TRICERATOPS、強靭な“SPACE GROOVE”でCOASTを魅了

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12月13日、新木場STUDIO COASTでTRICERATOPSの全国ツアー「DANCE TO THE SPACE GROOVE TOUR」のファイナル公演が行われた。

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MCで子どもの頃に観たアニメの話になると、最年長・吉田は「俺はのらくろ世代だから」「俺もヒーロー物は好きだったよ。月光仮面」などと恒例の自虐ネタを続々展開。パワフルなドラミングから一転したキャラで会場を沸かせた(撮影:窪徳健作)。

MCで子どもの頃に観たアニメの話になると、最年長・吉田は「俺はのらくろ世代だから」「俺もヒーロー物は好きだったよ。月光仮面」などと恒例の自虐ネタを続々展開。パワフルなドラミングから一転したキャラで会場を沸かせた(撮影:窪徳健作)。

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このツアーはtearbridge records移籍第1弾アルバム「MADE IN LOVE」のリリースツアーとして、全国20公演にわたって開催。ツアーファイナルのCOASTには約2000人のファンが集結し、ライブのスタートを待った。

3人がステージに登場すると、フロアのファンが一斉に前方に押し寄せる。勢いづくオーディエンスを落ち着かせるように、1曲目に奏でられたのはアルバムでも最初を飾る「SPACE GROOVE I」。ゆったりとしたアコースティックサウンドでライブの幕が開くと、続いての「FUTURE FOLDER」で熱気が一気に爆発する。林幸治(B)、吉田佳史(Dr)の鳴らすグルーヴィーな低音が会場を揺らし、和田唱(Vo,G)のボーカルとギターが伸びやかに響きわたっていく。

そのままアルバムと同じ曲順で、オリエンタルなフレーズで新境地を開いた「PYRAMID CRASH」から引き続いて、ライブでは欠かせない「GROOVE WALK」、さらに「GOING TO THE MOON」と新旧の曲が途切れることなくなめらかに切り替わりながら続く。「GOING TO THE MOON」では彼らお得意のインプロ的前奏を聴かせ、「次は何の曲なんだろう?」とオーディエンスをわくわくさせることも忘れない。

「DANCE TO THE SPACE GROOVE TOURへようこそ!俺ら全力で演奏して歌うんで、みんなも全力で楽しんじゃってください!」と和田が笑顔で挨拶。そして、「次の曲は恋しちゃってるみんなに捧げます」と言ってから「シラフの月」を披露する。パープルやピンクのライティングの中で、3人は圧巻のコーラスワークを展開。トライセラならではの「踊れるロック」とはひと味違った、大人っぽさあふれるサウンドでファンを魅了した。

中盤のアコースティックコーナーでは、和田が弾き語りで「Any Day」を歌う。この曲の終わりには「Let It Snow」を合わせて披露。「ちょっと(クリスマスには)早いかな?でももう13日だもんね!(笑)」と、ファンに向けて一足早いクリスマスプレゼントを贈った。

MCでは林が「今日は地元でのファイナルだけど、最後だからってやたらと力を入れたりはしないでいつもどおりに頑張ります。でも、まあ特別なこともあって……今日iPod Shuffle洗濯しちゃったりとか」と、“特別”なエピソードを語ると、和田から「マジで?洗ったらキレイになった?」という予想外の返しが。林も苦笑しつつ「うん、ピカピカになったけど、うんともすんとも言わなくなった(笑)」と返していた。

後半に突入し、林のベースと吉田のドラムによるセッションがスタートする。曲の演奏中とは趣を変えた、音圧の強い2人のグルーヴにオーディエンスも思わず息をのんで見守る。どっしりとした緩めのスピードで始まったセッションは、後半に入りダンサブルなビートに変化。2人がそれぞれの見せ場で存分にテクニックを発揮し、会場からの大きな拍手を浴びた。

「今年の『MADE IN LOVE』を巡る一連のストーリーはいったん終わるけど、この作品に込めた気持ちやメッセージは終わらないんだよ。俺らの代表作だと思っているから、これからも大事に聴いてもらえたらすごく嬉しいです。みんながネガティブな気持ちになったときとかはアルバムを聴いて、そして俺たちに会いに来てください。俺らはずっとみんなのそばにいます」と和田が力を込めて語り、ライブ本編はいよいよ終盤に。「COMIC HERO」「シリンダーの中の夢」「Raspberry」とパワフルなロックチューンを立て続けにぶっ放し、ラストはアルバムと同様に「SPACE GROOVE II」「MADE IN LOVE」で締めくくる。デビュー曲から最新ナンバーまでを、現在のトライセラにしかできない強靭なアンサンブルで披露した。

アンコールの声に応えて登場した3人は、「特別な曲を贈ります。ミスター藤井フミヤにプレゼントした曲です」と、彼の最新アルバム「F's KITCHEN」収録曲の「キメゼリフ」を演奏。ホーンを多用したフミヤバージョンとは異なる、3人だけのストレートでパワフルなロックアレンジを聴かせた。

一度目のアンコールの後もまだまだ拍手は鳴りやまず、この日はトリプルアンコールにまで突入。最後は和田が「次にみんなに会えるのを楽しみにしています。近いうちにまた会おう!これからもよろしく!」と叫んで「トランスフォーマー」を披露。オーディエンスも思う存分踊りまくり、和田の煽りに応えて大声で合唱。ステージとフロアが一体になったまま、熱狂のライブは幕を閉じた。

アルバム収録曲を圧巻のサウンドでファンに披露しただけでなく、過去の楽曲もより強力なアレンジを施して惜しみなく展開した今回のツアー。代表作と言い切るアルバム「MADE IN LOVE」を完成させ、彼らがさらなる自信を得たことが十分に感じられるステージだった。

※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

TRICERATOPS「DANCE TO THE SPAVE GROOVE TOUR」
2008年12月13日 新木場STUDIO COAST セットリスト

01.SPACE GROOVE I
02.FUTURE FOLDER
03.PYRAMID CRASH
04.GROOVE WALK
05.GOING TO THE MOON
06.シラフの月
07.PHOTOGRAPH
08.LOONY'S ANTHEM
09.Any Day~Let It Snow
10.プレゼント
11.FOREVER
12.Fly Away
13.MILK & SUGAR
14.COMIC HEROES
15.シリンダーの中の夢
16.Raspberry
17.SPACE GROOVE II
18.MADE IN LOVE

EN1-01.キメゼリフ
EN1-02.FEVER

EN2-01.Jewel

EN3-01.トランスフォーマー

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音楽ナタリー @natalie_mu

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