直島翔の小説をもとにした同作は、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)を同僚に隠しながら、裁判官の職務に必死に向き合おうとする特例判事補・安堂清春を主人公に据えた法廷ヒューマンドラマ。松山は、特性から来る“こだわり”によって事件の矛盾をあぶり出す安堂を演じる。
鳴海は、安堂の特性を自らの裁判に利用しようともくろむ弁護士・小野崎乃亜(おのざきのあ)役で起用された。恒松は安堂が引き起こすトラブルに眉をひそめるエリート判事補・落合知佳(おちあいちか)役、山崎は安堂の予測不能な裁判進行に振り回されつつ小野崎と論戦を繰り広げる検察官・古川真司(ふるかわしんじ)役で参加。市川は安堂らに事件情報を提供しながらも真意が読めない謎多き執行官・津村綾乃(つむらあやの)、和久井は安堂に社会で生きる術をアドバイスする精神科医・山路薫子(やまじかおるこ)、遠藤は安堂の騒動で裁判所所長に怒られつつも期待を寄せる判事・門倉茂(かどくらしげる)に扮する。
本作で初のヒロイン役を担う鳴海は「正義感と現実の狭間で揺れ動き、心が何度も折れそうになる。そんな瞬間は私自身も経験があり、役との親和性を感じました」と回想。恒松は「いつも正論を言っている落合ですが、人間社会は色々な人の想いが絡まり合いながら成り立っています。その想いに耳を傾けられるようになるのか…。まだまだ成長途中の彼女を見守っていただきながら、ご視聴いただければと思います」と呼びかけた。そのほかのキャストによるメッセージは後掲の通り。
あわせてキービジュアルが解禁されたほか、音楽を「宙わたる教室」の
「テミスの不確かな法廷」はNHK総合で1月6日にスタートし、毎週火曜にオンエア。脚本は「イチケイのカラス」「絶対零度」シリーズの
小野崎乃亜役:鳴海唯
役柄
ある事件をきっかけに、東京の大手法律事務所を辞めて前橋にやってきた弁護士。刑事事件において、起訴有罪率99.9%を誇る検察に弁護士の勝ち目はないが、安堂の特性をうまく利用すれば突破口が開けるかもしれないと彼に近付く。しかし安堂と向き合ううちに、彼の抱える苦悩や孤独に触れ、いつしか自身も思わぬ影響を受けていく。
コメント
本作品はリーガルサスペンスでありながら、人の性質が繊細にそしてユニークに描かれている新しいヒューマンドラマだと感じました。小野崎乃亜は、多くの人は救えなくても自身が出会った人の人生は救いたいという、強い正義感を持った人物だと思います。その正義感と現実の狭間で揺れ動き、心が何度も折れそうになる。そんな瞬間は私自身も経験があり、役との親和性を感じました。そんな中で、特性を持ちながら真実を追求し続けている安堂に出会い、法律家として、人として、ゆるやかに成長し変化していく、その温かい人間模様に注目していただきたいです。
落合知佳役:恒松祐里
役柄
任官三年目にして早くも将来を嘱望されるエリート判事補・落合。冷静かつ理論的な思考を身上とし、感情を排した判断こそ裁判官のあるべき姿だと信じている。慣例にとらわれない安堂の言動に戸惑い、キャリアのために距離を置こうとするものの、次第に合理的な考えだけでは割り切れない“何か”が、彼女の中に芽生えていく。
コメント
裁判官の落合知佳を演じます。恒松祐里です。
感情に流されず、規則通りに仕事をする落合は、この地裁のある意味ツッコミ役的な存在です。
いつも正論を言っている落合ですが、人間社会は色々な人の想いが絡まり合いながら成り立っています。その想いに耳を傾けられるようになるのか…。
まだまだ成長途中の彼女を見守っていただきながら、ご視聴いただければと思います。
古川真司役:山崎樹範
役柄
事故を起こして亡くなった父の“汚名”を晴らしてくれた検察官に憧れ、その背中を追って検察の道へ。自らが起訴した被告人については、求刑が実現するよう緻密に証拠を固め、追い詰めていく実直な検察官。安堂の予測不能な言動や、それに便乗する小野崎にペースを乱されながらも、頼まれごとがあると断れないお人よしな側面を持つ。
コメント
検察官は証拠を元に起訴・不起訴、求刑を決めます。検察官にしか出来ない仕事です。人の人生を左右する重責と日々向き合う関係者の皆様に心から敬意を表します。正義を司る女神テミスは右手に剣、左手に秤を持っています。正直に言えば私は演じていて恐怖を感じます。私の正義の剣がどれだけ人を傷付けるのか? 秤に載った重りは人の人生を背負うだけの覚悟があるものなのか? 人の外側は見えても内側は全く見えません。私は自分の後頭部を肉眼で見た事がありません。
自分自身の事ですらよく分かっていないのです。この恐怖と戦いながら誠実に古川真司を演じたいと思います。
津村綾乃役:市川実日子
役柄
前橋地方裁判所第一支部の執行官。確定した判決や命令に従わない相手に対し、財産の差し押さえや家屋の明け渡しなどを確実に執行させる役割を担うため、「取り立て屋」と揶揄されることもある。執行ごとに手数料収入が発生する独自の給与制度から、正義感よりも現実的な損得勘定で動く一面も。赴任してきた“変わり者”安堂のうわさを聞きつけ接触を図るが、敵か味方か、その真意は謎に包まれている。
コメント
津村は、女性では極僅かしかいない執行官です。監督からは、法廷の中と外を行き来する存在で、理想だけで世界は変わらない事を、身をもって理解している人物だというお話がありました。撮影中、まっすぐで大きい子犬のような松山さんを見ていたら、この脚本には、たくさんのテーマが潜んでいるのではないかと思うようになりました。どんな作品になるのか…楽しみにして頂けたら、うれしいです。
山路薫子役:和久井映見
役柄
精神科医。安堂が13歳の時に出会い、彼の発達障害を診断して以来、ずっと経過を見守り、相談に乗り続けてきた、安堂が唯一心を許せる存在。一方で、かつて自身が担当した精神鑑定の結果によってもたらされた悲劇を今も胸に抱えている。安堂への寄り添いと自身の葛藤──温かさと影の両面を持つ人物。
コメント
台本を読み進めながら、松山ケンイチさんの演じられる清春君の、考え、思い、言葉に、とても引き込まれました。そして、登場人物それぞれの考え、思いや言葉。清春君がその人達との関わりや人生の中で、どんなふうに歩みを進めていくのか…。切なくもあり、あたたかくもあり…。どうぞ最後まで、ぜひご覧ください。
門倉茂役:遠藤憲一
役柄
前橋地方裁判所第一支部の部長判事であり、安堂の上司。かつては「伝説の反逆児」と呼ばれ、反骨精神にあふれる裁判官として知られていた。定年まであと2年、平穏な日々を願っていたが、安堂が赴任にしてきたことによって、胸の奥でひそやかに眠っていた感覚が揺り動かされる。
コメント
クランクインする前、初めて裁判を傍聴した。窃盗事件や麻薬関連の裁判などいくつか見学したが、裁判長は被告に親身に語りかけたり、反省させるべく強く戒めたり、何とか更生に向かわせようとしていた。裁判とはもっと無機質なものかと思っていたが、法廷は人間くさい場だった。今回のドラマ「テミスの不確かな法廷」は、このような現実の裁判に則しながら、エンターテイメント性を加え、さらに主人公は発達障害を抱えた裁判官だ。主演の松山ケンイチ君はこの難役を見事に演じきっている。
とにかく見応え充分な作品になるだろう。
古谷萌(キービジュアルデザイン)コメント
「僕は宇宙人。」他の人たちとは異なる世界の見方をする主人公の姿を見て、重力の方向すら違うような感覚ではないかと空想しました。ずれた世界に生きづらさを感じながらも、独自のこだわりや想像力で接点を見出し、時に微笑む安堂清春を、スチールに焼き付けました。
jizue(音楽)コメント
昨年「宙わたる教室」でこのチームの皆様とご一緒させていただき、打ち合わせの際、これほど熱意のある方達の作るドラマは間違いなく素晴らしい作品になるんだろうなと感じた事を覚えています。
実際「宙わたる教室」がどれだけ素晴らしい作品だったかは言うまでなく、またこうして尊敬するチームの作品に携われる事を心から光栄に思いますし、ドラマと一緒に僕達の音楽も楽しんでいただければ幸いです。
ドラマ10「テミスの不確かな法廷」番組情報
放送局・放送日時
NHK総合 2026年1月6日(火)スタート 毎週火曜 22:00~22:45
※全8回
※毎週木曜 24:35~25:20に再放送
同時・見逃し配信
NHK ONE(新NHKプラス)で配信予定
スタッフ・キャスト
原作:直島翔「テミスの不確かな法廷」
脚本:浜田秀哉
音楽:jizue
演出:吉川久岳(ランプ)/ 山下和徳 / 相良健一 / 富澤昭文
出演:松山ケンイチ / 鳴海唯 / 恒松祐里 / 山崎樹範 / 市川実日子 / 和久井映見 / 遠藤憲一 ほか

映画ナタリー @eiga_natalie
松山ケンイチ主演「テミスの不確かな法廷」新キャスト解禁📺
鳴海唯、恒松祐里、山崎樹範、市川実日子、和久井映見、遠藤憲一が出演
▼役柄・コメントはこちら
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#テミスの不確かな法廷