「ウルトラマン」シリーズを生んだ円谷プロダクション創業者・
世界50カ国以上に5000人を超える会員を擁するVES。2025年2月には俳優・映画監督の真田広之がVES Award for Creative Excellenceを、映画監督・
表彰式には円谷プロダクションの代表取締役社長・永竹正幸が登壇。すると突然バルタン星人が登場して観客をどよめかせ、ウルトラマンが姿を現したことで両者の戦いが目の前で繰り広げられることに。ウルトラマンが必殺技・スペシウム光線でバルタン星人を退けたのち、ステージの中央で永竹と握手を交わすと、会場からは大きな歓声と拍手が巻き起こる。永竹は「今回の殿堂入りは、円谷英二の功績を、単に技術的な面に留まらず、国境や時代を超えて未来のクリエイターたちに影響を与え続ける普遍的なインスピレーションの源泉として位置付け、称えるものです」と挨拶した。
このたびの受賞を受け、山崎からコメントが到着。彼は「偉大な先人ですし、日本では“特撮の父“と呼ばれている人ですから、VESの方たちが認めてくださったことが本当に素晴らしいことだなと思いました」と喜びをあらわに。円谷から学んだことについて「やはり“本物に見えること”ですね。それは光の当て方であったり、アングルであったり。いろいろな技法において、どうやって本物に見せようとするかをとても意識していたと思います。特撮で作りながらも実物に見せようとするという努力はものすごく参考にしていますし、今のやり方でそれができるようにするにはどうしたらいいか、常々考えています」と伝える。
さらに山崎は円谷の魅力に関して「それまでと一線を画すリアリティで、ものすごく壮大なものをスクリーンの中に、特撮という技術で作り出していたことですね。日本だけに留まらず、世界中の人たちが魅了されるものを最初に作った方だと思います」と言及。現代の映像クリエイターやVFXを志す人への影響を「素晴らしい仕事をすれば、世界が見てくれているんだなと改めて感じられたことが大きい。我々後進の者たちにとって、1つの輝かしい実績がちゃんと評価されることが、ものすごく励みになって、みんなのやる気をさらに上げていくのではないかと思います」と語った。
なお円谷プロダクションでは、ウルトラマンシリーズ60周年プロジェクト「with U」を展開中。記念作品として、ドキュメンタリー映画「THE ORIGIN OF ULTRAMAN(仮題)」が2026年に公開予定だ。
株式会社円谷プロダクション 代表取締役社長 永竹正幸のスピーチ全文
皆様、こんばんは。円谷プロダクション社長の永竹です。
本日、円谷英二のVES(Visual Effects Society)殿堂入り(Hall of Fame)という歴史的な瞬間に立ち会わせていただき、大変光栄に思います。円谷英二が60年以上前に創業した円谷プロダクションを代表し、ご家族の皆様、VESの関係者、そしてこの殿堂入りに関わった全ての方々に、心よりお祝いと感謝を申し上げます。
「観ている人たちに喜びや驚きを与えたい。その喜びや驚きを糧に、想像する喜び、未来に向かう希望、平和や愛を願う優しさなどを育んでもらいたい。」円谷英二は、常に作品を通じてこの思いを伝えようとしていました。
この思いを形にするために、彼は「空想の力」を駆使し、1954年の「ゴジラ」や、1966年に始まり今なお続く「ウルトラマン」シリーズなど、革新的な作品を数多く生み出しました。彼の作品は、世界中の映画制作者に多大な影響を与え続けています。
今回の殿堂入りは、円谷英二の功績を、単に技術的な面に留まらず、国境や時代を超えて未来のクリエイターたちに影響を与え続ける普遍的なインスピレーションの源泉として位置付け、称えるものです。
改めまして、VES関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、この素晴らしい栄誉に心よりお祝い申し上げます。ありがとうございました。
茶九郎(ロボホン) @coziyftv78
@eiga_natalie やがて石ノ森章太郎先生も殿堂入りしてほしい