2024年に生誕100周年を迎えた
1965年発表の「清作の妻」は、貧しい家族を養うため17歳で老人の女となったお兼が主人公の物語。老人と病気の父が他界し、お兼は母親と生まれた村に帰り、そこで模範青年の清作と結ばれ幸せな時を過ごす。やがて日露戦争が始まり、戦地に招集された清作は負傷して帰郷するが、清作だけが生きがいになっていたお兼は彼が戦地に戻るのを阻むため狂気的な行動を取る。
「青空娘」「最高殊勲夫人」など多くの作品で増村とタッグを組んだ
同作は、これまで数多くの大映作品のデジタル修復を手がけてきたIMAGICAエンタテインメントメディアサービスによって、35mmオリジナルネガを使用し4Kデジタル修復された。ベルリン国際映画祭レトロスペクティブ・クラシック部門責任者のライナー・ロターは「増村の作品を戦後の日本映画と日本ヌーヴェルヴァーグの最も重要な作品のひとつとして称賛できることに興奮しています」とコメントした。
なお東京・角川シネマ有楽町にて開催中で、大阪のシネ・ヌーヴォで2月より行われる特集上映「市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき」にて、増村の監督作「
ライナー・ロター(ベルリン国際映画祭レトロスペクティブ・クラシック部門責任者)選出コメント
私たちが増村保造監督の「清作の妻」を2025年のベルリン・クラシックスに選んだ理由はいくつかあります。まず私たち選考委員会は、愛、戦争、社会的拒絶というテーマを大胆に掘り下げたその印象的なビジュアル・ストーリーテリングに魅了されました。そしてイタリア留学の影響を受けた増村のユニークな映画スタイルと、日本の社会規範に対する批判的な考察に特に感銘を受けました。私たちは、第75回ベルリン国際映画祭で「清作の妻」の見事なデジタル修復版を上映し、増村の作品を戦後の日本映画と日本ヌーヴェルヴァーグの最も重要な作品のひとつとして称賛できることに興奮しています。
アドキンス兄さん @adkinsniisan
「清作の妻」、田村高廣の最高傑作の一本だと思う。 https://t.co/t6D10XBb5K