建築家・隈研吾の15年間を捉えたドキュメンタリー「粒子のダンス」公開

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建築家・隈研吾のドキュメンタリー映画「粒子のダンス」が、3月21日より東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

「粒子のダンス」ポスタービジュアル

「粒子のダンス」ポスタービジュアル [高画質で見る]

東京・国立競技場や高輪ゲートウェイ駅など、国内外で数多くの建築設計に携わってきた隈。本作は、映画作家の岡博大が恩師である隈の15年間の歩みを記録したもので、東日本大震災に伴う東北の復興プロジェクトをはじめ、国立競技場、東京大学隈研吾研究室の建築教育の現場など、世界16カ国80以上の建築プロジェクトを撮影した。作中では、絶えず新たな建築のあり方を問いかけ、提案し続ける隈の姿が映し出される。ギタリスト・作曲家の藤本一馬が音楽を担当した。

「粒子のダンス」場面写真

「粒子のダンス」場面写真 [高画質で見る]

本作は、3月に東北での先行試写を開催。著名人による鑑賞コメントは以下の通りだ。

瀬々敬久(映画監督)コメント

まるで奇跡。
この映画は、隈研吾のプロモーションビデオではない。一個人の建築家はもはや触媒でしかないのに気づく。巨視化した大きな時間の捉え方がされている。時間と空間の越境、あらゆる局面でそれが行われているのだ。過去、現在、未来の視点から、人類の歴史と息遣いを描いた映画に他ならない。            

村山匡一郎(映画評論家)コメント

学生たちの姿に小さな隈研吾たちを見るよう。
映画は2011年3月11日に起きた東日本大震災の被災地に立つ隈研吾の茫然とした無言の姿をキャメラが長回しでとらえるシーンから始まる。3.11以降の10年以上にわたる日本社会の変化の縮図に似た時の流れが息づいているかのようだ。鎌倉の地の竹を使って隈研究室の学生たちが小さな映画館を地元の人たちと一緒にワークショップのように作り上げる。建築がいかにその土地固有の自然環境と共振しながら歴史を作っていくかということが知れて面白い。             

中園ミホ(脚本家)コメント

夢のように愉しくてカッコイイ映画です。        
小さな鞄をひょいと肩にかけて旅する隈さんがよく出てくる。そんな隈さんを追いかけているうちに、日本人とは何かということが伝わってくる。なんとひたむきで健気なんだろう。よく知っているはずの日本人のことなのに、その静かな明るさ、しなやかな強さが胸に迫り、気がつくと私は泣いていた。隈さんはこれからも軽やかに世界中を飛び回り、被災地を救い、軽やかでしなやかな建築を残していくのだろう。

佐藤仁(元南三陸町長)コメント

「中橋」は間違いなく「未来への希望の橋」になった。
隈さんは「人が住まないところに賑わいを作るのは難しいんだよな」とポツリと言いました。その難しい課題を、隈さんは引き受けてくれました。隈さんは自分の個性を出すことよりも、その場所のあり方を優先する。「南三陸さんさん商店街」は、仮設時代のイメージを大切にして木造で平屋の造りにしました。南三陸311メモリアル」のオープニングセレモニーの時、商店街に「隈先生 素敵な建物ありがとう」というのぼり旗がたくさん並んでいました。あれこそが町民の素直な思いです。

村山斉(素粒子物理学者)コメント

宇宙は素粒子から出来ている。
全てを分解していった究極の存在である素粒子が宇宙の成り立ちを決めてきた。同じように国立競技場のような大きな建造物も、一つ一つの部分、粒子から成り立っている。温かさと安心を作り出す。この魔力は宇宙創生の物理法則につながっているのかもしれない。                     

石井リーサ明理(照明デザイナー)コメント

光も建築の構成粒子のひとつとなって融合する。
微の集合で巨を作るというアプローチは、無限のスケールに発展できる可能性を秘める。巨視的な都市計画から発して次第にスケールダウンしていく20世紀までの西洋式の建築設計手法とは真逆を行く。この隈研吾さん独特のアプローチを、この映画では余すことなく表現している。隈さんは視覚至上主義の現代のコミュニケーション方式とは対極にあるやり方である。自分の身体的体験、肌感覚のようなもので事象を捉えていく。それらを自分の中で消化し昇華させる作業を優先しているように。

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©︎Hiromoto OKA / NPO SHONAN YUEIZA

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