モノクロ映画「
長塚扮する元大学教授・渡辺儀助のもとに「敵がやって来る」と不穏なメッセージが届くことから展開していく本作。第37回東京国際映画祭では東京グランプリ / 東京都知事賞、最優秀監督賞、最優秀男優賞の3冠に輝き、アジア・フィルム・アワードでは6部門にノミネートされている。吉田は「企画が立ち上がったのがコロナ禍になった頃。この先、映画の撮影はできるんだろうか?と思っていたので、こうやって華やかに公開を迎えられたことは夢のようです」としみじみと述べ、長塚は「前評判はプレッシャー以外のなにものでもないです」と笑った。
清楚で妖艶な魅力を持つ儀助の教え子・鷹司靖子を演じ、アジア・フィルム・アワードで助演女優賞にノミネートされている瀧内。「実像なのか虚像なのかわからない役柄でやりがいがありました。ただ私の中ではそこをくっきりわけず、実像だと思って演じていたんです。そうでなければ破綻してしまう。大八さんに演出をつけていただきながら、とても面白く演じました」と振り返る。
儀助の長年の友人に扮した松尾貴史は「長塚さんのように随分昔からあこがれている方と2人で会話する場面が訪れようとは。いい緊張感が保てました」と思い返し、儀助の教え子に扮した松尾諭は「儀助は凛としていて、その教え子の僕はべちゃっとした感じかなとイメージしていました。標準語を関西弁のイントネーションで話さなければいけなかったので、苦労はしたんですが、余計に変な人の雰囲気が出たと思います」と語った。
イベント中盤にはキャストが、長塚との共演で印象に残ったシーンを振り返る場面も。瀧内は「すべて印象に残っているんですが、鍋を囲むシーンは面白かったです。儀助さんがあまりにも怯えているような感じで、新しい先生の一面を見た気がしました」と笑みをこぼす。松尾貴史は喫茶店や居酒屋で儀助と話しているシーンに触れ、「事前にリハーサルをやっているんですが、儀助は今、思いついたまま言葉を発しているんだなと不思議な感覚になったことを覚えています」と回想。松尾諭は「モニタでもモノクロになっていて、なんだか、小津(安二郎)の世界に引き込まれたような気持ちになりました。テストから長塚さんのギアが上がっていって、そこに僕も引っ張っていただきました」と伝えた。
最後に松尾諭は「世界でも公開されるべき映画だと痛感していますし、きっと叶うと思います。まずは国内で観てもらいたいです」と、松尾貴史は「観る人の想像力に敬意を払っている作品。観終わったあとに語り合ってもらいたいです」とアピール。瀧内は「コロナ禍で映画に携わる時間が少なくなって、映画の世界に帰りたいと思っていたときに、オファーがきた作品です。こんな脚本が自分のもとに来るんだと、すごくうれしかった。何百年後も残る映画だと思っています」と思い入れたっぷりに口にし、長塚は「面白いと思ったら、近隣の方やお友達にお伝えくださるとありがたいです」と呼びかけた。
筒井康隆の同名小説をもとにした「敵」は全国で公開中。
映画「敵」予告編
長塚京三の映画作品
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YUKI 推しと生きる日々 @CMarissa8766
@eiga_natalie 凄いですね!
前評判が良い作品は、観る側もプレッシャーを感じますね。
期待を裏切らない作品になることを願っています。