「怪物の木こり」ハロウィンはカボチャに顔を描く亀梨和也、中村獅童を待たせて弁明

映画「怪物の木こり」が本日10月31日に第36回東京国際映画祭で国内初上映され、東京・TOHOシネマズ 日比谷で行われた舞台挨拶に、キャストの亀梨和也（KAT-TUN）、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、中村獅童、監督の三池崇史が登壇した。

倉井眉介の同名小説を実写化した本作は、弁護士でありながら冷血非情なサイコパスという顔を持つ二宮と、怪物の仮面を被った連続殺人鬼が対峙するサスペンス。亀梨は二宮を演じ、菜々緒は警視庁のプロファイラー・戸城嵐子、吉岡は二宮の婚約者で父親の不審死にふさぎ込む荷見映美、染谷はサイコパス医師・杉谷九郎、中村は過去の殺人事件の容疑者・剣持武士に扮する。

“怪物マスク”を着用した観客が迎える中、客席通路を通ってキャストと三池が登場。本日10月31日がハロウィンであることにちなみ、6人はそれぞれに「ハッピーハロウィン！」と挨拶した。

本作で3度目の共演となった亀梨と菜々緒。亀梨は「安心感があり、撮影現場では多くを話さずともあうんでお互いのお芝居の変化を構築できたので、すごく楽しかったです」と菜々緒への信頼を見せ、菜々緒も「亀梨さんは各作品でそれぞれ違うキャラクターを今まで演じてきて、今回は今までにない怖いキャラクターというか、一番サイコパスな役。本当に多才だなと。どこまで亀梨さんは進化していくんだろうと、これからが楽しみになります」と絶賛する。これを受けて亀梨は「YouTubeもインスタも始めたんで」と返し、菜々緒に「亀梨さんは何になっていくんですか？」と聞かれると「僕もまだわかりません（笑）」と話して笑わせた。

初共演の吉岡について、亀梨は広告などからやわらかい印象を持っていたというが、「現場でお会いすると、しっかり芯があって、強くキャラクターに正面から向き合ってくださって。プロらしさ、職人っぽさ、覚悟をすごく感じました」とギャップを感じたことを明かす。続けて染谷については、「とにかくうらやましい。現場にもこんな感じでふわーっといるんですよ。映画でもめちゃくちゃ存在感がありますが、（染谷の）撮影日数は2日です。でもすごいものを残して帰られる、俳優として見習いたい点がたくさんあります」と絶賛した。

共演は今作が初めてだが、プライベートでは以前から交流があったという亀梨と中村。亀梨は「仕事場で会うの、不思議ですよね（笑）」と笑いつつ、中村の芝居について「役として難しい関係ではあったんですが、初めてお芝居で向き合ったときにすごみを感じました。ラストスパートに向けて乗せてもらったな、と感謝しています」とたたえる。その後もお互いにツッコミを入れながら軽妙なやり取りを見せ、クランクアップの日に先に現場を出た亀梨が、中村に挨拶をするために戻ってきたというエピソードでは、感動的な話になるかと思いきや、「俺は亀梨くんが来るのを30分待ったの。なんで俺が待たなきゃいけないわけ⁉︎（笑）」と中村が訴え、亀梨は「待機してたんです。監督が悪いですよ！ 撮影が巻いてたわけですから！」と弁明した。

現場でのエピソードを問われた吉岡は、「初日に現場に入った瞬間に、猿ぐつわが用意されてて。私そのとき、本当にどなたとも挨拶できてなかったんです。1人で猿ぐつわを付けて棒立ちしていたら、三池さんにゲラゲラ笑われて。原作者の方にもその姿を見られて、恥ずかしくてドキドキしました（笑）」と裏話を明かした。

三池は現場の雰囲気を「テストや本番の集中力がすごく高くて。役が持つ思いや目的をそれぞれがしっかり持っていた」と紹介しつつ、「獅童さんだけはフラット。『仕事だろ？』という感じで……」と中村をいじることも忘れない。そして「すごく順調に進んだ作品」と、キャストを絶賛していた。

染谷は亀梨と2人きりのシーンが多かったといい、「ずっと楽しかったです。心地いい緊張感の中、亀梨さんはお芝居するたびにパターンを変えて、それに自分も引っ張ってもらって。すごくいい時間を過ごさせてもらいました」と敬意を込めて振り返っていた。

そして話題はハロウィンの思い出に。亀梨は毎年カボチャに顔を描いているという意外な一面を明かして驚かせ、菜々緒と染谷は、俳優という職業はいろいろな役に扮するため「ある意味毎日仮装をしているようなものだから、仮装意欲がなくなった」と口をそろえる。また吉岡がニューヨークでハロウィンを体験したことがあるも自分は仮装しなかったと話すと、亀梨は「キツネとかやらなかったんですか？」と、吉岡が出演しているCMのキャラクターになぞった質問をしていた。

最後に亀梨が、「バイオレンスな描写が苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、たくさんの方に観ていただきたいからと、監督がきれいに撮ってくださっています。表面にあるものの奥のメッセージを感じ取ってほしい。ピュアな感覚を大切に何も考えず見ていただけたら」と、作品をアピールした。

「怪物の木こり」は12月1日より全国で公開。