日本育ちのミャンマー人映像作家
「エイン」は、2021年4月のミャンマー軍事クーデター後、現地取材中に市民デモを支持したとして拘束され約2年にわたり刑務所に収容された経験を持つティンダンが、自身の境遇をもとに制作した2006年の作品。主人公は、家族で来日して1年になる少年アウンメインだ。人間関係、アイデンティティ、家族をテーマに、身の回りすべてが敵のように見えていた思春期の少年が弟と家出することで成長していくさまを描く。キャストには
YouTubeで公開された特報映像には、アウンメインが級友たちから差別的な言葉をぶつけられる様子、「こんな国にいたくない」と父親に訴えかける姿を収録。家出中、光石演じる大人と出会い交流するさまも確認できる。
佐藤のコメントは、日本映画学校作品選パンフレットに掲載されたもの。本作について「学生映画がこうして、マスコミには容易に現れない在日のアジアの若者の声を日本人に伝えるルートになるのはたいへんいいことだと思う」と評価し、「この映画は在日ミャンマー人の声なのだ」とつづっている。
「エイン」は3月6日より東京・アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。同じくティンダンが手がけた映画「
映画「エイン」特報
佐藤忠男(映画評論家)コメント
エインとはミャンマー語で家のこと。この映画のシナリオを書いて監督したモンティンダンは中学生のときから日本にいるミャンマー人である。この映画は日本の中学校に学んでいるミャンマー人の少年の物語であるが、当然、彼自身の日本での経験が盛り込まれているであろう。中学校で主人公の少年をいじめる日本人の少年など、たいへんリアリティがあって、なるほどと思う。
主人公が「日本人はどうしてあんなにいばりたがるのだろう」と言うあたりは、なるほどなるほどだ。学生映画がこうして、マスコミには容易に現れない在日のアジアの若者の声を日本人に伝えるルートになるのはたいへんいいことだと思う。
この映画で主人公の少年とその家族の人々を演じているのは在日のミャンマー人たちである。この映画は在日ミャンマー人の声なのだ。そういう役割りを果たせることを日本映画学校は誇りに思う。また少年が通う学校の場面の撮影にはモンティンダンが卒業した学校が全面的に協力して下さった。
日本人の善意を代表している巡査の役を光石研さんが演じて下さった。日本映画学校の実習作品に好意的に協力していただけて有難いと思う。
(日本映画学校作品選パンフレットより)
ティンダンの映画作品
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映画ナタリー @eiga_natalie
在日ミャンマー人兄弟の家出と成長を描く「エイン」特報公開、光石研も出演
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映画評論家・佐藤忠男「この映画は在日ミャンマー人の声なのだ」
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