特集上映「語り継ぐ映画祭」東中野で開催、戦争にまつわる歴史継承をテーマにした企画

歴史継承をテーマにした映画を集めた上映企画「語り継ぐ映画祭」が、8月2日から15日にかけて東京・ポレポレ東中野で行われる。

同特集は、8月2日に封切られるドキュメンタリー映画「よみがえる声」の関連企画として行われるもの。今年で戦後80周年となることから、主に戦争にまつわる作品が6本が集められた。

監督・脚本をヤン ヨンヒが担った「かぞくのくに」は、1970年代の帰国事業で北朝鮮に渡った兄が25年ぶりに帰って来たことで展開する。安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュンらが出演した。また高橋伴明が監督し、吉沢悠、ペ・スビンらが共演した「道～白磁の人～」では、日本統治時代の朝鮮半島で林業技術者として緑地化に半生を捧げた日本人・浅川巧の姿が描かれる。

「ひろしま 石内都・遺されたものたち」は写真家の石内都が、広島で被爆し亡くなった人々の遺品を撮影する現場に密着したドキュメンタリー。「風が吹くとき」ではイギリスの田舎で暮らす平凡な夫婦が、核爆弾が落とされたあとにシェルターでの生活を始める様子が映し出される。今回は日本語吹替版での上映。

ノラ・トゥーミーが手がけた「ブレッドウィナー」はタリバン政権下のアフガニスタンで暮らす11歳の少女・パヴァーナを主人公に据えた物語。そして「よみがえる声」では広島や長崎で原爆被害を受けた朝鮮人、長崎の軍艦島に連行された徴用工、沖縄戦に動員された朝鮮人元軍属、日本軍の慰安婦にされた女性たちの声なき声に焦点を当てていく。在日朝鮮人2世の朴壽南（パク・スナム）と、彼女の娘・朴麻衣（パク・マイ）が共同監督を務めた。

期間中にはトークイベントを多数実施。「よみがえる声」のイベントには朴壽南・朴麻衣・ヤン、「道～白磁の人～」のイベントには高橋らが参加する。詳細は以下の通り。

語り継ぐ映画祭

上映日程

2025年8月2日（土）～15日（金）東京都 ポレポレ東中野

料金

「よみがえる声」以外の上映

一般 1900円 / 大学生・専門学校生・シニア（60歳以上）1200円 / 中学生・高校生・障害者 1000円 / 小学生 700円 / 未就学児 無料

「よみがえる声」の上映

一般 2000円 / シニア（60歳以上）1,300円 / 大学生・専門学校生 1200円 / 中学生・高校生・障害者 1000円 / 小学生 700円 / 未就学児 無料

トークイベント

8月2日（土）「よみがえる声」上映後

＜出演者＞
朴壽南 / 朴麻衣

8月3日（日）「よみがえる声」上映前

＜出演者＞
朴麻衣

8月4日（月）「道～白磁の人～」上映後

＜出演者＞

高橋伴明 / 佐藤千紘（映画研究者、「よみがえる声」助監督）

8月7日（木）「道～白磁の人～」上映後

＜出演者＞
李春浩（「道～白磁の人～」特別協力） / 金直子（「道～白磁の人～」アシスタントプロデューサー）

8月8日（金）「よみがえる声」上映後

＜出演者＞
ヤン ヨンヒ / 朴壽南 / 朴麻衣

※各イベント時間は約15分から30分。8月3日分は10分程度