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Dannie May「未完成婚姻論」ジャケ写

Dannie May 未完成婚姻論

結婚は最高?無駄?冷めた頭で踊り続ける、アイロニカルでリアルなポップソング

文 / 張江浩司

先日、クリスマスムービーの定番である2003年のイギリス映画「ラブ・アクチュアリー」を観たところ、クライマックスで付き合ってもいない女性に対して男性がいきなり結婚を申込み、女性もそれを快諾して周囲の人々も大いに盛り上がっていた。なんて素朴で無邪気なんだ。結婚というものが、疑いようもなく喜ばしいこととして描かれている。でも、これはサプライズというよりもただ唐突なだけだし、誰か1人くらい「本当にいいの?」と声をかけたほうがいいんじゃないか。

何せ私たちはこの映画から22年後の日本で「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系)を観ている。このドラマは、勝男(竹内涼真)が鮎美(夏帆)にプロポーズするもバッサリと断られるところからスタートする。結婚は物語のゴールどころか、始まりのきっかけにもならない。

Dannie Mayの最新アルバム「MERAKI」のリード曲「未完成婚姻論」は、イントロがジャージークラブ、サビが四つ打ち、2番では祭囃子になったりと、キャッチーなリズムが目白押しのダンスナンバー。そして、タイトルからもお察しの通り結婚についてのあれこれが、かなり意地悪な視点から描かれている。

「空欄は埋めた指輪もあげた 印鑑押したらとうとう負けだね」
「どうせ裏切り合うのが見えるでしょ 壊れる未来があるならば お伽話なんか(やめてー!!!)」

「さすがにネガティブすぎるのでは?」と結婚を擁護したくなるようなラインが連発され、サビの「結婚しましょうそうしましょう」というリフレインがアイロニカルに響く。

しかし、結婚することで何かが完成するわけではないことは明白で、婚姻という制度自体の未完成さも次々と露呈している今。この曲は皮肉の裏に切実なリアリティを持っている。「結婚最高!」と思考停止するのではなく、「結婚なんて無駄」と吐き捨てるのでもなく、その間を冷めた頭で踊り続ける。ここに、2026年に鳴るポップソングの強度を感じる。

Dannie May「未完成婚姻論」(MUSIC VIDEO)

Dannie May「未完成婚姻論」
2026年1月7日(水)配信開始 / SKID ZERO
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作詞・作曲:マサ
編曲:田中タリラ

Dannie May「MERAKI(CD+Blu-ray)」
2026年1月7日(水)発売 / SKID ZERO
[CD+Blu-ray Disc] 税込5394円 / RZCD-67427/B
Dannie May「MERAKI(CD)」
2026年1月7日(水)発売 / SKID ZERO
[CD] 税込3200円 / RZCD-67428

Dannie May(ダニーメイ)

Dannie May

同じボーカルグループで活動していたマサ(Vo, G)、田中タリラ(Vo, Key)と、過去に別のボーカルグループに所属し映像クリエイターとして活動していたYuno(Vo, Kantoku)が2019年に結成した3ボーカルバンド。作詞作曲、アレンジ、コンセプト立案と役割を分担しながら、あらゆるジャンルをブレンドした楽曲を送り出している。2025年は各地の大型フェスに多数出演し、ワンマンのチケットが次々に完売。2026年1月7日、3rdアルバム「MERAKI」をリリースした。2月7日から28日まで、全国ワンマンツアー「MERAKI」を実施する。