ツアー前半のハイライトとも言えるこの2DAYSは両日ともに大盛況。最新アルバム「Shout to the Walls!」の収録曲を中心とした新曲だらけのセットリストにも関わらず、2日間ともオープニングからアンコールまで会場の熱気が冷めることはなかった。
初日は序盤で若干性急な部分もあったが、徐々に4人のパフォーマンスは安定し、頼もしさを増していく。ときに光村龍哉(Vo, G)は歌詞の一部に「大阪」という言葉を混ぜ込む余裕もみせ、大阪公演だけの演出で満員の会場を盛り上げていた。また新曲の合間にはひさしぶりに演奏する曲を新たなアレンジでプレイ。中には観客も予想し得なかった楽曲が演奏され、どよめきと悲鳴のような歓声が会場に響く瞬間もあった。
「(『Shout to the Walls!』は)とってもいいロックアルバムになったと思います。ライブで100万倍にして大阪の皆さんにぶっ放したいと思います」と光村が宣言したとおり、新曲は単純にアルバムの音源を再現するわけではなく、さまざまなアレンジを加えた形で届けられた。その場で音をサンプリングした上でループさせながらバンドサウンドを重ねる曲もあれば、古村大介(G)と坂倉心悟(B)がバトルをするように楽器をかき鳴らすナンバー、対馬祥太郎(Dr)の太いリズムが場の空気を作る楽曲、みずみずしいコーラスが観客を惹き付けた新曲など、ライブ仕様の新曲たちが次々と広いホールに響いた。
ライブの終盤で「今まで何度も大阪に来てますけど、こんなに気持ちよく演奏させてもらうのは初めてかもしれません」と笑顔を浮かべた光村。さらにライブでも演奏したテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「ニワカ雨ニモ負ケズ」を、7月10日にシングル化することを発表して観客を喜ばせた。
初日で感覚をつかんだ4人は、2日目の公演は1曲目から盤石のアンサンブルでオーディエンスを自分たちのペースに巻き込む。光村が「1日目はぶっちゃけ相当盛り上がりました。大阪のハードル、上がってます。昨日より盛り上がってください」「お客さんに歌ってもらいたいポイントがたくさんありますんで」と語った影響もあってか、会場の一体感は時間の経過とともに増していく。基本的な構成は前日と同じだが、新曲の合間に差し込まれる過去の楽曲が変更され、この日限りのライブが作られていく。前半は曲に合わせた躍動的な照明演出が一役買い、色合いや動きでNICOのパフォーマンスをより立体的なものにし、後半ではさまざまな映像が効果的に差し込まれ楽曲の世界に深みと彩りを与えた。
なお古村が作詞作曲を手がけた「アルペジオ」の前には、楽曲を書くきっかけとなった親友が結婚式を挙げていることが明かされる。ツアー中のため結婚式に参列できなかった古村は友人への祝福を込めるように丁寧にギターを爪弾き、情感豊かな音色で観客をうっとりと酔わせた。
アンコールで光村は「昨日、今日と夢のように楽しい2日間でした。今日のライブはこれまでのライブの中で3本指に入るな。個人的にこういうライブをもっとやりたい。ついてこいよ大阪!」と大声で宣言。それに同意するように古村、坂倉、対馬も笑顔を浮かべる。そして2日間にわたったオリックス劇場公演は「また元気に大阪で会いましょう!」という再会の言葉で締めくくられた。
なおツアー「new balance presents NICO Touches the Walls TOUR 2013"Shout to the Walls!"」はこのあとも全国各地のホールで展開。ファイナルは7月10、11日の東京・NHKホール2DAYSとなる。
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