武道館のド真ん中で「NEW KAWAII」宣言
「原宿から世界へ」をコンセプトに掲げたアソビシステムのプロジェクト「KAWAII LAB.」から2022年2月に誕生したFRUITS ZIPPER。同年5月の無料単独ライブ 「『わたしの一番かわいいところ』をみつけて!」で本格始動すると、その翌月に発表したオリジナル楽曲「わたしの一番かわいいところ」がTikTokを通じて広く知れ渡り、一気に人気アイドルグループの座へと躍り出た。昨年秋には全国ツアー「FRUITS ZIPPER JAPAN TOUR 2023 -AUTUMN-」の千秋楽として、初のアリーナ単独公演となる東京・東京体育館でのライブを成功に収め、年末には「わたしの一番かわいいところ」で「第65回 輝く!日本レコード大賞」最優秀新人賞を受賞した。活動開始からわずか2年で日本武道館にたどり着いた彼女たち。場内は開演前から熱気にあふれており、開演直前、観客が持つペンライトが自動制御によって一斉に点灯・消灯を繰り返すと、大きなどよめきが武道館に広がった。
ステージは武道館のド真ん中に設置され、そこから北東、北西、南東、南西の方向に花道が延びている。ステージ中央には巨大な半円状のドームがあり、7色に照らされたドームが割れると、中から月足天音、鎮西寿々歌、櫻井優衣、仲川瑠夏、真中まな、松本かれん、早瀬ノエルの7人が登場。4月10日にリリースされた1stアルバムから、ライブのタイトルにもなった表題曲「NEW KAWAII」でライブをスタートさせた。アリーナから2階席まで360°ふるっぱーの視線が注がれるセンターステージには“正面”が存在しないため、メンバーのパフォーマンスもいつもとは違う。四方のすべてが正面となる立体的なフォーメーションで、7人は会場中のふるっぱーに笑顔を振りまいた。自己紹介ソング「うぇるかむとぅ~ざ♡ふるっぱー!」、さらに「君の明るい未来を追いかけて」と続けて3曲を披露したFRUITS ZIPPERは、場内のふるっぱーとU-NEXTの生中継で見守る全国のファンに向けて挨拶。「今日はFRUITS ZIPPERのすべてを出し切るのでよろしくお願いします!」と宣言すると、武道館公演に合わせて用意された新曲「BABY I LOVED」を披露した。
クライマックスは「なぁになぁに」「わたかわ」「ちょめでた」
ステージ上にスモークが立ちこめる中、「We are Frontier」ではメンバーが四方に延びた花道へと飛び出していく。「Re→TRY & FLY」では場内の熱気を引き上げるように、ステージの周りに火柱が上がった。7人は「1階席ー!」「2階席ー!」「南西声出せますかー?」「北東ー!」などこの空間ならではの声かけで盛り上がったのち、サマーチューン「ふれふるサマー!」を熱唱。花道の突端はリフターが設置されており、メンバーは2階席の高さまで上昇してタオルを振り回した。その後「ずっと、ずっと、ずっと!」「CO-個性」「完璧主義で☆」と3曲を続けて歌ったところで場内は暗転。7人それぞれがグループ結成当時の自身の発言にアンサーするインタビュー映像「NEW KAWAIIを掲げたあの日の私たちへ」が幕間に流れ、その間にメンバーは新衣装にチェンジ。「ぴゅあいんざわーるど」でライブ後半戦の幕を開けた。「RADIO GALAXY」では激しいレーザー光線が武道館を照らし、「Going!」ではメンバーが並んで花道を闊歩。さらに「ハートのローラーコースター」「世界はキミからはじまる」「skyfeelan」と畳みかけられ、「キミコイ」では櫻井の「ぜったい運命だよ!」、松本の「ねぇ たんと目見て?」のセリフに地鳴りのような歓声が上がった。
「ライブも残すところ3曲になってしまいました」という宣言に、観客もメンバーも「えー」と残念そうな声を上げたが、7人がこのクライマックスに用意した楽曲は、「なぁになぁに」のフレーズがSNSで大流行したナンバー「ハピチョコ」。そこから「わたしの一番かわいいところ」へとつなげられ、大サビでは武道館いっぱいに銀テープが放たれた。最後は「ここにいる全員でおめでとうの声を聞かせてください!」と、タイトル通りのお祝いソング「超めでたいソング ~こんなに幸せでいいのかな?~」で締めくくられた。
手紙にしたためたメッセージ
ふるっぱーたちの「アンコール!」の声が複雑に反響する中、7本のマイクスタンドとともにせり上がってきたFRUITS ZIPPERは「緊張するね」などとつぶやきながら、この日2回目の「わたしの一番かわいいところ」を歌う。5月1日に公開された「THE FIRST TAKE」のバージョンを武道館のステージ上でセルフパロディするという遊び心を見せた7人は、さらに観客へのサプライズとして、デビューから武道館公演までの道のりと「アイドル以上のアイドルを目指す」という決意を込めた新曲「虹」を初披露した。そして7人は1人ずつ、手紙にしたためたメッセージを読み上げていく。
鎮西は涙を浮かべながら「大好きなメンバーと、大好きなふるっぱーに囲まれて、今こうして大好きな歌を歌い踊り、人生にはこんな幸せなことがあるんだなと実感しています」と語り、「私たちを愛してくれるように、自分のことを愛してください」とふるっぱーへのメッセージを送る。仲川は「FRUITS ZIPPERは武道館が通過点だと胸を張って言えるグループです」と言い切り、月足は3年目に向けて「脱・新人」の目標を掲げた。前日に日本武道館のことを知らなかったと告白して場内をどよめかせた松本は「かれんはさいたまスーパーアリーナとかも知ってるので、今度はいつかさいたまスーパーアリーナに行きたいでーす」と陽気に宣言。早瀬も「今日よりもずっとずっと広く、大きな、きれいな景色を見に行けるように」とさらなる高みを目指すことを誓う。今年アイドル活動10周年を迎えた櫻井は、ふるっぱーやスタッフへの感謝を述べたのち、メンバーのほうへ振り向き「私を武道館まで連れてきてくれて本当にありがとう」と感謝の思いを伝え、「こんなに素敵な武道館という場所に立った今、満足の気持ちももちろんありますが、まだまだ夢も見続けることができていて、やりたいことがたくさんある自分にびっくりしています」と充実した笑顔を見せた。真中は「みんなが私たちのことを誇らしく『こんなグループを応援しているんだよ』って胸を張って言えるようなグループになりたい」と改めて決意を伝えた。
コメントを終えた7人は最後にもう一度、ライブの冒頭で披露した「NEW KAWAII」をパフォーマンス。メンバーそれぞれの“NEW KAWAII”と思うことを順に発表する特別バージョンで歌われ、明るい照明で照らされた武道館はハッピーなムードで満ちた。
またこの日のライブでは、FRUITS ZIPPER初の映像作品として武道館公演の模様を収めたBlu-ray / DVDが9月18日にリリースされること、9月から年末にかけてホールツアー「FRUITS ZIPPER JAPAN TOUR 2024 - AUTUMN -」が開催されることがアナウンスされた。なお武道館公演2日目の生中継が実施されたU-NEXTでは、6月2日23:59までアーカイブ映像を楽しむことができる。
メンバーの手紙コメント全文&セットリストはこちら
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