柚木麻子の「終点のあの子」當真あみと中島セナのW主演で映画化、監督は吉田浩太

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作家・柚木麻子のデビュー作「終点のあの子」が、當真あみ中島セナのダブル主演で映画化。2026年に公開されることが決定したほか、第27回上海国際映画祭に出品されることもわかった。

「終点のあの子」海外版ポスタービジュアル

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柚木麻子「終点のあの子」書影(文春文庫)

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全4編からなる連作集「終点のあの子」の第1編「フォーゲットミー、ノットブルー」を中心に、私立女子高校の同級生である希代子と朱里の関係が描かれる本作。入学式の日、中等部から進学した希代子と奈津子は、外部生としてやってきた朱里に声を掛けられる。海外暮らしが長く、有名なカメラマンを父に持つ朱里のことが、希代子は気になって仕方がない。やがて朱里とともにお昼ごはんを食べるようになった希代子だったが、“親密な関係”だと思っていた矢先、朱里の日記帳を見つけたことである変化が訪れる。

「終点のあの子」場面写真

「終点のあの子」場面写真[拡大]

「終点のあの子」場面写真

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希代子を當真、朱里を中島が演じ、2人の同級生である奈津子と恭子に平澤宏々路南琴奈が扮する。監督は「愛の病」「Sexual Drive」の吉田浩太が務めた。當真は原作について「些細なことで一喜一憂し、傷ついたり、誰かに憧れ、妬ましく思ったり、新しい出会いと価値観に触れ変わっていく姿に、共感出来る部分が沢山ありました」と語り、中島は「映画では、高校生の自尊心の行方がそれぞれ描かれていると思います。そして私は、朱里に通ずる傲慢さのようなものを持っている1人だと改めて自覚させられました」とつづっている。吉田、平澤、南、プロデューサー・前信介のコメントは下部に掲載した。

「終点のあの子」場面写真

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6月13日より中国・上海で開催される第27回上海国際映画祭では、過去に「1秒先の彼」「スイート・マイホーム」なども出品されたGALA部門にてワールドプレミアが行われる。このたび解禁された海外版ポスタービジュアルには、ドレスに身を包んだ希代子、奈津子、恭子と、青いワンピースを着た朱里の姿が収められた。スチール撮影は、連続テレビ小説「おちょやん」のメインポスター、Netflixシリーズ「First Love 初恋」のメインビジュアルなどを手がけた写真家・濱田英明が担当した。

吉田浩太 コメント

今から10年以上前に柚木麻子先生の小説「終点のあの子」を読みました。自分は男性かつ既に思春期は過ぎてしまいましたが、女子高校生である登場人物たちの行動や気持ちに痛いほど共感したことを覚えています。小説で描かれる若者特有の感情はとても普遍的であり、その普遍さによって自分の心は強く動かされ、すぐに映画にしてみたい衝動に駆られました。原作として向き合い続けた故、映画化へのプロセスはとても長いものになりましたが、當真あみさん、中島セナさんという今の時代を象徴とする若く素晴らしい感受性に満ちた二人に主役を演じてもらえたことで、この小説が持つ瑞々しい普遍的な「終点のあの子」の世界を映像化することが出来たと思っております。
映画「終点のあの子」は、初めて小説を読んでから10年以上経て念願叶って映画にすることが出来た、自分にとって奇跡のような映画です。この度、上海国際映画祭でワールドプレミア上映が出来ることを大変光栄に思っております。

當真あみ コメント

最初に原作を読んだ時、どの子の立場でも気持ちや行動に共感出来るなと感じました。些細なことで一喜一憂し、傷ついたり、誰かに憧れ、妬ましく思ったり、新しい出会いと価値観に触れ変わっていく姿に、共感出来る部分が沢山ありました。
私が演じた希代子は、常に周りに合わせながら生きていて、友達といる時も、母といる時も自分の意見を言わない女の子でした。監督からはできるだけ自然体で、普段の當真さんでいて欲しいとお話を受け、できるだけ感じたままにお芝居できるよう意識しました。
今回、上海国際映画祭に参加させていただける事になりました。私自身、映画祭への参加は初めてで、この作品で参加出来ることへの喜びでいっぱいです。
この作品は、見てくださる方が、登場人物誰かに必ず共感出来るような作品だと思います。今学生の方も大人になった皆さんにも見ていただけると嬉しいです。

中島セナ コメント

撮影からもう1年が経っていることに驚きます。
現場で同級生役の皆が撮影の合間にも楽しそうに踊ったり笑い合っている姿は、本当に学校にいると錯覚してしまうほどでした。
映画では、高校生の自尊心の行方がそれぞれ描かれていると思います。そして私は、朱里に通ずる傲慢さのようなものを持っている1人だと改めて自覚させられました。
彼女たちが友達の中に映し、狂ったように確かめ合っていたのは、脆い自分自身を見るためだったのかと思うのです。

平澤宏々路 コメント

「終点のあの子」はそれぞれのキャラクターがもつ憧れとコンプレックスが入り交じって、思春期ならではの儚さと脆さと怖さがある作品だと思いました。初めて台本を読んだ時は作品のもつ空気感に惹き込まれて、読み終わってからも何日間か余韻が抜けませんでした。
自分と同じ女子高校生たちの話ということもあり、撮影中に言葉がつまる時や休憩中に涙が出てくる時があるほどシーンの状況に強く共感したり、セリフが深く突き刺さったりしました。
私が演じた奈津子は、ある意味すごく共感できるキャラクターになっているのかなと思います。
学校という小さいのにとても広い世界の中で、自分が存在する意味や自分の立ち位置について悩み、必死にもがく女子高生達の姿を是非劇場で観ていただけたら嬉しいです。

南琴奈 コメント

原作を読ませていただいて、恭子の不器用で人間味のあるキャラクターが可愛らしくて、切なくて、私は大好きだったので演じることができてとても嬉しかったです。
見た目だけでは分からない心の内や葛藤が彼女には沢山あって、自分とは違うようでいてどこか重なる部分も感じながら演じさせていただきました。
撮影中は、私自身も高校生だったこともあり、恭子たちの空気をリアルに感じながら、同年代のキャストのみなさんと実際の学校のように楽しく撮影が出来たので、その空気感やリアリティが映像にも映し出されているのではないかなと思います。
純粋であるがゆえに、少し残酷で、それでいて美しい彼女達の世界を沢山の方に観ていただきたいなと思います。

前信介(企画・プロデューサー)コメント

当時、多くの企画を模索している中で、吉田監督から突然のDMが届き「終点のあの子」を読んだのは2016年の暮れでした。読み手の価値観やこれまでの環境・経験によっても受け取り方が七変化するであろうということに魅力を感じ、企画開発をスタートしました。企画成立までは紆余曲折が何度もあり、更にコロナ禍の影響で頓挫しかけました。しかし世の中が様変わりし変化した中でも、この作品は普遍的で強度があると確信することになったのです。
一方で「希代子役が見つからない限りは撮らない」と決めていました。朱里役は中島セナさんのイメージが強くあったのですが、希代子役は難航していました。この先10年待っても現れないのでは?と諦めかけた時に現れたのが當真あみさんという逸材でした。何とも形容し難い「特別な存在」でした。企画は大きく前進することになりました。
この主演お二人に加え、オーディションで勝ち取った奈津子役・平澤宏々路さんは劇中でも異彩を放っています。恭子役はお会いしてその場で異例の即決(満場一致)となった南琴奈さん。
開発から約9年を経ての公開となり、精魂込めて作品を送り出します。

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©2025「終点のあの子」製作委員会

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