「悪は存在しない」銀獅子賞に濱口竜介「自分たちにとっては一番いいもの」

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第80回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した濱口竜介の監督作「悪は存在しない」。授賞式後の公式カンファレンス、囲み取材のレポートが到着した。

左から大美賀均、濱口竜介。

左から大美賀均、濱口竜介。

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左から大美賀均、濱口竜介。

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濱口とミュージシャン・石橋英子による共同企画となる「悪は存在しない」は、自然の秩序に従ってつつましく暮らす父娘を軸にした物語。大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁らが出演した。なお本作は、映画祭本体とは別機関からの“並行賞”として、「国際批評家連盟賞」「映画企業特別賞」「人・職場・環境賞」も獲得している。

濱口は、「偶然と想像」で第71回ベルリン国際映画祭の銀熊賞、第74回カンヌ国際映画祭では「ドライブ・マイ・カー」で脚本賞など4冠を獲得。第94回アカデミー賞では「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞に輝いた。このたび、世界3大映画祭すべてで受賞したこととなり、日本人としては黒澤明以来の快挙となった。

第80回ヴェネツィア国際映画祭より、公式カンファレンスの様子。

第80回ヴェネツィア国際映画祭より、公式カンファレンスの様子。[拡大]

授賞式で濱口は「このような素晴らしい賞をいただけるとは、この企画が始まったときは思いもよりませんでした。音楽の担当でもありこの企画の発案者でもある石橋英子さんに感謝をしたいと思います」とコメント。授賞式後の公式カンファレンスで濱口は、タイトルについて「まず、石橋英子さんの音楽にどのような映像をつけるか?というお題をいただきました。その音楽に合うモチーフを探して自然というものを撮ることになりました。そして自然に向き合っているときにふと浮かんだのが『悪は存在しない』という言葉だった」と説明した。さらに彼は「この映画はアートハウス系の映画でかつ非常に小規模のチームで作られました。小規模で自由に作った映画がこのように評価を受けるということは、映画制作の見方そのものを変えるきっかけになるのではないかとは思います」と伝える。

「悪は存在しない」場面写真

「悪は存在しない」場面写真[拡大]

囲み取材で大美賀は「想像よりはるかにすごいところまで連れてきていただいてありがとうございます。またスタッフさんはじめ、キャストの皆さん、現地で協力してくれた方々に本当に感謝しています」と口にした。濱口は受賞時の“景色”に関して「隣に大美賀さんがいて、目の前に撮影の北川さんがいて、あとほかにもチームのメンバーがいてくれて、光って見えるというか、このチームでやってこれたことを本当によかったなということを思い、胸がいっぱいになった感じがしました」と述懐。

「最高賞を獲りたかったという気持ちはありますか?」と尋ねられた濱口は「そういう思いは、本当に少しもないです(笑)。そもそもはこうやってコンペに選ばれるとも思ってなかったですし、こうやって賞をいただくことも思ってもみなかったので。そういう気持ちもそもそもないですね。それが正直なところです。自分たちにとっては一番いいものをいただいたという感じです」と語った。

「悪は存在しない」は2024年に劇場公開される予定。

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(c) 2023 NEOPA / Fictive

読者の反応

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今泉力哉 @_necoze_

濱口さんもだけど、
大美賀!!祝。
大美賀さんは「猫は逃げた」にも一瞬出てます。彼は「猫は逃げた」の助監督だったのですがいろいろあって現場に参加できず、最終日に顔を見せに来たので、ちょろりと出演してもらいました。 https://t.co/L1r0ETJf4B

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