沖仁、15年の歩み凝縮したアニバーサリー公演

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沖仁が7月1日に東京・東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアルで自身のデビュー15周年記念公演「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」を開催した。

沖仁「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」の様子。 (写真提供:TONE)

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沖仁 (写真提供:TONE)

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亀田誠治や葉加瀬太郎が参加した新作アルバム「Clasico [クラシコ]」の発表や、J.A.Mと共に東名阪を回るツアーの実施など、アニバーサリーを盛り上げるべく精力的に企画を展開してきた沖。東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアルでのコンサートは、会場のエントランスに沖の最新アーティスト写真で使われている“QUINCE”の文字を模った大きなオブジェが飾られたり、ホワイエでスペインのワイナリー・オンタニョンと沖のコラボによるワインが販売されたりと、祝福ムードが漂うものとなった。

沖仁「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」の様子。 (写真提供:TONE)

沖仁「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」の様子。 (写真提供:TONE)[拡大]

この日は、沖の15年のキャリアを年代別に3つに区切り、それぞれの時代のエピソードを振り返るトークと、各年代の楽曲の演奏で振り返る3部構成で進められた。トークの司会はラジオ番組で何度も共演しているジョン・カビラが担当。また演奏は高岸弘樹(Cante, Palma)、伊集院史朗(Baile, Palma)、ホセ・コロン(Perc)、智詠(G)、藤谷一郎(B)、斉藤哲也(Key)、島裕介(Tp)という編成で行われ、多様な沖の楽曲の世界観をダイナミックに再現。曲が終わるたびに満員の客席から大きな拍手が起こっていた。

左から沖仁、ジョン・カビラ (写真提供:TONE)

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第1部では、インディーズでの活動をスタートさせた2002年からメジャーデビュー直前の2005年までの活動にスポットが当てられた。トークで沖は、ピアノ、尺八、ドラム、ベースなどを初めたあとにギターにたどり着いたことや、ギターを手にしたきっかけが布袋寅泰に憧れたことなどを明かした。また渋谷駅前の路上でライブを行っていたインディーズ時代について話題がおよんだ際は、当時制作したカセットテープ作品を実際に流してファンを喜ばせていた。演奏パートでは、1曲目に15年前の自主制作盤「ボリビアの朝」に収録されているブレリア「メルチョールの家」をセレクト。パーカッシブなギターと高岸によるカンテホンド、伊集院による手拍子が会場を一気にスパニッシュな雰囲気に塗り替えると、その後も「サンタマリナ教会」「Vendedores de la mar」といったタンゴ、ルンバ、グアヒーラなどを多彩な奏法で届け、繊細さと迫力を兼ね備えるフラメンゴの魅力を伝えていく。

沖仁 (写真提供:TONE)

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第2部では、沖がメジャーデビューを果たした2006年頃がテーマに。「この時期にはそんなにいい思い出がないんですよ(笑)」との前置きがされたトークパートでは、2008年の「ムルシア“ニーニョ・リカルド”フラメンコギター国際コンクール」で優勝を逃した悔しさが語られた。演奏パートは「ソンリサ ~微笑の季節」「サンパブロ通りの天使達」など、メロディアスなギターフレーズがさわやかなナンバーで幕開け。また「ベサメ・ムーチョ」「FANTASMA」といったブレリアが続けられたパートでは、伊集院が激しいバイレを披露してコンサートの大きな見どころを作っていた。

沖仁「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」の様子。 (写真提供:TONE)

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沖仁 (写真提供:TONE)

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第3部のトークパートで沖は、優勝を勝ち取った「ムルシア“ニーニョ・リカルド”フラメンコギター国際コンクール」への2度目のチャレンジについて振り返り、コンクールにTBS系「情熱大陸」の撮影クルーが帯同していたことから、重圧を感じたことなどを明かす。また自身の15年のキャリアについては、「『フラメンコってなんだろう、自分は日本人としてどう向き合えばいいんだろう』と自問自答をしてきた」「メンバー5人にお客さん3人ということもあったが、この日を迎えられて本当に幸せです」と語った。第3部の演奏パートは、沖による「グリママ」の独奏でスタート。このとき沖はギターにマイクやDIを通さず生音で演奏した。さらに最新アルバムから、亀田と葉加瀬が参加した楽曲「Tierra ~大地行進曲~」をブラジリアンバージョンで届けたり、「ONCE」で伊集院が観客にバイエをレクチャーして踊らせたりと、来場者を楽しませる施策を続けていく。そしてMCで「たくさんの人に支えられて、いろんな人に導いてもらってここまで来られました。皆さんに、ありがとうございましたと心から伝えたいです」と感謝の気持ちを述べたのち、「最後の曲には何がふさわしいだろうかと考えて」と前置きして、本編最後に「My Way」のカバーをプレイ。しっとりと優しいフラメンコアレンジの演奏と、高岸によるスペイン語と日本語の2パターンの歌唱が、コンサートのエンディングに感動的な空気をもたらしていた。さらにアンコールでは、沖はギターを手に客席後方から現れ、チック・コリアの「Spain」を演奏しながらゆっくりとステージに移動するサプライズも。ステージでバンドと合流した沖は力強く演奏を届け、大きな一体感の中コンサートを終了させた。

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沖仁「デビュー15周年記念公演 15 -QUINCE-」
2017年7月1日 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル セットリスト

第1部

01. メルチョールの家
02. サンタマリナ教会
03. ラ・ジュビア・リンピア・エル・アイレ
04. Vendedores de la mar
05. Green Lake City

第2部

06. ソンリサ ~微笑の季節
07. サンパブロ通りの天使達
08. ベサメ・ムーチョ
09. FANTASMA

第3部

10. グリママ
11. Tierra ~大地行進曲~
12. ONCE
13. マイ・ウェイ
<アンコール>
14. Spain

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eye📎 @nanamui22

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