4月21日に
全国9カ所のライブハウスを回った今回のツアーで彼らはサポートを入れず、3人だけのパフォーマンスを展開。エンタテインメント性を打ち出したステージで、フロアを埋め尽くしたファンを魅了した。
青い照明がサーチライトのように会場を行き来する中、メンバーが順番に登場。それぞれ手を挙げたり、ガッツポーズをしてみせたりと気合いを示す。そして杉本雄治(Vo, Piano)の力強いピアノが響く「Performance」でライブの幕は切って落とされた。杉本は自身の弾いたフレーズをその場でサンプリングしながら音に厚みを加え、リズムパッドを叩くなど楽器を駆使しながら楽曲に新たな彩りを添える。続く「Shall we dance」では躍動的な雰囲気を引き継ぐように奥野翔太(B, Cho)と河邉徹(Dr, Cho)の2人がパワフルなリズムを刻み、フロアの熱気をぐんぐん引き上げていった。そして序盤でひときわ目を引いたのは「管制塔」での一幕。ハンドマイクで歌っていた杉本がおもむろにピアノの上に乗ると、その大胆なパフォーマンスに悲鳴のような歓声が沸き起こった。
最初のMCで杉本は「マジ最高! めっちゃ楽しい」と憧れのZepp DiverCity TOKYOに立てている喜びにあらわにし、そこからは伸びやかなボーカルが心地よい「白朝夢」、ジャズのエッセンスが漂う「Reach out」などで起伏のある流れを作り出していく。また「風の船 ~Bug's ship~」の途中では、メンバーがそれぞれの楽器を1音ずつ徐々にテンポアップしながら鳴らしていくリズムゲームも実施。遊び心たっぷりの演出をオーディエンスは存分に堪能していた。その後のMCで奥野は「この1年間の集大成になるようにしたい」、杉本は「ここに来てるみんなと最高の景色を見られたらと思っている」と改めてライブにかける思いを明かす。続いて3人は「ふたりは雪のように」「泣きたいくらい幸せになれるよ」でしっとりした空気を作り出し、「アーティスト」では自らを鼓舞するように力強いプレイを繰り出した。
ライブ中盤のハイライトとなったのは、このツアー限定のメドレーコーナー。3人が「独断と偏見」で選んだというメドレーは「Hard to say I love you~言い出せなくて~」「66番目の汽車に乗って」などファンに人気の高いナンバーで構成される。また一旦ステージ袖に消えた河邉が、シルクハットを被りステッキを手に現れたかと思えば、華麗な足取りでタップダンスをしたり、本人曰く“魔法”を披露したりとドラム以外の才能をアピールする。また杉本はピアノを背面で弾くアクロバティックなパフォーマンスで魅せ、奥野は自分のベースをサンプリングしたり、スラップ奏法を披露したりとアグレッシブなプレイを繰り広げた。さらに続けて奥野がメインボーカルをとる「春に」も披露され、会場の興奮と熱狂はますます高まっていった。
「東京、ここからもっと行くよ!」と杉本が宣言したことを機にライブは後半戦へ。観客とのコール&レスポンスが響いた「Shine」、伸びやかな杉本のボーカルが光った「ティンカーベル」など過去の楽曲が続く。そして「毎回いい景色を見せてもらいました。最高だったよ」という杉本の言葉から「The sun and clouds」が始まり、本編の最後を3人が紡ぐ素朴なアンサンブルが彩った。
アンコールではメンバーが個々にファンに感謝を伝える。河邉は「嘘みたいな景色です。ホンマにありがとう」と口にし、奥野は結成当初からの憧れであったZeppでライブができる喜びを明かす。その後、ライブの余韻を歌った新曲「Just one kiss」と「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」が演奏されライブはフィナーレへ。と思わせておいて、この日は“大事なお知らせ”が3つ発表された。杉本の口から6月26日にニューシングル「夢じゃないこの世界」とライブDVDを同時リリースすること、6月29日に東京・NHKホールでワンマンライブを行うことが告知され観客を驚喜させる。さらに「夢じゃないこの世界」のPV撮影という特別企画も行われ、「WEAVER Handmade TOUR 2013『Piano Trio Performance』」は会場中に笑顔があふれる中で終幕した。
WEAVER「WEAVER Handmade TOUR 2013『Piano Trio Performance』」
2013年4月21日(日)@東京都 Zepp DiverCity TOKYO公演セットリスト
01. Performance
02. Shall we dance
03. 管制塔
04. 白朝夢
05. Reach out
06. 風の船 ~Bug's ship~
07. ふたりは雪のように
08. 泣きたいくらい幸せになれるよ
09. アーティスト
10. Medley of performance
11. 春に
12. Shine
13. Free will
14. ティンカーベル
15. トキドキセカイ
16. The sun and clouds
<アンコール>
17. Just one kiss
18. 僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
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