカリキ・ファイト・ブンブン」と、3rdシーズンを彩ってきたカーテンコール曲で、2時間50分におよぶ「Dream Live 2016」横浜公演初日は幕を閉じた。