「ランチのアッコちゃん」「BUTTER」で知られる作家・柚木麻子による書籍「柚木麻子のドラマななめ読み!」が10月26日に発売される。これは雑誌・ananで2014年から続く連載をまとめたものだ。
「柚木麻子のドラマななめ読み!」は、ドラマ好きで知られる柚木が、主に連載時に放送されている国内ドラマについてつづるエッセイ。フェミニズムやシスターフッド、エイジングといった柚木の小説にも共通する主題だけでなく、自己啓発ドラマや名バイプレイヤー・金田明夫の歴史など、多種多様なテーマから国内ドラマの軌跡や女性像の変遷、日本社会の変化と変わらなさなどを評している。
書籍化に伴い、自身の文章や取り上げた作品および出演俳優について、2024年現在の視点から振り返る新規テキストも収録。anan連載以外のエッセイも収められている。取り上げる作品は「逃げるは恥だが役に立つ」「エルピス―希望、あるいは災い―」「
「柚木麻子のドラマななめ読み!」目次
まえがき
第1章 “ヒール女”や“エロいのに味方な女”と一緒に 二〇一四~二〇一五年
- 第1話 フジ「月9」を支える、忘れがたい“ヒール女”の系譜
- 第2話 日本のドラマを支える名優たち
- 第3話 同性からの支持高し! “エロいのに味方な女”
- 第4話 忘れられない余韻を残す、日テレ「土9」の魅力
- 第5話 女の敵はどこにいる? フェミニズムドラマ進化論
- 第6話 金と権力はお好き? 愛と野望の復讐ドラマ
- 第7話 憧れの都会、安らぐ地元。輝いて見えるのはどっち?
- 第8話 荒波も越えてみせます、ドラマ史上最高の夫婦たち
第2章 アイドルも、男も、女も、シニアも 二〇一六~二〇一七年
- 第9話 光も影も、全部知りたい。アイドルの輝きよ永遠に
- 第10話 今時の事情を抱えて、男三人、人生模索中
- 第11話 松嶋菜々子出演作に見る、女の役割について
- 第12話 ときめきと安定した生活。両立は、叶いますか?
- 第13話 曖昧さの向こうにあるもの。坂元裕二脚本の魅力とは
- 第14話 地続きだから気になる、“シニア世代のリアル”
- 第15話 型破りな愛情表現が、片想いを両想いに変える
- 第16話 女を救うのは、女! 助け合う関係を描く新ドラマ
第3章 平成から令和へ 二〇一八~二〇一九年
- 第17話 才能がある理由は、「作品」が証明する……はず!?
- 第18話 愛されずとも魅了する、長澤まさみのヒロイン力
- 第19話 心地よすぎる俳優、金田明夫クロニクル
- 第20話 二人は獣になれるのか? 恋愛ドラマの必須アイテム考
- 第21話 納得のいく生き方を求めて。ニッポン自己啓発ドラマの歴史
- 第22話 新たなフェーズへ移行中。ドラマにおけるLGBTQ
- 第23話 「愛ゆえに」ではもう、済まされないのです
- 第24話 緻密に計算された、「前日譚」を見る楽しみ
第4章 シスターフッドとサードプレイス 二〇二〇~二〇二一年
- 特別編 「anan」とドラマの五〇年から考える“定職を持たない女”の系譜
- 第25話 ドラマの片隅に咲く、シスターフッドの花
- 第26話 癒し、交流、美味しい料理。女たちにもサードプレイスを
- 第27話 今を楽しみ、同意を交わす。“昔の男”たちとの理想郷
- 第28話 “ヒロインが冴えない”設定に見る、ラブコメルールの進化と今後
- 第29話 日本ドラマは、なぜこれほど“変わり者の天才”が好きなのか?
第5章 その先へ! 二〇二二~二〇二四年
- 第30話 恋バナや悲劇から解放されたサステナブルな母娘ドラマ誕生!
- 第31話 SNS時代でも存在感を放つ、“手作りスクラップブック”の行方
- 第32話 テレ朝ドラマならではの独自の工夫と進化に注目
- 第33話 “清濁併せ呑む”の、その先へ! 報道ドラマが切り開く新たな道
- 第34話 料理好きで家事上手な女たちが、“モテ”視点から解放された!
- 第35話 “貧困”というシビアな問題を丁寧に描く、良質なファンタジー
- 第36話 夏のキラキラ恋愛ドラマに出現したニュータイプのヒロインに夢中!
- 第37話 輝く、アラフォー女性俳優! 小池栄子と木南晴夏の存在感
- 第38話 あの文学賞出身者たちが描き出す、女性を取り巻く世界
- 第39話 社会問題に正面から切り込む姿勢は、日本ドラマの分岐点となるか
番外編 ファンとして、脚本家志望者として、原作者として
- 大学時代に出会ったずっと大好きなドラマ
- 「彼」自身の言葉で、語るべきではないか
- 原作者が尊重され、守られるように
あとがき
本書で扱う主な作品
「失恋ショコラティエ」
「東京ラブストーリー」
「アラサーちゃん無修正」
「地獄先生ぬ~べ~」
「問題のあるレストラン」
「すいか」
「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
「恋仲」
「ロングバケーション」
「アガサ・クリスティー トミーとタペンス―2人で探偵を」
「武道館」
「ゆとりですがなにか」
「営業部長 吉良奈津子」
「逃げるは恥だが役に立つ」
「カルテット」
「やすらぎの郷」
「監獄のお姫さま」
「眠れぬ真珠 ~まだ恋してもいいですか?」
「獣になれない私たち」
「人生が楽しくなる幸せの法則」
「きのう何食べた?」
「凪のお暇」
「少年寅次郎」
「愛の不時着」
「その女、ジルバ」
「大豆田とわ子と三人の元夫」
「彼女はキレイだった」
「日本沈没─希望のひと─」
「真夜中にハロー!」
「メンタル強め美女白川さん」
「六本木クラス」
「エルピス―希望、あるいは災い―」
「作りたい女と食べたい女」
「今夜すきやきだよ」
「日曜の夜ぐらいは...」
「真夏のシンデレラ」
「コタツがない家」
「セクシー田中さん」
「婚活1000本ノック」
「推しを召し上がれ~広報ガールのまろやかな日々~」
「虎に翼」など
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