ちゃんみなが主題歌を担当する映画『か「」く「」し「」ご「」と「』が5月30日に公開される。
映画『か「」く「」し「」ご「」と「』は、「君の膵臓をたべたい」で知られる小説家・住野よるの同名小説を実写化した作品で、人の気持ちが見えてしまうという“少しだけ特別なチカラ”を持つ高校生の男女5人による青春ラブストーリー。奥平大兼が引っ込み思案な京、出口夏希が底抜けに明るくヒロインよりもヒーローになりたい“ミッキー”こと三木直子、佐野晶哉(Aぇ! group)がクラスの人気者の“ヅカ”こと高崎博文、菊池日菜子が予測不能な言動でマイペースな“パラ”こと黒田文、早瀬憩がある日突然学校に来なくなる“エル”こと宮里望愛をそれぞれ演じた。
主題歌「I hate this love song」はインパクトのあるタイトルとは裏腹に、ちゃんみな自身の初恋をテーマにした、彼女の新たな一面を感じられる楽曲。『か「」く「」し「」ご「」と「』で描かれる物語に、大きな説得力をもたらしている。本作の公開を記念して、ナタリーでは映画・音楽の2ジャンルを横断した特集を展開。映画ナタリーではYouTuber・歌手のとうあに本編をひと足早く鑑賞してもらい、その魅力を聞いたが、音楽ナタリーではちゃんみなの単独インタビューと、原作者・住野よるの主題歌に関するインタビューの2本立てで特集を掲載する。記事を通して楽曲や作品への理解度を高めてからぜひ映画を楽しんでほしい。
構成 / 近藤隼人取材・文(P2) / ナカニシキュウ
映画『か「」く「」し「」ご「」と「』本予告
発表するタイミングを失っていた曲だった
──映画『か「」く「」し「」ご「」と「』主題歌のオファーを受けたときの心境を聞かせてください。
高校生たちの青春ラブストーリーと聞いて「私がラブストーリーの主題歌を歌って大丈夫かしら」と思ったんですけど、台本と原作を読ませていただいたときに、自分の中で曲が思い浮かんできました。
──作品の内容についてはどのように感じられましたか?
『か「」く「」し「」ご「」と「』は人の気持ちが見えてしまう高校生たちの物語ですが、そういう“特別なチカラ”がなくても我々にも共通するところがあるんじゃないかと思っていて。「こう思われちゃったかな?」と不安になったり、人の顔色ひとつで自分の感情が揺さぶられる瞬間が誰しもありますよね。“人の気持ちが見えてしまう”というのは、実は人間みんなにある“特別なチカラ”なのではないかと思いました。
──主題歌「I hate this love song」はどのようなテーマで制作されたのでしょうか?
実は、「I hate this love song」は7、8年前に書いた曲なんです。サビ以外は書き直したんですが、元は自分の初恋をテーマに書いた曲です。主題歌のオファーをいただいたときに、「この曲が合いそうだな」と思って。発表するタイミングを失っていた曲だったので、ありがたい機会をいただけました。
10代の高校生に伝えたいこと
──ちゃんみなさんが発信されている「自分らしく、ありのままでいい」というメッセージが、この映画の内容とも共通するように感じました。
そうですね。私もそう思う部分があったので、オファーを引き受けさせていただきました。今の時代は指1本を動かすだけで、素晴らしいところも醜いところも簡単に人の人生が見えてしまう時代なので、まず自分と他人を比べないことが大事なのかなと。そういったものに左右されずに「自分は自分だ」と受け入れるのはすごく難しいことだし、その人にとっては残酷なことかもしれない。でも、「あの子はできてるのに私はできない」じゃなく、「私はこれができる」と思えるものが人それぞれに絶対にあると思うんです。「絶対」という言葉は好きじゃないし、普段はあまり使わないんですけど、人それぞれの素晴らしい部分、きれいな部分、個性や才能などの特化している部分は“絶対”にあるはずなので。私自身、てんびん座なのでよく自分と他人をたくさん比べてきたんですけど(笑)、人と人を比べるという行為をしないでほしいなと思います。
──『か「」く「」し「」ご「」と「』のキャラクターと同じ10代の高校生に伝えたいメッセージがあれば、ぜひお願いします。
やっぱり失敗を恐れないでほしいということですね。誰かに、何か言われないように気を付けるんじゃなくて、何か言われたほうが得になるってことを知ってほしい。映画の中にも「人生なんてさ、やりたくないことやってる時間なんてないさ」というセリフがありますが、人生って1回きりなので。自分の好きなことをやって、思う存分に謳歌してほしいと思います。
──“自分の価値”を見つけられるようになったきっかけはありますか?
きっかけと言われると難しいですけど、私の場合は他人からもたくさん比べられてきたので、それが大きいのかもしれないです。「私を人と比べるな」と思うようになったときに、「じゃあ私も人と人を比べない」という考えに行き着いた。私の場合は音楽のジャンルやファッションにおいていろんなことをやってきたし、国籍も含めていろんな場面で人と比べられることがあったんですけど、結局意味がないんですよね。比べられたところで「私は私だ」と思って打ち出した結果が今なので。人生は1回きりですし、自分が好きなことをやって存分に人生を謳歌してほしいです。
──最後に、映画をご覧になる方へ向けてメッセージをお願いします。
「I hate this love song」は言いたいけど言えない、「わかってよ」という思いを描いたちょっとかわいらしい楽曲になっています。ボーカルも普段とは違う感じで表現してみました。歌詞もスウィートで、映画のように甘くてすっぱくてちょっと苦い、そんな楽曲になっていますので楽しみにしていてください。