写真家・深瀬昌久とその妻・洋子の、芸術と愛を追い求めた50年が描かれる本作。浅野が深瀬、瀧内が洋子を演じ、
予告編には深瀬と洋子が屠殺場でフォトセッションを行う場面や、団地で幸せな日常を過ごす様子を収録。しかし洋子の「そんなものの後ろに隠れてないで、ちゃんと見てよ。カメラじゃなくて、あなたの目で見てよ」というセリフから一転、写真によって深瀬が愛を犠牲にしていく一幕も映し出される。あわせて解禁された本ビジュアルには、2人が寝転ぶ姿に書家・永田充の書「鴉」が配置されている。
ギルは「私は洋子を形容するのに『ミューズ』という言葉は使いたくない。洋子は、まだ女性が自分の生き方を確立するのが困難だった日本の社会で、時代の先を歩いていた。一方で、日本の伝統や因習の中で尊敬されるべき存在であろうとした」と語る。そして「伝統と歴史を犠牲にして新しい文化に傾いていく日本。欧米文化の流入と60年代70年代にピークを迎える快楽主義思想の中で、深瀬は敗戦後の混乱と古い世代との隔絶の狭間で変わっていく日本の中心に自分がいることを認識していたのである」とつづった。
「レイブンズ」は、3月28日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国でロードショー。
※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記
映画「レイブンズ」予告編
マーク・ギル コメント
深瀬昌久の作品に触れるたびに私はそのむき出しのエネルギーと卓越した技法と力強い息吹に驚かされる。
そして彼の歩んだ悲劇的にドラマチックでありながら滑稽でもある人生を知った瞬間、彼の物語は素晴らしい映画のテーマになることを確信した。
「レイブンズ」は何年にもわたって繰り広げられるある種壮大なラブストーリーであるが、それは使い古された意味でのラブストーリーではない。洋子との結婚生活を例えるなら急激に変化する戦後の日本という激流をボートで下る無謀な舟遊びとでも形容するべきかと思う。
私は洋子を形容するのに「ミューズ」という言葉は使いたくない。洋子は、まだ女性が自分の生き方を確立するのが困難だった日本の社会で、時代の先を歩いていた。一方で、日本の伝統や因習の中で尊敬されるべき存在であろうとした。
その意味で「レイブンズ」は日本社会と家族を描いた映画になるであろう。伝統と歴史を犠牲にして新しい文化に傾いていく日本。欧米文化の流入と60年代70年代にピークを迎える快楽主義思想の中で、深瀬は敗戦後の混乱と古い世代との隔絶の狭間で変わっていく日本の中心に自分がいることを認識していたのである。
ここ数年来、世界の映画ファンから実話の映画化に対する欲求が高まっているのを感じる。ここに世界的な評価の高まりとともに20世紀最高の写真家の一人として言及され始めた深瀬昌久という写真家の物語がある。
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tAk @mifu75
カメラじゃなくてあなたの目で見てよ、浅野忠信と瀧内公美の共演作「レイブンズ」予告(監督コメントあり) https://t.co/PmSDnL1Rpl