YO-KING×SPARKS GO GO「キューン20」で意外なコラボ

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Ki/oon Musicのレーベル設立20周年を記念し、東京・LIQUIDROOM ebisuにて20日間にわたって開催されているライブイベント「キューン20 イヤーズ&デイズ」の6日目公演が4月12日に実施された。この日はYO-KINGSPARKS GO GOという盟友同士の2組が出演し、盤石の演奏で観客を酔わせた。

YO-KING & CRAZY BUFFALOESとSPARKS GO GO、総勢8人が勢揃いしたセッションの様子。(Photo by 柴田恵理)

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YO-KING & CRAZY BUFFALOES(Photo by 柴田恵理)

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SPARKS GO GO(Photo by 柴田恵理)

SPARKS GO GO(Photo by 柴田恵理)

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先攻を務めたのはSPARKS GO GO。強烈なバックライトで照らされるステージに3人が登場すると、フロアからはメンバーの愛称を呼ぶ声が飛び交う。アットホームな雰囲気が漂う中、2010年リリースのアルバム「2EASY」収録曲「New Rose」でライブの口火が切られた。八熊慎一(Vo, G)は、持ち前の骨太な歌声でオーディエンスを引きつけ、橘あつや(G)はハードなギターフレーズで曲をぐいぐいと牽引する。「恵比寿ー! イエーイ!」というヤックのシャウトのあとに、キャッチーなサビの歌詞が耳に残る「SOOKIE SOOKIE」、たちばな哲也(Dr)のコーラスも楽しい「NORTH SEA ROAD」と、ライブの定番曲が続く。

また、ヤックの軽妙なMCもスパゴーのライブの醍醐味。「ようこそいらっしゃいました、SPARKS GO GOです!」と挨拶した後、「ゲストバンドのほうがスタッフが多いです(笑)」と軽くジャブ。さらにキューン20周年へのお祝いを述べると「キューンにお世話になってまだ3年ぐらいなんだけどね。『キューンソニーなんてレーベルができたんだ』って言ってたのが20年前なんて、時が経つのは早いよねえ」とベテランらしい思い出も口にした。

そして4曲目には、キューンからリリースした最新アルバム「SUNBURST」収録の「bird」を披露。グルーヴィなミドルテンポのナンバーを、観客はゆらゆらと体を揺らして堪能する。また「Sandy's Sunday」では一転、甘酸っぱい歌詞のさわやかなポップロックを聴かせ、バンドの幅広いスキルを感じさせるひとときとなった。

「ゲストと言うわりにはいっぱい演ってるでしょ?(笑)」と笑わせつつ、「まだ続くよ」とオーディエンスを喜ばせるヤック。続けて「そんなキューンミュージックから新譜が出ることになりました」と告知。先日リリースがアナウンスされた新作ミニアルバム「BEAUTIFUL WORLD」の発売日が6月27日に決定したことを明かし、ファンを喜ばせた。内容は、ヤック曰く「表面はカリッと、中はふわっと作り上げました」とのこと。果たしてどのような作品に仕上がっているのか、発売を楽しみにしておこう。

後半は、そのミニアルバムのタイトル曲から開始。さらにヤックのうねるベースラインが心地良い「サマーオブラブ」、テッチの跳ねるドラムにあわせて観客がジャンプする「SAD JUNGLE」と、終盤に向けてフロアを高揚させるナンバーが披露されていく。そして、あつやがヘビーなギターリフをかき鳴らして始まった「SLOW DOWN」ではその重いリズムにオーディエンスが頭を振って応えていた。

ラストナンバーとなった「ざまーない!」では、あつやがイントロを弾いては止め、再びギターを鳴らしては止め、と観客をじらす。ライブバンドらしい遊び心のあるプレイでフロアを沸かせ、ハッピーな空気で会場を満たした。

10分程の転換を挟み、後攻のYO-KINGの出番に。バンドメンバーとともに姿を見せた彼は、「イエーイ! YO-KING & CRAZY BUFFALOESでーす!」とテンション高く挨拶。わあっと盛り上がる観客を前に、1曲目の「バランス」をプレゼントした。

続いて早速バンドメンバー紹介へ。バンド名は「ベースの人が近鉄バッファローズのTシャツを着てた」ことからつけたというエピソードを明かしつつ、その当人であるグレートマエカワ(B /フラワーカンパニーズ)の名前を呼ぶ。さらに「ネクタイは手作り、最近手芸にハマってます」とサンコンJr.(Dr / ウルフルズ)を、「元キューン所属なのに今日は声がかからなかった(笑)」と奥野信哉(Key / ソウル・フラワー・ユニオン)を、「このバンドではホモキャラでやってもらってます。僕のプロデュースで」とおおはた雄一(G)を紹介。そのたびにフロアからは笑いまじりの歓声が聞こえた。

いなたいギターとベースラインが印象的な「いつも笑顔で」、YO-KINGがアコースティックギターを下ろしハンドマイクで歌った「いつかのうみ」と、ミドルテンポの楽曲が続いたブロックでは、リラックスした雰囲気に会場が包まれる。また、YO-KINGの「高いところも出るんだけど、こう見えて低いところも魅力なんだぜ」という低い声でのMCから始まった「輝く星と楽しい遊び」では、ロマンチックな歌詞をゆるやかに歌い上げる。その多彩なボーカルワークに、ファンはうっとりと聴き入っていた。

ここからは、ロックンロールテイストあふれるセットリストを展開。「バンドブーム出身だけど俺はまだまだ若いぜ! 永遠の29歳!」というシャウトから「FOREVER YOUNG」を演奏。さらに「もうしゃべりは不要だからロックンロール演りますよ!」と言ってかき鳴らされた「ハリボテROCK」と、グルーヴィなナンバーで観客を踊らせる。「Hey! みんな元気かい?」は、アウトロでおおはたのギターソロ、奥野のキーボードソロ、YO-KINGのハープソロが聴ける贅沢なアレンジで、その熱いプレイにオーディエンスは大きな拍手を送った。

そしてラストは、「今日スパゴーとYO-KINGを観にきた人は全員幸せになります!」という力強いMCから「泣かないけどね」を披露。ふわふわとステージ上を左右に歩きながら、優しい歌を届けるYO-KING。春の空気が感じられるようなあたたかみのあるナンバーで本編を締めくくると、「サンキューエブリバディ! CRAZY BUFFALOESに大きな拍手を! そしてYO-KINGにもっと大きな拍手を!」と叫んで、ステージを下りていった。

アンコールを求める拍手に導かれ、YO-KING & CRAZY BUFFALOESが再度ステージに登場。そして「僕らもハッピーなバンドですが、さらにハッピーなバンドを紹介していいでしょうか?」というYO-KINGの言葉に続き、SPARKS GO GOが呼び込まれると、ひときわ大きな拍手が湧く。あつやはギターを持ち、テッチの手にはタンバリン、そしてヤックはiPadを携えた姿。YO-KINGに「でかいiPhoneだねー!」とからかわれつつ、ステージ上から記念写真を撮影するヤック。フロアを埋めたファンも笑顔とピースで撮影に参加していた。

「何やる? 2人でずっとしゃべってる?」とおどけるヤックに対し、YO-KINGが「今年もやるんでしょ、アレ」とスパゴー主催の恒例ライブイベントについて問いかける。さらに「この流れだと今年もあると思うんで、よろしくお願いします」と出演を匂わせる言葉で期待を煽った。そして「なんで?って曲を演ります」と鳴らされたのは、CREEDENCE CLEARWATER REVIVALの「Have you ever seen the rain?」だ。YO-KINGとヤックが交互にボーカルを担当し、それぞれのバンドの魅力が爆発したこのセッションに、観客は大喜び。親交の深い2組による息の合った演奏で、この日のライブは幕を下ろした。

「キューン20 イヤーズ&デイズ」はこのあと4月30日まで、休演日をはさみながら全20公演を開催。イベントオフィシャルサイトでは当日券情報のほか、オリジナルグッズや企画コーナーの紹介を読むことができるので、未見の人はぜひアクセスしてみよう。

「キューン20 イヤーズ&デイズ」YO-KING / SPARKS GO GO
2012年4月12日 LIQUIDROOM ebisu セットリスト

SPARKS GO GO

01. New Rose
02. SOOKIE SOOKIE
03. NORTH SEA ROAD
04. bird
05. Sandy's Sunday
06. Easy Ride
07. BEAUTIFUL WORLD
08. サマーオブラブ
09. SAD JUNGLE
10. SLOW DOWN
11. ざまーない!

YO-KING

01. バランス
02. いつも笑顔で
03. いつかのうみ
04. 輝く星と楽しい遊び
05. FOREVER YOUNG
06. Beast of burden
07. ハリボテROCK
08. DREAM IS OVER
09. Hey! みんな元気かい?
10. 泣かないけどね

<アンコール>
11. Have you ever seen the rain?

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