「花腐し」綾野剛が柄本佑の芳醇な声にうっとり、さとうほなみはアクション監督に感謝

映画「花腐し（はなくたし）」の完成披露舞台挨拶が本日10月1日に東京・テアトル新宿で行われ、キャストの綾野剛、柄本佑、さとうほなみ、監督の荒井晴彦が登壇した。

本作では、松浦寿輝による同名の芥川賞受賞作をもとに、ピンク映画業界で生きる映画監督・栩谷（くたに）と脚本家志望だった男・伊関の人生が女優・祥子との奇縁によって交錯していくさまが描かれる。綾野が栩谷、柄本が伊関、さとうが祥子を演じた。

荒井は「自分の好きな映画ができました。好きって言っても、後期高齢者が好きな映画なんで、どうかな？」と会場を見渡し笑いを誘う。綾野は「この作品をどのように受け止めていただけるのか？ こうして届けられることに感謝しています」と笑みをこぼした。

柄本は本作の脚本を初めて読んだ際のことを振り返り「面白いなと思いました。（観客は）これから観るということであまり言えないんですが、荒井さんがいよいよそこに来たんだ！ってわくわくして、グッときました。そんな作品の中に参加できて光栄です」と伝える。柄本と「しっかりご一緒するのは初めて」という綾野は「本読みの段階で、佑くんのセリフの初速の速さに、これはまずいなっていう感覚がありました。声が芳醇でうっとりしましたね」と述懐。一方の柄本も「僕も本読みのときに、荒井さんのセリフと綾野さんの親和性の高さにびっくりして、ヤバいって焦った記憶があります」と語った。

“アクション監督”綾野に感謝を伝えたいと話すさとうが「転んだり、転がったりするシーンがあるんですけど、綾野さんが転び方や転がり方を教えてくれました」と言うと、綾野は「危なくない転び方、誰か伝えないの？と思って（笑）。肘を中に入れると危ないんで。でもほなみさんは1回でそれをやっていました」とたたえる。

イベント中盤には本作の雨のシーンが素晴らしいという話に。綾野が「映像として成立する雨量なので、ずぶ濡れでしたね」と笑うと、柄本は「モノクロだと雨がより映らないんです。見えている以上にもっと降っていて、向こうのほうまで降らせています。だから奥のほうは晴れてるなとか、濡れてないなとか、本作はそういう粗を探してもないです！」と胸を張った。

最後に荒井は「観て、作品がよかったら宣伝してください。そうするともう1本作れるかもわからない」と茶目っ気たっぷりに観客に呼びかけ、さとうは「お伝えできることは感謝の気持ちだけです。楽しんでください！」とコメント。柄本は「大満足して、帰っていただけると確信しています！ 観終わったら共犯者ですから。盛り上げていただければ」と、綾野は「（観客が）作品を観て、その感情が映画を完成に導いていくと思っています。ただただ楽しんでほしいです」と語りかけイベントの幕を引いた。

「花腐し」は、11月10日にテアトル新宿ほか全国で公開。

※「花腐し」はR18+指定作品

映画「花腐し」予告編