超ときめき♡宣伝部「世界でいちばんアイドル / ひみつのふふふ」インタビュー|正統派アイドルをまっすぐに続けて迎えた10周年

今年4月に結成10周年を迎えた超ときめき♡宣伝部が、その集大成とも言えるニューシングル「世界でいちばんアイドル / ひみつのふふふ」をリリースした。

10年前の2015年4月にときめき♡宣伝部として結成され、5年前の2020年4月に現在のグループ名での活動をスタートさせた超とき宣。ニューシングルの表題曲の1つ「世界でいちばんアイドル」は宣伝部員(超ときめき♡宣伝部ファンの呼称)への感謝の思いやアイドルとしての決意を込めた、グループの節目にふさわしいキュートかつエモーショナルな応援ソングに仕上がっている。一方の「ひみつのふふふ」は、テレビ東京系6局ネットで放送中のテレビアニメ「ひみつのアイプリ リング編」のエンディング主題歌。耳に馴染みやすいメロディやかわいらしい振付が特徴だ。

音楽ナタリーではこの2曲とカップリング曲「セツナリベンジ」についてメンバーにインタビュー。さらに加入当初のことを振り返りながら、アイドルという職業に対する思いを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 堀内彩香

皆さんにとっての「世界でいちばんアイドル」でありたい

──新曲「世界でいちばんアイドル」は、「人生の主役は自分なんだ」というメッセージを通して聴く人の自己肯定感を高める応援ソングであると同時に、とき宣のアイドルとしての矜持も伝わってくる、10周年にぴったりな楽曲ですね。

辻野かなみ 最初に聴いたときに「ザ・王道アイドルソングが来た!」と思いました。キラキラ輝いているイメージの曲だなって。でもそれと同時にメロディが切なくて、歌詞が胸に響く曲だなと感じました。私は特に「きみの声が聞こえるたび 不思議な力がみなぎるの いつも応援してくれてありがとう!」という歌詞が好きで。実際、落ち込んでしまったときは宣伝部員さんの声援が元気の源になっているので、「いつも応援してくれてありがとう!」という言葉を歌で直接伝えられるのがうれしいです。

超ときめき♡宣伝部

超ときめき♡宣伝部

──宣伝部員へのメッセージが曲全体にちりばめられていますね。

辻野 「どんなに遠い場所でもちゃんと見えているからね」というフレーズもそうで、ライブ会場が大きくなるにつれて、宣伝部員さんは「私のこと、ステージから見えてるのかな?」と感じてしまうと思うんですよ。でも、ステージ上からは2階席や3階席もよく見えますし、フェスでも宣伝部員さんのことをすぐに見つけられます。

杏ジュリア 私たちの集大成というか、今に至るまでの歴史があってこその楽曲で、今のとき宣だから歌える1曲だなと私も感じました。私たちがアイドルをしている中で感じること、宣伝部員さんに伝えたいことが表現されている素敵な曲です。

坂井仁香 本当に10周年にふさわしい1曲です。今までの私の人生について書いてあるようにも感じました。「思えば小さな頃から 鏡の前でポーズして」「今じゃライトを浴びながら ステージの上駆け回って」とか、過去のことを振り返りつつ、今の私たちのことも歌っている。1曲の中にとき宣のことがぎゅぎゅっと詰め込まれています。昨年末のさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブで「日本を代表するアイドルになりたいです!」と言ったんですけど、そのエピソードもこの曲のテーマに取り入れられているそうです。昔の曲の振りが入っているのも特徴ですね。

杏ジュリア

杏ジュリア

坂井仁香

坂井仁香

──具体的にどの過去曲の振りが入っているんですか?

坂井 それは、かなみん(辻野)が気付いたんですけど(笑)。

辻野 「すきっ!」と「Cupid in Love」と「ハピラブルー!」と……。

小泉遥香 「最上級にかわいいの!」もだよね。

坂井 あと「世界でいちばんアイドル」は歌割りにも注目してほしいです! 落ちサビはあきちゃん(菅田)が歌ってから私が歌うという流れになっていて、5年前に超ときめき♡宣伝部として初めてリリースした楽曲「トゥモロー最強説!!」と同じなんですよ。今まで以上にメンバーに合った歌割りになっているようにも思いましたし、6人それぞれのよさが感じられる曲です。

小泉 とき宣をそのまま曲にしました!という感じですね。「いつもは普通の女の子」から「アイドルに変身!」までの流れにも私たちらしさが表れていますし、正統派のアイドルをまっすぐにやり続けてきたからこその魅力が感じられてすごく好きです。とき宣の曲をたくさん作っているMUTEKI DEAD SNAKEさんが王道アイドルソングを書いてくださったことも、大きなトピックだと思います。

菅田愛貴 とき宣には珍しく、サビをみんなで歌っているところもポイントです! それによって歌に迫力が出ていると思います。あと曲の最後に「きみのハートにロックオン!」というおなじみのフレーズが入っているのも特徴です。歌っていて、10周年を迎えたことを実感できます。

吉川ひより 歌っているとすごく感慨深い気持ちになります。この10年間、たくさんの方に応援してもらったり支えてもらったりしてきたからこそ、皆さんにとっての「世界でいちばんアイドル」でありたい。そういう気持ちも表れているので、この曲をとき宣の代表曲にしていきたいです。

菅田愛貴

菅田愛貴

吉川ひより

吉川ひより

──吉川さんが「本当に大好きだよ!」と宣伝部員に呼びかけるように叫ぶセリフパートがありますが、ここは特に宣伝部員の胸に響きそうです。

吉川 このパートをもらえてうれしかったです。すごい明るく「大好きだよ!」と言っているんですけど、込み上げてくるものがあって。ここのパートに限らず、歌詞に詰まっている思いを宣伝部員さんに全力で伝えていきたいです。

──「『かわいい』とか知ってる だってアイドルだもん!」という自信に満ちたフレーズも印象的です。

吉川 宣伝部員のみんなが「かわいい」ってたくさん言ってくれるので(笑)、自己肯定感マックスです!

坂井 実際、私は特典会でこういうことを言っているんですよ。「ねえ今日もかわいい?」「かわいいよ」「うん、知ってる」というやりとりを宣伝部員さんとしたり(笑)。なのでこのフレーズにもリアルな私たちが表われています。

がんばってきてよかったと感じて涙が出てきた

──「世界でいちばんアイドル」のミュージックビデオはYouTubeで公開後、とき宣の楽曲史上最速で100万回再生に到達しました。

小泉 うれしいです! 宣伝部員さんも絶対に気に入ってくれる曲だと思っていました。

坂井 「感動する」「泣ける」という感想のコメントがすごく多いです。衣装がキラキラで“かわいい”を詰め込んだMVなのにそういうことを言ってもらえるのは、私たちと同じように感慨深い思いを抱いてくれているからなのかなって。その事実がうれしいですね。

──ライブでのパフォーマンスだと、歌に込められた思いがより一層伝わってきます。サビをユニゾンで歌っていることも相まって、ほかの楽曲以上に迫力を感じられるというか、とき宣のライブを初めて観る人にも刺さる破壊力を備えた1曲だなと。

小泉 でも、この曲は歌うのがすごく難しいんですよ! 音程や譜割りが高難度で、ユニゾンで歌うところも音が高いんです。

坂井 Aメロとか、歌の後ろで鳴っている音が少ないんだよね。

吉川 歌がハマる音、指針となるような音が少ないから、感覚で歌わなくちゃいけなくて、かなり怖いです。

坂井 歌い出しの音程も高くて難しいんですけど、必死な顔をしていたら曲が台無しじゃないですか。だから、がんばって歌っています! 10年の経験があるから、ギリギリなんとかできています(笑)。

──「世界でいちばんアイドル」は4月1日の結成記念生配信で初披露されましたが、坂井さんが歌唱前のMCで「みんながいるから世界で一番ときめくアイドルとして活動することができています。これからも私たちがみんなのことをたくさんときめかせます」と涙ながらに決意を語っていたのが印象的でした(参照:超ときめき♡宣伝部、生配信ライブで10周年を祝福!決意の言葉を経て「世界でいちばんアイドル」初披露)。

坂井 あそこで泣いてしまったのが、自分としては本当に悔しくて(笑)。あの日は本来は赤レンガ倉庫でフリーライブをやる予定だったんですけど、雨で中止になってしまったんですよね。宣伝部員のみんなに会えなかった寂しさもあったし、10年という節目を迎えた思いをいざ言葉にして伝えてたら込み上げてくるものがありました。10年間のどの瞬間を切り取っても、その時々にとき宣を応援してくださっていた宣伝部員さん、支えてくれたスタッフさんがいて、そして一緒に走り抜けてくれたメンバーがいる。すごく濃い10年だったし、がんばってきてよかったなとあの瞬間に改めて感じてなんだか涙が出てきてしまいました。情けないんですけど……。

吉川 でもYouTubeのコメント欄でもそのシーン、好評だよ。

坂井 そう?(笑)

辻野 あのMCによって曲の魅力がさらに増したと思います。

とき宣には子供たちがかわいいと思うものが詰め込まれている

──続いて、ニューシングルのもう1つの表題曲「ひみつのふふふ」について伺います。この曲はテレビアニメ「ひみつのアイプリ リング編」のエンディング主題歌として制作されました。

小泉 小さい子も大人も口ずさみたくなる、すごく耳に残る曲だと思います。たくさんの人に歌って踊って楽しんでもらえたらうれしいです。

辻野 私も日常生活の中で自然と口ずさんじゃいます。誰でも歌いやすい曲なんじゃないかな。

小泉遥香

小泉遥香

辻野かなみ

辻野かなみ

 私の家族も「思わず口ずさんじゃう」と言っていました(笑)。歌詞も難しくなくて、小さい子にもわかりやすい内容になっています。

菅田 ダンスも小さい子が真似できる振りになっていて、この曲をきっかけに、今まで出会ってこなかった世代の方にもとき宣を好きになってもらえたらうれしいです。

吉川 子供と一緒に踊るダンス映像を撮ったんですけど、ちっちゃい子がこの曲を踊っているとすごくかわいいんです。子供たちにとって、大人になっても記憶に残っているような思い出の曲になったらいいですね。あと、この曲は「ひみつのアイプリ」のアーケードゲームの中でも流れるんですよ。

小泉 「ひみつのアイプリ」のキャラクターが、私たちのこの衣装を着て踊ってくれるんです。すごくかわいいです。ぜひプレイしてみてほしいです。

菅田 小さい子だけじゃなく、大きいお友達にも遊んでほしいです! 私はこの「プリティーシリーズ」がずっと好きで、「プリティーリズム」を観て「アイドルになりたい!」という憧れを抱いたことで今があります。コラボさせていただけるのが夢のようで、本当にときめいています。

──「ひみつのアイプリ」とのコラボによって、とき宣のキッズ人気がさらに上がっているのでは?

坂井 はい。おかげさまで徐々に上がってきています。

小泉 お子さん連れでライブに来てくれる宣伝部員さんもいますし。

菅田 この間、池袋サンシャインシティ噴水広場で開催された「ひみつのアイプリ」のイベントに出演させていただいたんですけど、観覧エリアの最前に小さい子がいてかわいかったです。

辻野 私のお姉ちゃんのママ友が、たまたまそのイベントを観に来ていたらしいです。「ひみつのアイプリ」を通していろんな層にとき宣が広まっていくのが楽しみです。

──とき宣のアイドルとしての王道なビジュアルは子供にわかりやすいですよね。菅田さんが「プリティーシリーズ」の作品を観てアイドルに憧れたように、とき宣がきっかけでアイドルに憧れを抱く子供が増えていきそうです。

坂井 そうなったらうれしいです。池袋のイベントでは小さいお友達を対象にしたお見送り会をやったんですけど、「衣装かわいいね」「キラキラがいっぱいだね」とたくさん言ってくれて。とき宣には子供たちがかわいいと思うものがいっぱい詰め込まれているんだなと感じましたし、王道アイドルのコンセプトで活動してきてよかったなと実感しました。