映画「
長月天音の同名小説シリーズをもとにした本作は、葬儀会社・坂東会館でインターンとして働き始めた清水美空(しみずみそら)と、彼女を厳しく指導する葬祭プランナーの漆原礼二(うるしばられいじ)が“最高の葬儀”を目指す物語。浜辺が美空、目黒が漆原に扮し、坂東会館の葬祭プランナー・赤坂陽子役を森田、美空の父・清水佑司役を鈴木、母・清水美波役を永作、祖母・清水花子役を夏木が担った。
浜辺はオファー時を振り返り、「脚本が本当に素晴らしくて、読みながら泣いてしまったのを覚えています。ただ、現場で自分が美空として故人様やご遺族と対峙したときにどんな感情になるのか想像がつききらず、そんな作品に挑戦してみたいと思いました」と語る。目黒は撮影時について聞かれ、「現場では浜辺さんとたわいもない話をして仲を深めていく感じではなく、美空に背中で仕事を見せていく漆原の姿勢を自分も意識していました」と述懐した。
劇中で“納棺の儀”を執り行うシーンに挑戦した目黒。彼は「先生たちの動画を見続けて、着物を家に持ち帰ったりもして、ひたすら練習しました。1つ間違っちゃいけないと思っていたのは、振り付けではないということ。故人様・ご遺族に向けた漆原なりの思いを大事にしながら、所作をやらせていただきました」と口にする。その練習風景を見ていたという浜辺は「最初の段階からとても美しくて、亡くなった方への慈しみを感じました。(目黒は)想像していた50倍ぐらい忙しい方なのに、すごいなあって」と尊敬の目を向けていた。
2人の関係性を、三木が「現場でもリスペクトし合う感じが本当にいいなと思っていた。この世代の中でも特に落ち着いているというか、“浮ついてない度”ナンバーワンの俳優たちだと思います」と表現すると、浜辺は小さくガッツポーズをして喜ぶ。続けて三木は「いろんな家族の生と死のはざまで別れを見送る役なので、その誠実さを持ち合わせている2人に演じていただけてよかった」と感謝を伝えた。
実際の葬儀プランナーに指導を受けたという森田は「『どんなことを心掛けてお仕事をされていますか?』と聞いたところ、『ご遺族にとっては一生に一度しかない大切なご葬儀だということを絶対に忘れず、毎日初めてだと思ってやっています』とおっしゃっていました」とやりとりを回想する。また「ご葬儀って故人様のものだと思っていたんですが、それ以上に“遺された側がこれからどう進んでいくか”という区切りであり始まりの機会になるんだなと、本作に参加して感じました」とコメントした。
完成した本編を観て泣いたという夏木は、孫役で共演した浜辺に言及。「現場に入るといつも思うけど、先輩・後輩は関係ない。浜辺さんのお芝居に向かう姿勢が素晴らしいなと、学ばせていただきました」と述べる。永作は「センシティブな内容であるために、キャストの皆さんが、繊細な技や思いをたくさん使って演じられていて、感動しました」と映画の感想を語った。鈴木は「珍しく、クセのないお父さんの役が来てすごくうれしくて、ワクワクしながら現場に向かいました」と冗談交じりに役柄を紹介。また、目黒が“現場で座らない”というエピソードを披露し「永作さんと2人で『全然目黒くん座りませんね』という話をしたんです。高倉健さんってこんな感じだったのかなって。気合い入ってますよね」と称賛していた。
最後に目黒は「本作の大きなテーマである“死”や“別れ”は、日常の中でどうしても非現実的に感じてしまいがち。でも、送るのも送られるのも誰もが経験すること。実は一番現実的なことだと、改めて感じさせてくれる作品です」と語る。浜辺は「人を思う気持ちって、改めて尊いものだなと、目一杯の愛とともに感じさせてくれる映画です。私が親友と観に行きたいと思っています」と笑顔を見せ、イベントを締めくくった。
「ほどなく、お別れです」は2026年2月6日に全国で公開される。脚本はドラマ「ライオンのおやつ」の本田隆朗が執筆し、脚本監修として岡田惠和も参加した。

映画ナタリー @eiga_natalie
【イベントレポート】「ほどなく、お別れです」浜辺美波と目黒蓮は“浮ついてない度”ナンバーワン俳優(写真12枚)
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