2025年に創業90周年を迎えたIMAGICA GROUPによる「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」が始動。IMAGICA GROUP初のオリジナル映画製作となる同プロジェクトの概要と第1弾作品の内容が、第78回カンヌ国際映画祭会期中に発表されることがわかった。
「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」では、グループ会社内で国際映画祭への出品および受賞を視野に入れた映画企画を募集し、毎年1作品を選定して製作。このプロジェクトを5年間にわたり継続し、クリエイターの発掘・育成を図る。企画の応募条件は、IMAGICA GROUPのグループ会社に所属するプロデューサーであること。ただし所属プロデューサーと組めば、外部のプロデューサーや監督でも応募は可能だ。
第1弾作品は応募があった88企画の中から決定し、プロデュースおよび制作はロボット(ROBOT)、ピクス(P.I.C.S.)、オー・エル・エム(OLM)のいずれか1社が担当する予定。第1弾の審査員として、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画監督の
カンヌ国際映画祭での記者発表会は現地時間5月14日に実施され、第1弾のプロデューサー、監督、作品概要が明らかに。また是枝からは作品へのコメント、審査員を務めた理由などが語られる。
審査の流れ、審査員のコメントは以下の通り。
「IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト」審査の流れ
- 一次審査:2024年9月締切で、IMAGICA GROUPのグループ会社内で企画を募集。その後、グループ内審査にて88企画から11企画を選定
- 二次審査(最終):2025年3月に審査を開始し、2025年4月末に第1弾作品が決定
- 審査結果の発表:2025年5月、第78回カンヌ国際映画祭期間中に作品を発表
長瀬俊二郎(IMAGICA GROUP 代表取締役社長 社長執行役員)コメント
IMAGICA GROUPは今年、創業90周年を迎えました。この節目に立ち上げた本プロジェクトは、次世代の映像クリエイターに活躍の場を提供し、日本映画の新たな可能性を切り開くことを目的としています。当社グループ内のプロデューサーをはじめ、国内外の若手監督や映像作家が自由に挑戦し、表現できる環境を整えることは、私たちの責任であり、未来への投資でもあります。欧州をはじめとする国際映画祭では、社会課題を描いた作品や独自の芸術表現が高く評価されていますが、日本においては、そうした作品をつくるには依然として高いハードルがあります。だからこそ私たちは、映像文化の多様性を広げ、才能あるクリエイターが世界に挑戦できる土壌を築き、日本映画の国際的な発信力を高めていきたいと考えています。
是枝裕和(映画監督)コメント
映画界の次世代の才能を発掘し、世界で活躍できる人材を育てたいというIMAGICA GROUPの取り組みに共感し、自分にできることがあればと、このプロジェクトに参加いたしました。
昨年、今年と、カンヌ国際映画祭に多くの若い映画人が招待されていることからもわかるように、日本の新たな才能への注目は年々高まっています。この追い風に乗って、次なる才能が世界へと羽ばたいていくお手伝いが出来ればと思います。
市山尚三(東京国際映画祭プログラミングディレクター)コメント
出資者から原作ありきの企画が求められる現在の日本映画界にあって、オリジナル脚本に基づく企画をサポートするこのプロジェクトは、日本の新進監督たちにとって貴重な存在だと思います。サポートを得る企画は一つですが、他にも非常に魅力的な企画があり、日本映画の未来は明るいと感じました。このプロジェクトから多くの素晴らしい映画が生まれることを期待しています。
坂野ゆか(川喜多記念映画文化財団 常務理事)コメント
国内有数のラボであり、映像制作に関わる多岐にわたる業務を展開するIMAGICA GROUPさんが、「国際映画祭に出品及び受賞できることを目標にした映画製作企画」のプロジェクトに着手されるというお話を聞き、心躍りました。官ではなく民間の企業によるここまで本気の新進監督のためのプロジェクトは初めてなのではないかと思います。
審査対象作品は、IMAGICA GROUPさんのグループ会社より募集した中から厳選されただけのことはある、予想を超えた巧みでありフレッシュな企画の数々で、1本に絞り込むのに困難を極めた嬉しくも苦しい審査でした。
栄えある第1回目の選出作品が国際映画祭を足掛かりに羽ばたいてゆかれること、期待でいっぱいです。
HAL ♂ @izorac
IMAGICA GROUPオリジナル映画製作プロジェクト始動、カンヌ映画祭で第1作の概要発表(コメントあり) https://t.co/2iQY5usTjc