「フジロック」に10万6000人が来場!山下達郎、Vaundy、Suchmos、RADWIMPSらが熱演

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Vuflpeck、山下達郎、STUTSら出演した2日目

ケロポンズ with くまモン

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チケットがソールドアウトした2日目も快晴……かと思われたが、午後に激しい通り雨があり、夏の山間で行われるフジロックらしい天候の1日となった。ひまわりで彩られたこぢんまりとしたステージ・Gypsy Avalonのトップバッターを務めたのは、子供に大人気のケロポンズ。今回は熊本のご当地キャラクター・くまモンを引き連れての登場だ。ケロポンズの人気曲「エビカニクス」をはじめとする楽しい楽曲の数々で、Gypsy Avalonに訪れた子供と大人を大いに盛り上げた。

アバンギャルドなアレンジと、ライブ巧者だからこそ成せる即興演奏でオーディエンスを釘付けにしたのは君島大空 合奏形態。ライブ終盤、4度目のフジロック出演にして初めてGREEN STAGEに立った君島は「思い残すことしかないけど……ありがとう。最後まで一緒に楽しみましょう」と呼びかけると、「遠視のコントラルト」「都合」の2曲を熱量たっぷりに届け、深い余韻を残してステージを去っていった。

フジロックは、2011年より反核・脱原発イベント「アトミック・カフェ」にGypsy Avalonステージの一部を提供し、社会の課題を考えるムーブメントを応援している。今年2日目のGypsy Avalonでは「民主主義と自治」をテーマにしたトークライブが行われたのち、参政党のさや氏への怒りを歌った楽曲「IGMF」で話題の春ねむりがライブを繰り広げた。大雨の中、「NO RACISM」の旗を掲げて登場した彼女は、観客にもフラッグを配り、「Riot」などのメッセージ性あふれる楽曲を披露。「それぞれができることをやろう」と訴える彼女に共鳴した聴衆は音に身を任せて自由に踊った。なお昨今の政治情勢に危機感を抱くアーティストは彼女だけではなく、春ねむりらも差別や戦争に反対するメッセージを観客に投げかけた。

突然の豪雨の中、GREEN STAGEに登場したのがSTUTSだ。大雨に降られながらも集まった、色とりどりの雨具に身を包んだ大勢の観客に丁寧な言葉遣いで感謝しつつ、彼はバンドメンバーや多数のラッパーを迎えてパフォーマンスを展開。途中、唐突に「ポカリスエット」を一気飲みすると、ポカリのCMソング「99steps」を客演のKohjiyaHana Hope、CMに出演した高校生ダンサー原口武蔵たちとともに披露した。そしてSTUTSが最後に演奏したのは亡きJJJと作り上げた楽曲「Changes」。彼は「JJJがいなければ自分はいない」とその存在のかけがえなさを語りつつ、「また音の中で会えるので」と前を向きMPCを叩いた。

STUTSのライブを観た観客の多くがその後に向かったのがWHITE STAGE。出演決定後の4月13日に急逝するも、その功績を称えて予定通り行われることになったJJJのライブを見届けるためだ。それまで降っていた雨が直前に止んで夕焼け空が広がる中、バックDJのAru-2と岩見継吾(B)、須原杏カルテットが現れ、ライブがスタート。JJJがそこにいるかのような大迫力のラップが広いWHITE STAGEに響き渡る。過剰な演出は交えずにライブは進み、Sogumm、OMSB、STUTS、Campanellaが客演として登場。最後はSTUTSのステージでも披露された代表曲「Changes」がJJJのライブ映像とともに演奏され、集まった人々はこの世を旅立った彼に思いを馳せた。

WHITE STAGEには、今回が初来日となったフェイ・ウェブスターも出演。彼女は「But Not Kiss」で静かにライブの口火を切ると、「Wanna Quit All the Time」「Wilco Type Beat」といった楽曲を並べて、ドリーミーなムードを作り上げていった。ライブ中盤には、自身のアメリカツアーにも帯同した盟友・mei eharaをゲストに迎えてコラボ曲「Overslept」を披露。曲中にフェイがmei eharaの肩に頭を預けてギターを演奏するなど、2人の相思相愛ぶりにオーディエンスからは温かな歓声が送られた。

山下達郎

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雨上がりのGREEN STAGEに続々と人が押し寄せる。今年デビュー50周年を迎える山下達郎の出演は、この日のチケットがソールドアウトになった大きな理由の1つだろう。単独コンサートのチケットは毎度争奪戦、夏フェスへの出演も2018年の「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO」以来7年ぶりとあって、初出演が発表された際から大きな話題を集めていた。ニットキャップにブルーのシャツ、そしてビンテージブルーのデニムというおなじみのスタイルで登場した山下は最新曲「MOVE ON」のセッションで会場を温めたあと、「SPARKLE」で本格的にライブをスタート。「ドーナツ・ソング」や映画「サマーウォーズ」の主題歌「僕らの夏の夢」といったポピュラーな楽曲はもちろん、このあとヘッドライナーとして登場するVulfpeckへのリスペクトを感じさせる「SILENT SCREAMER」や「BOMBER」といったファンクチューンなども次々と届けていく。「プラスティック・ラブ」では来場者の期待を裏切らず、2番で山下のパートナーである竹内まりやが熱唱。竹内はそのままコーラス隊に加わり、名曲「RIDE ON TIME」でもコラボレーションを繰り広げた。そして山下は「また呼んでいただければやりたいと思います」と語り、最後に「さよなら夏の日」を来場者にプレゼント。一抹の寂しさを残し、称賛の拍手の中ステージを去った。

Vulfpeck

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Vulfpeck

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2日目のヘッドライナーはフジロック初出演にして初来日となったVulfpeck。2023年にギタリストのコリー・ウォンがソロで出演し、今回満を持してVulfpeckがヘッドライナーとしてGREEN STAGEに登場した。法被を着たジャック・ストラットンがクラップを促し、ハッピーなグルーヴの中でオープニングナンバー「Animal Spirits」の演奏が始まった。巧みな演奏で魅せるインストナンバーで高揚感を煽ったVulfpeckは、アントワウン・スタンリーをボーカルに据え「1612」を披露。続く「3 on E」では、サビで観客が盛大なシンガロングを送り、ピースフルなムードがGREEN STAGEを満たした。名バラード「Wait for the Moment」を響かせたあと、Vulfpeckはスペシャルゲストとして初日のFIELD OF HEAVENに出演したマヤ・デライラを迎え、「Tokyo Night」をパフォーマンス。その後もVulfpeckはファンの期待を裏切らないセットリストでライブを展開し、本編を終えた。しかしアンコールを求めて観客が「Dean Town」のリフのチャントを歌いだし、それに応えるようにVulfpeckが再登場。その「Dean Town」を披露してステージを締めくくった。

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楊(やん) @yan_negimabeya

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