第3回新潟国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門にノミネートされているチェコのストップモーション映画「リビング・ラージ」が、本日3月18日に新潟・NEXT21の新潟市民プラザで上映。監督のクリスティーナ・ドゥフコバがQ&Aに応じた。
「リビング・ラージ」は、食べることが大好きな12歳のベンを主人公に据えた物語。思春期を迎えた彼は突然体重が気になり始め、料理の才能が開花しつつあるにもかかわらず、ダイエットをすることを決める。同級生からのいじめや、思いを寄せるクララとの関係が好転することを期待しつつ奮闘する過程で、ベンは本当に大切なのは見た目ではないことを知っていく。
本作を制作したきっかけについて、ドゥフコバは「14年前に娘と一緒に原作を読んだ際、ストップモーションアニメにするアイデアが浮かびました。思春期に起こることに対する説明になるものを、娘のために作りたいと思ったんです」と話す。資金調達や準備のための期間を合わせると完成までに13年掛かり、映画本編の制作には2年を要したという。
アニメーターは、2年間で入れ替わりながら総勢8人が参加した。「1日で何秒撮影できるのか」という質問に対し、ドゥフコバは「アニメーターそれぞれにシーンを振り分けて、1人が1日4秒なので、5人分で20秒ほどです」と回答。観客は驚きの声を上げるが、ドゥフコバは「普通ですよ」とほほえむ。人形たちの豊かな表情に関しては「顔の上下左右に分かれてたくさんパーツがあります」と明かした。制作する中でもっとも苦労したシーンについては「プールのシーン。水を表現するのは難しかったです」と振り返った。
参考にした過去の作品を問われたドゥフコバは、アダム・エリオットが監督を務めた「メアリー&マックス」とクロード・バラスの監督作「ぼくの名前はズッキーニ」を挙げる。エンドクレジットにチェコ出身のアニメーション監督カレル・ゼマンの「前世紀探険」が記載されていることについては、「(直接引用したわけではないが)若い頃に影響を受け、自分のインスピレーションのもとになっているからです」と説明した。
本作は2024年のアヌシー国際アニメーション映画祭でコントレシャン審査員賞を受賞している。日本では、クロックワークスの配給で2025年に公開予定だ。
第3回新潟国際アニメーション映画祭は、3月20日まで新潟市民プラザほかで開催される。
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【イベントレポート✍️】チェコのコマ撮り映画「リビング・ラージ」監督がQ&Aに参加「1日で撮れるのは20秒」
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