CHAPTER 1 -PLAY BACK-
新作EP「デジタル・ラブ」が11月26日にリリースされる前に行われたこのツアー。ライブのオープニングでは「CHAPTER 1 -PLAY BACK-」という文字とともに、恋人らしき女性との何気ない日常のシーンを主人公の視点で切り取った映像が映し出された。ドラマのような映像を経て、WurtSがメロディアスなギターの音色に乗せて歌い始めたのは「YOU AND I」。オープニングからエモーショナルな空気で会場を満たすと、「SWAM」では骨太なリズムを軸としたグルーヴ感のあるサウンドと熱のこもった歌声でフロアの熱を一気に引き上げた。
CHAPTER 2 -DESIRE-
スクリーンに「CHAPTER 2 -DESIRE-」という文字が浮かび上がると、ライブは次なる章に移行。WurtSは何かを求めてやまないような剥き出しの切ない歌声で「BEAT」を届けた。バンドメンバーが一度ステージを去ると、WurtSは「このホールツアーが終わった2日後に、ホールツアーのタイトルにもなっている『デジタル・ラブ』というEPをリリースします」と新作EPについて言及し、DJのウサギとともに新曲「デジタルラブ」を披露。ミラーボールが輝く中、新たなダンスナンバーで開放感のある空気を会場にもたらした。さらにドープな雰囲気漂うアレンジが効いた「ライフスタイル」を皮切りに、WurtSのライブの大きな見どころでもあるDJコーナーが続く。疾走感あふれるロックナンバー「BORDER」は、力強いダンスビートを軸としたビッグルーム的なEDMアレンジに。そして爆発的なエネルギーに満ちた「SPACESHIP」で会場が揺れるほどオーディエンスが楽しげに飛び跳ね、ホール会場は巨大なダンスフロアに変貌した。
「これまでライブハウスツアーもホールツアーもやって、ちょっとずつ会場が大きくなってきていて。みんながいる景色を見て、それを感じています。今日も会場に行くときに『また素敵な光景が見れるんだな』と楽しみにしていたんですけど、同時に東京で昔やったライブを振り返って懐かしむ気持ちもあって。だから、次は懐かしい曲をやろうと思います」と宣言したWurtS。2021年発表の「解夏」をパフォーマンスし、ノスタルジックな夏の空気をさわやかに届けた。
CHAPTER 3 -FEELING OF LOSS-
ライブ後半を迎え、スクリーンに映し出された次なる章は「CHAPTER 3 -FEELING OF LOSS-」。ここでダンボールに入れられた家庭用ロボットの映像も登場し、「実は、オープニング映像の恋人は……」とオーディエンスの想像が掻き立てられる。WurtSは大切な人との思い出を愛おしむナンバー「BACK」を披露し、アコースティックギターの音色に乗せてはかなくもたおやかな歌声を響かせた。
WurtSは「約1年ぶりのワンマンツアーです。その間に武道館公演、対バンツアー、FCツアーだったり、いろんなライブを積み重ねてきたんですけれども、ワンマンライブは僕にとって特別。WurtSの“今”を提示する貴重な機会なので、僕も『何を伝えようか?』と考えていたんです」と話を切り出す。ここで彼が語ったのは、ライブでオーディエンスと音楽を楽しむ“リアルな空間”の大切さ。2021年に本格的に音楽活動を始めたWurtSは、コロナ禍でのライブの光景を振り返りつつ、「コロナ禍が明けてみんなが集まっていく瞬間を目の当たりにして、僕はWurtSとして音楽をやっている意味がそこにあるんじゃないかなと思いました。ライブを続けていくごとにみんなが歌って踊って叫んでくれる、その空気がすごく大切で。パソコンやスマホでライブを観たり音楽を聴くことはできると思うんですけど、そこにはないリアルな空気、保存できないものがここにはあるんじゃないかなとすごく思うんですよ。だからこのリアルな空間をもっと大切にしていきたいです。皆さんこれからもよろしくお願いします!」と伝えて大きな拍手を浴びた。
CHAPTER 4 -DETERMINATION-
その後、WurtSは最新EPの収録曲「クラッシュ」をキャッチーな手振りを交えながら爽快にプレイ。DJのウサギも前に出て、ハイテンションで軽快に踊ってみせた。さらにWurtSはライブ終盤を駆け抜けるように「ふたり計画」「NOISE」を勢いよく演奏したあと、「Talking Box (Dirty Pop Remix)」をバンドアレンジを加えてグルーヴ感たっぷりに届ける。ラストナンバー「どうかしてる」ではオーディエンスが一斉にタオルを振り回す壮観な景色がホールに広がった。最終章「CHAPTER 4 -DETERMINATION-」を迎え、スクリーンには「分かち合った僕らの時間は、紛れもないリアルだ。またどこかで、元気でね。」という別れの言葉が記される。エンディングの最後には、新しく発売されたという家庭用ロボットを紹介するテレビショッピング風のアナウンスが淡々と流れた。
アンコールを求める拍手に呼ばれて再び登場したWurtSは「今回のツアーはロックとデジタルの融合を突き詰めたものにしたいと思っていました。『デジタル・ラブ』と言いつつも、裏のテーマとしては、リアルな空間を大切にしたいという思いがあったんですよ。会場の大きさに伴って、みんなの声がどんどん大きくなっていってるのがうれしい。音楽をしていてよかったと思える瞬間がすごくあるんです。だからこそ、リアルに楽しめるものをどんどん突き詰めていきたいですし、そういうものを考えていきたいというのが今のWurtSだなと思います」と伝える。そして彼は「地底人」「分かってないよ」で最後までライブの楽しさをオーディエンスと分かち合い、盛大なシンガロングをホールに巻き起こしてライブを締めくくった。
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演の模様は、12月28日19:00よりU-NEXTで配信される。
セットリスト
WurtS「WurtS CONCERT HALL TOUR II -DIGITAL LOVE-」2025年10月22日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
01. YOU AND I
02. SWAM
03. リトルダンサー
04. SIREN
05. BEAT
06. After Life
07. ブルーベリーハニー
08. デジタルラブ
09. ライフスタイル
10. BORDER
11. SPACESHIP
12. 解夏
13. ミスサンシャイン
14. BACK
15. クラッシュ
16. ふたり計画
17. NOISE
18. Talking Box (Dirty Pop Remix)
19. どうかしてる
<アンコール>
20. 地底人
21. 分かってないよ
関連人物
音楽ナタリー @natalie_mu
【ライブレポート】
WurtS、ロックとデジタルの融合を突き詰めたホールツアー閉幕
🔽写真31枚📸
https://t.co/uou0tEQlpc
#WurtS https://t.co/UkXT2vg5cX