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ショーン・ヤンは本作が日本で初公開された2000年生まれの25歳。脚本家を目指して来年秋から映画学校に進学する予定だという。2007年に59歳で亡くなるまでに7本の長編映画を遺したエドワード・ヤンだが、ショーン・ヤンは「ヤンヤン 夏の想い出」を「父のフィルモグラフィの中で個人的にもっとも好きな作品です」と語る。
その理由については「父はその素晴らしい芸術的才能を作品に注ぎ込んできましたが、彼の映画は時折、説教くささを感じることがありました。生前の父を深く知る機会には恵まれませんでしたが、今私は父が残した映画を通して彼を知るという、特別な立場にあります。そうした中で『ヤンヤン 夏の想い出』こそがもっとも深く父を理解できた作品だったと思います」と明かす。
さらに、彼は本作の核にあるものを「日々のありふれた日常の中に宿る本質的な美しさを見出すこと」と表現。さらに「父が最後に発表した長編映画として、この作品は父の、映画作家としての成長と人間としての成長の両方の集大成を表していると強く思います」「かつて怒りと自我に満ちていたエドワード・ヤンが、真の優しさと謙虚さを備えた人間へと成長していく過程を象徴しています」とつづった。
なお、キービジュアルは映画の序盤に描かれる親戚の披露宴の準備中、
「ヤンヤン 夏の想い出 4Kレストア版」は、12月19日より東京のBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿ほか全国で公開。ショーン・ヤンによるメッセージの全文は以下の通り。
ショーン・ヤン メッセージ
皆さん、こんにちは! エドワード・ヤンの息子、ショーン・ヤンと申します。私はロサンゼルスで育ち、脚本家志望で、来秋から映画学校に進学する予定です。
これまで何度か「ヤンヤン 夏の想い出」について紹介する機会はありましたが、今回は実際現地に伺えないにしても自分が愛おしいと感じているこの美しい作品について、私の思いや感想を共有できることは、いつも大変光栄に思います。
まだご覧になっていない方のためにこの映画について少しだけ説明すると、本作は2000年に公開されましたが、偶然にも私が生まれた年でもあります。そのため、この作品は両親の人生における大きな転換期を象徴するものとなりました。ミレニアムの到来とともに、父のキャリアにおける大きな飛躍と子供の誕生があった一方で、日常の営みや台湾での暮らし、そして残念ながら父の健康が失われていったのです。
私にとって「ヤンヤン 夏の想い出」は父のフィルモグラフィの中で個人的にもっとも好きな作品です。それについて言えば、父はその素晴らしい芸術的才能を作品に注ぎ込んできましたが、彼の映画は時折、説教くささを感じることがありました。
生前の父を深く知る機会には恵まれませんでしたが、今私は父が残した映画を通して彼を知るという、特別な立場にあります。そうした中で「ヤンヤン 夏の想い出」こそがもっとも深く父を理解できた作品だったと思います。
「ヤンヤン 夏の想い出」の核は、日々のありふれた日常の中に宿る本質的な美しさを見出すことにあると思います。この感覚は、慌ただしい現代社会においてこそ、非常に貴重なものだと感じます。父が最後に発表した長編映画として、この作品は父の、映画作家としての成長と人間としての成長の両方の集大成を表していると強く思います。
私にとって、「ヤンヤン 夏の想い出」は、かつて怒りと自我に満ちていたエドワード・ヤンが、真の優しさと謙虚さを備えた人間へと成長していく過程を象徴しています。
皆さんにも、私が感じたのと同じように、彼の人となりを映画を通して知っていただければ幸いです。そして何よりも、どうか映画そのものを心から楽しんでいただきたいと思います。
Take it @DensetsuNoT
思ってたよりたくましい息子さん https://t.co/OT6bwhrp9D