ピーター・バラカンの音楽映画祭が今年も開催、日本初公開は6作品

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音楽映画フェスティヴァル「Peter Barakan's Music Film Festival 2025」が、9月12日から25日に東京・角川シネマ有楽町で開催される。

「Peter Barakan's Music Film Festival 2025」キービジュアル

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「ジャニス・イアン 沈黙を破る」場面写真 ©Wild Rose Pictures

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「マリアンヌ・フェイスフル 波乱を越えて」場面写真 ©ARTE France – Cinétévé – Babylon Irie – NTR • 2017

「マリアンヌ・フェイスフル 波乱を越えて」場面写真 ©ARTE France – Cinétévé – Babylon Irie – NTR • 2017[拡大]

ブロードキャスターのピーター・バラカンが作品を選ぶ、今年で5回目の「Peter Barakan's Music Film Festival」。今回は、シンガーソングライターのジャニス・イアンが活動を振り返る「ジャニス・イアン 沈黙を破る」、今年78歳で死去したマリアンヌ・フェイスフルについてのドキュメンタリー「マリアンヌ・フェイスフル 波乱を越えて」、ザ・ステイプル・シンガーズのリードボーカルとして有名なメイヴィス・ステイプルズを取り上げた「メイヴィス・ステイプルズ ゴスペル・ソウルの女王」など6本が日本初公開される。

また、本映画祭では初上映となる「ピアノフォルテ」「ハーダー・ゼイ・カム」「ホット・スポット」「小さな心に祝福を」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」「Eno」「ロックの礎を築いた男:レッド・ベリー ビートルズとボブ・ディランの原点」「NO ハンブルク NO ビートルズ」「ヒプノシス レコードジャケットの美学」「ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?」「ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン ──ジャズが生まれる瞬間──」「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」「チョーミン楽団が行く!」「once ダブリンの街角で」「ボサノヴァ~撃たれたピアニスト」もラインナップに。昨年好評だった「七転八起の歌手 バーバラ・デイン」「ボビー・チャールズ 極楽の歌」のアンコール上映も行われる。

「Peter Barakan's Music Film Festival 2025」開催概要

開催日時・開催会場

2025年9月12日(金)~25日(木)東京都 角川シネマ有楽町

料金

一般:2000円
シニア(60歳以上):1300円
大学生:1500円
水曜サービスデー・日曜最終回:1300円
TCGメンバーズカード会員割引:土・日・月・金曜 1400円 / 火・木曜 1200円
※ほか各種割引あり
※「Eno」は特別料金で2500円均一

「Peter Barakan's Music Film Festival 2025」日本初上映作品

「ジャニス・イアン 沈黙を破る」

監督:ヴァルダ・バー・カー
出演:ジャニス・イアン、ジョーン・バエズアーロ・ガスリーリリー・トムリン

ピーター・バラカンによる紹介コメント

1975年の「At Seventeen」というヒット曲で知られる社会派シンガー・ソングライター、ジャニス・イアンが今も続く活動を振り返るドキュメンタリー。あの曲で淡々と語られる仲間はずれの女子高生の心の痛みは、50年後のSNSの時代で社会問題化している様子を思わせます。タイトルは彼女がカミング・アウトしたことを指します。

「マリアンヌ・フェイスフル 波乱を越えて」

監督:サンドリーヌ・ボネール
出演:マリアンヌ・フェイスフル、アンドルー・ルーグ・オールダム、ミック・ジャガー

ピーター・バラカンによる紹介コメント

今年78歳で亡くなったマリアンヌは60年代にアイドルのような感じでデビュー、ミック・ジャガーとの恋愛を経て一度ドラッグにおぼれ、70年代末に別人のような復帰で喝采を浴びました。サンドリーヌ・ボネール監督に心の内を率直に語る彼女の話から、時代と共に変わる女性像も浮かび上がります。

「メイヴィス・ステイプルズ ゴスペル・ソウルの女王」

「メイヴィス・ステイプルズ ゴスペル・ソウルの女王」場面写真 © Film First

「メイヴィス・ステイプルズ ゴスペル・ソウルの女王」場面写真 © Film First[拡大]

監督:ジェシカ・エドワーズ
出演:メイヴィス・ステイプルズ、ジェフ・トゥウィーディ、ボニー・レイト、ボブ・ディラン

ピーター・バラカンによる紹介コメント

86歳でまだ現役のメイヴィスは70年以上の芸歴を誇る世界の人間国宝のような人です。若きボブ・ディランにプロポーズされ、ステイプル・シンガーズのリード・ヴォーカルとして「リスペクト・ユアセルフ」などのメッセージ・ソウルの名曲をヒットさせた後、ソロ活動でも常に心に響く歌を歌い続けています。

「ルイジアナピリ辛 クリフトン・シュニアの世界」

「ルイジアナピリ辛 クリフトン・シュニアの世界」場面写真 ©1973 Les Blank, Flower Films

「ルイジアナピリ辛 クリフトン・シュニアの世界」場面写真 ©1973 Les Blank, Flower Films[拡大]

監督:レス・ブランク
出演:クリフトン・シュニア、クリーブランド・シュニア、ロバート・セイント・ジュリアン

ピーター・バラカンによる紹介コメント

この1973年の作品でレス・ブランクが描いているのはルイジアナ州南西部を中心に活動した「ザイデコの帝王」クリフトン・シュニア。今年で生誕100年の彼がアコーディオンを弾いて繰り広げたフランス語によるブルーズのようなゴキゲンなダンス・ミュージックは残暑を吹き飛ばす無敵のものです。

「テックス・メックス アコーディオン天国」

「テックス・メックス アコーディオン天国」場面写真 ©1976 Brazos Films, Chris Strachwitz, Les Blank ©2018 Brazos Films, Chris Strachwitz, Les Blank Films Inc.

「テックス・メックス アコーディオン天国」場面写真 ©1976 Brazos Films, Chris Strachwitz, Les Blank ©2018 Brazos Films, Chris Strachwitz, Les Blank Films Inc.[拡大]

監督:レス・ブランク
出演:フラコ・ヒメネス、ロス・アレグレス・デ・テラン、リディア・メンドーサ

ピーター・バラカンによる紹介コメント

先日亡くなったフラコ・ヒメネスの死ぬほどカッコいい演奏を筆頭に、ノルテニョとかコンフントとも呼ばれる、アコーディオンをリード楽器にしたメクシコ系テクサスのダンス音楽はアメリカ南西部の大事な文化遺産です。その主要な演奏者たちの姿をとらえた貴重なドキュメンタリー、こちらもレス・ブランク、1976年の作品。

「ジェイムズ・ブッカー ニュー・オーリンズのピアノ王子」

「ジェイムズ・ブッカー ニュー・オーリンズのピアノ王子」場面写真 ©︎2013 Bayou Maharajah LLC ©︎Anton Corbijn

「ジェイムズ・ブッカー ニュー・オーリンズのピアノ王子」場面写真 ©︎2013 Bayou Maharajah LLC ©︎Anton Corbijn[拡大]

監督:リリー・キーバー
出演:ジェイムズ・ブッカー、ジョー・ボイド、ドクター・ジョンアラン・トゥーサント

ピーター・バラカンによる紹介コメント

偉大なピアニストの多いニュー・オーリンズでは全員が最高峰と仰いだジェイムズ・ブッカー。ブルーズやジャズのみならず、クラシックまでマスターした彼は天才にありがちなエクセントリックなところもあり、麻薬中毒などの問題もありました。その唯一無二の才能を紹介したドキュメンタリーです。

ピーター・バラカン コメント

イスの上にも五年…じゃなかったっけ?
もう5年目の音楽映画祭です。依然としてかなりの勢いで話題作、注目作、渋いけど面白い佳作など、このフェスティヴァルで皆さんと共有したい映画が沢山あります。
毎年PBMFFで日本初公開の映画も紹介しています。しかし、この頃の物価の上昇ぶりと円安には悩まされていて、今年はクラウドファンディングで皆さんのお力をお貸しいただくことになりました。お陰さまで目標金額を超えることができ、心から感謝しています。
魅力的なライン・アップになったと自負しています(ちょっと欲張りすぎたかも…)。
今回はそれぞれタイプが違う3人の女性シンガー、ジャニス・イアン、マリアンヌ・フェイスフル、メイヴィス・ステイプルズの優れたドキュメンタリー、そしてルイジアナとテクサスの名人たちに関する作品、ぜひぜひ見ていただきたいです。
すでに公開済みの映画でも、しばらく劇場で見る機会がなかった「ハーダー・ゼイ・カム」、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」、「ホット・スポット」もあり、毎回異なった内容になるという「Eno」は必見です。
これまでのPBMFFでも上映してきた作品のアンコールもありますが、この機会を見逃さないよう、よろしくお願いいたします。有楽町でお待ちしています!

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