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Skoop On Somebody feat. Jeffrey "J9" Qwest SPECIAL
旧友とともに高らかに歌う別れの先にある“愛”
文 / 黒田隆憲
突き抜けるようなファルセットが晴れた空を駆け抜け、そこに重なる温かなコーラス──映画「ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~」の主題歌として書き下ろされ、TAKE(Vo)の師であり旧友でもあるシンガーソングライター、Jeffrey "J9" QwestをフィーチャーしたSkoop On Somebodyの新曲「SPECIAL」は、まるでひとつの短編映画のような情感をまとった清々しいミディアムナンバーだ。
冒頭から印象的なのは、跳ねるドラムとベースが生み出すグルーヴィなリズム。ダイアナ・ロス&ザ・シュプリームスやスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズら、1960年代のモータウンサウンドのエッセンスを想起させるノスタルジックかつモダンな質感だ。TAKE、KO-HEY、KO-ICHIROによる美しいコーラスワークも、もちろん健在。3人のハーモニーは、前アルバム「GOOD NEWS」を経て、時にゴスペルのように荘厳に響き、楽曲に深みと広がりをもたらしている。
とりわけ胸を打つのが、「大きな花火 打ち上げたような 陽気な笑い声 涙が星になる」と歌われるBメロ。分数コードによる浮遊感が、聴き手の心をそっとすくい上げる。歌詞全体を貫くのは、「別れ」や「喪失」の痛みを味わい尽くすと同時に「感謝」と「リスペクト」の念を、まっすぐに伝えようとする真摯な眼差しだ。「どんなに遠くにいても(あなたは)あなたはSPECIAL」というサビのフレーズには、“あなた”への変わらない思いと未来への祈りが込められている。
Jeffreyのシルクのような歌声が、TAKEの力強いファルセットと交差しつつ、楽曲にさらなる深みと説得力を加えた。別れの歌でありながら、なぜか晴れやかな気持ちにさせられるのは、2人の歌声のコントラストのせいかもしれない。
曲の中でさまざまな感情が重なり合うも、核となるのは「あなたはスペシャル」という静かな肯定。まさに、別れの先にある愛を描いた、Skoop On Somebodyならではの名曲である。
Skoop On Somebody「SPECIAL」ドキュメントPV
- Skoop On Somebody feat. Jeffrey "J9" Qwest「SPECIAL」
- 2025年5月14日(水)配信開始 / SME Records
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作詞・作曲:Skoop On Somebody、Jeffrey "J9" Qwest
Skoop On Somebody(スクープオンサムバディ)

1995年に大阪で結成。当初はSKOOPという名前で活動し、1997年にシングル「No Make de On The Bed」でメジャーデビュー。当時まだ日本の音楽シーンに浸透していなかったR&Bというジャンルを確立させる。2000年にSkoop On Somebodyに改名。2021年12月には、2011年に脱退したKO-HEY(Dr)が再加入。2022年にオリジナルメンバー3人でデビュー25周年を迎え、11月にアルバム「1997」を発表した。2024年11月にはゴスペルにフォーカスしたアルバム「GOOD NEWS」をリリース。2025年5月に映画「ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~」の主題歌「SPECIAL」を配信リリースした。同月末よりライブツアー「club SOS 2025 "YOU ARE SPECIAL"」を開催する。
Skoop On Somebody Official Web Site
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