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クミコ with 風街レビュー新作にCKB横山剣、亀田誠治、菊地成孔、吉澤嘉代子ら

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クミコ

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クミコ with 風街レビューが9月27日にフルアルバム(タイトル未定)をリリースする。

アルバムにはシングル曲「さみしいときは恋歌を歌って」「恋に落ちる」「砂時計」のほか、横山剣(クレイジーケンバンド)、亀田誠治菊地成孔吉澤嘉代子村松崇継らが作曲を手がけた新曲を含む全10曲が収められる予定となっている。サウンドプロデューサーはシングル作品に引き続き、冨田恵一が務めた。なお松本隆は、クミコが2000年にリリースした「AURA」以来17年ぶりにアルバム全収録曲の作詞を担当した。

松本は本作について「今回のアルバムは、新しい作曲家達との運命の出会いから生まれた作品と言える。僕自身、あんまりジャンルにこだわりをもっておらず、色んな作品を書いてきた。はっぴいえんどの頃からそうだったけど、ジャンルという塀みたいなものを、ひょいと飛び越えてしまう人間なんだと思う」とコメント。またクミコは「それぞれが起こす化学反応が、どのような色合いの作品を生み出すのか、わくわくします。コンピューター全能の現代に『人の息吹き』がパズルのようにはめ込まれたアルバムになることを願っています」と述べている。

なおクミコは10月9日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで、自身のデビュー35周年とニューアルバムの発売を記念したコンサート「クミコ・ザ・ベストコンサート 1982-2017」を開催する。

クミコwith風街レビュー「タイトル未定」収録予定曲

・さみしいときは恋歌を歌って
[作詞:松本隆 / 作曲:秦基博 / 編曲:冨田恵一

・恋に落ちる
[作詞:松本隆 / 作曲:永積崇 / 編曲:冨田恵一]

・砂時計
[作詞:松本隆 / 作曲:つんく♂ / 編曲:冨田恵一]

・セレナーデ
[作詞:松本隆 / 作曲:シューベルト / 編曲:冨田恵一]

・フローズン・ダイキリ
[作詞:松本隆 / 作曲:横山剣 / 編曲:冨田恵一]

・輪廻
[作詞:松本隆 / 作曲:菊地成孔 / 編曲:冨田恵一]

・消しゴム
[作詞:松本隆 / 作曲:吉澤嘉代子 / 編曲:冨田恵一]

・枝垂桜
[作詞:松本隆 / 作曲:亀田誠治 / 編曲:冨田恵一]

・しゃくり泣き
[作詞:松本隆 / 作曲:村松崇継 / 編曲:冨田恵一]
ほか

松本隆 コメント

ラブソングをコンセプトに、“クミコ with 風街レビュー”のフルアルバム10曲ができた。恋愛の色んな形を色んな角度から切り取っていて、秦基博さん、永積崇さんとのファーストシングル「さみしいときは恋歌を歌って / 恋に落ちる」は、わりと恋愛初期の恋心を描き、その後、つんく♂さんと作ったセカンドシングル「砂時計」は、もつれた大人の恋愛の歌。カップリングは、シューベルトの歌曲「白鳥の歌」の中の一曲で、彼の作品は失恋の歌が多いけれど、この「セレナーデ」は珍しく求愛の歌。まさにラブソング。

今回のアルバムは、新しい作曲家達との運命の出会いから生まれた作品と言える。僕自身、あんまりジャンルにこだわりをもっておらず、色んな作品を書いてきた。はっぴいえんどの頃からそうだったけど、ジャンルという塀みたいなものを、ひょいと飛び越えてしまう人間なんだと思う。

クミコという歌手も、出発はシャンソンだけど、ジャンルの枠を飛び越えてしまう自由な人だと感じていて、僕とよく似ている。それに、クミコは色んな意味で、数少ない表現力と歌唱力を持ち合わせ、未だ進化している歌手だと思う。還暦をすぎた同志のような感覚で、一緒にどこまでいけるか楽しみだ。

冨田さんのアレンジは本当に素晴らしい。優秀な作曲家でもあり、彼の曲に何曲か作詞もしているが、秀れたアレンジャーでありサウンドメーカー。様々なジャンルの楽曲にも統一感あるサウンドでアルバムの世界観を表現してくれた。彼がいなければ、このプロジェクトは成り立たなかったと思う。

セカンドシングルを書いてくれた、つんく♂さんや、横山さんのようなベテラン二人は、いい意味で歌謡曲のテイストもあり、筒美京平さんとの作品作りと似たようなものを感じた。横山さんが作った曲(「フローズン・ダイキリ」)を初めて聴いたとき、なんてキャッチーで優れたメロディーだと思った。筒美京平の曲に詞をつけて、ビッグヒットを生み出した時にような手応えがあるので、歌入れを物凄く楽しみにしている。

吉澤嘉代子さんは、歌を歌っている可愛い女の子(吉澤さん)が僕のTwitterをフォローしてくれていて、はっぴいえんどや僕の作品と彼女のファンには共通の人がいて、その人たちが、吉澤さんのことを「凄くいい」と騒いでいたりで、気になっていた存在。

菊地さんは、新しいタイプのジャズの人だなあと思って、CDも持っていて前々から聴いていました。曲のタイトル付けも面白くて、縁があったら組んでみたいと微かに思っていたので、今回作曲家として参加してもらった。思った通り、魅惑的な曲を書いてくれた。

村松さんは、クラシック畑の人。アニメや映画などの音楽でも活躍している注目株。彼はJ-POPにも興味があるようで、とてもいい曲を書いてくれた。チャレンジャーな新鮮さを失わないでほしいと思う。

亀田さんは、共通の友人のパーティーか何かに招待された代官山のレストランの受付にいた時、「松本さんですか?亀田です。」と声をかけてくれたのが出会い(笑)一流のサウンド・プロデューサーなのに、気負いがなく親しみを感じる律儀な人だと思った。今回は作曲家として参加してくれることになった。まだ楽曲があがってきてはいないけれど、大いに期待している。

クミコ コメント

銀座の端っこにあった小さな店「銀巴里」で唄い始めて35年が経ちました。歌手生活35周年と、くくってしまうにはどこか気恥ずかしい気持ちがします。それでも、シャンソンに関わり、そこから「言葉の音楽」に針路を定め唄ってきたことで、今の私があるのだと思います。松本 隆さんとのご縁は、ですから神様からのプレゼントともいえるもので、2000年と今年2017年との二回、アルバムという形で作品を発表できることは、まったくの幸せです。

今回は“クミコ with 風街レビュー”の形をとりました。松本さんの言葉に、初タッグのアーティストのメロディが重なり現れる世界を、私が唄うというプロジェクトです。それぞれが起こす化学反応が、どのような色合いの作品を生み出すのか、わくわくします。コンピューター全能の現代に「人の息吹き」がパズルのようにはめ込まれたアルバムになることを願っています。

そして10月には、この新しい作品と、これまで大切に唄ってきた歌たちとを合わせ、「クミコ・ザ・ベスト・コンサート」を開きます。これまでとこれからの歌たちを、一本の道を楽しく歩くようなコンサートにしたいと思っています。アルバムもコンサートも、どちらも一人でも多くのかたの心のドアを叩けますよう。

横山剣 コメント

まずは今回、このプロジェクトに参加させていただけて光栄です!クミコさん、松本隆さん、そして僕というトライアングルを脳内でぐるぐるイメージしているうちに押し出されたメロディーです。だから作曲ではなく出曲という感じです。イイネ!イイネ!イイネ!

菊地成孔 コメント

松本先生から直接オファーを頂き、あまつさえ、とんでもない大人な歌詞で、何と申しましょうか、感動しております。このプロジェクトの末席を汚さぬ様、心を込めて丁寧に作曲させて頂きました。

吉澤嘉代子 コメント

クミコさんが歌われる「わが麗しき恋物語」に号泣したお茶の間の中学生でした。歌の映写機にあてられて、人生の輪郭にふれたような衝撃は、今もすぐに取り出せるほど残っています。「消しゴム」を聴かせていただき、自分のメロディだからこそ、声がこの歌の中心にあることにドキリとしました。どこまでも自由なのに、いつでもちょうど真中にある、月のような歌声。大好きな松本 隆さんに歌詞をつけていただき、ひとつの大きすぎる夢が叶いました。有難うございます。

亀田誠治 コメント

松本 隆さんの日本語が美しすぎてくらくらしました。その言葉の花びらをメロディに乗せ、謹んで納めさせていただきます。

クミコ・ザ・ベストコンサート 1982-2017

2017年10月9日(月・祝)東京都 恵比寿ザ・ガーデンホール

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