映画「
金原ひとみの小説をもとにした本作は、趣味に熱中する主人公・由嘉里が、結婚、出産と次々にオタク界隈から離脱する仲間を見て婚活を始めることから物語が展開。由嘉里は新宿・歌舞伎町の道端で酔い潰れていたところをキャバクラ嬢・ライに助けられ、新たな世界に導かれていく。杉咲が由嘉里、南がライ、板垣がホストのアサヒに扮した。
撮影は1年前の夏、新宿にて行われた。杉咲は「とっても暑い中、みんなでなんとか乗り越えた日々でした」と振り返り、「監督が『場所に嘘はつきたくない』とおっしゃって、すべて徒歩で行ける範囲でロケをしていて、とても手触りのある日々でした」と語る。南は基本的に夜帯の撮影だったそうで「(イベントが行われた)この時間帯の新宿にはいなくて、夜に撮影して朝日が昇ったら解散。すごく新鮮でしたし、そのときの朝日をよく覚えています」としみじみ回顧。板垣は「演じたアサヒは朝起きてすぐにチョコフラッペを飲まないと死んじゃう病気で。由嘉里と一緒に神社の階段に座って飲むシーンがあったんですけど、(暑い夏で溶けてしまうので)時間との戦いでした。スタッフさんがその場で作ってくれて、愛情のこもったチョコフラッペでした」とエピソードを明かす。
キャスト同士の初対面の印象について、杉咲はライ役の最終オーディションを述懐。「当時、琴奈は高校2年生。自分がオーディションに立ち会わせてもらうことは皆さん知らない状態だったので、ドキドキしながらひっそりといたら、(南が)『うわっ! かわいい!』とか言ってくれて(笑)。そんな屈託ないみずみずしさがありながら、お芝居をするとすごく大人びて見えて。オーディションの芝居で私の髪に触れてくれたんですけど、思わずドキっとしてセリフが飛んでしまって。そんな不思議なバランスの方で、一気に魅了されました」と懐かしそうに回想。南も「杉咲さんがいらっしゃると知らなくて『なんてかわいいんだろう!』と衝撃でした」と述べ、「ご一緒できるのがうれしくて、同時に『杉咲さんとこれから演技をするんだ!』と緊張もしたんですけど、友達みたいに接してくださり安心感がありました」と笑顔を見せた。
板垣との出会いについては、杉咲が「本読みのとき、物静かな印象があったんですけど、(始まったら)ものすごいバイタリティでボルテージが上がっていく姿に圧倒されました」とその変身ぶりに驚嘆する。一方、板垣は「撮影を進めていくと、杉咲さんが持っている温かい空気、優しさに救われることばかりで、すごく幸せな撮影期間でした」と話した。
関係性が深まった現在の印象を聞かれると、杉咲は「琴奈のクールに見えるけど、人懐っこいところ、優しいところ、ちょっと不真面目なところもあったりして(笑)、そこも全部大好きです!」と愛情たっぷりに語り、南も「花ちゃんにうれしいことを一番に報告したくなっちゃうんです。ずっと好きです!」と応じる。あまりの仲の良さに板垣が「もういいですよ、僕のことは(笑)」とすねる一幕も。杉咲は、そんな板垣についても「例えば打ち合わせでみんなが集まっても、全員が着席するまで立っていたり、本当に礼儀正しくて、『なんでそんなことができるんだろう?』と素晴らしいなと思いました」と信頼をあらわにした。
ヒット祈願の絵馬には、杉咲が「みんなで健やかにいられますように」と書き、「無事に初日を迎えるまでもその後も、まずは健康が大事なので」と意図を伝える。南は「(本作が)多くの人に愛されますように」、松居も「とどけ!! ミーツ・ザ・ワールド」と願いを書き入れた。板垣だけは「目薬を使い切れますように」と映画と関係ない願いを書いて苦笑。「いつも半分くらいでどっか行っちゃうんです。『ミーツ・ザ・ワールド』の撮影でもなくしました……。今使っているのは使い切れたらいいな」と語り、共演陣の笑いを誘った。
最後に松居は「今の時代、いろんな選択肢がある中で、『グレーのままでいいんじゃない?』という思いを込めて作りました。ちょっとでも悩みを抱えている方が、この映画を観て、少しでも息がしやすくなれば」と語りかける。杉咲は「他者と関わること、自分自身と付き合っていくことにエールを贈れるような映画になっています。大きなスクリーンで見ていただけるとうれしいです」と温かく呼びかけ、イベントを締めた。
「ミーツ・ザ・ワールド」は、10月24日より全国でロードショー。

あすか @ufufuasuka
板垣李光人だけ目薬に祈るwwwww https://t.co/Jgj9RtPaHf