「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」小林直己が鑑賞|これぞ映画!圧倒的スケールと継承のドラマに胸を熱くする

巨匠リドリー・スコットが手がけた歴史スペクタクル「グラディエーター」。アカデミー賞5部門に輝き、映画史に燦然と輝く同作の24年越しの続編「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が全国で封切られた。

本特集では、鑑賞直後の小林直己(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS)にインタビュー。古代ローマで復讐に燃える剣闘士たちの新たな戦いは、どうパワーアップしたのか? スコットが製作として参加した映画「アースクエイクバード」に出演したときの思い出とともに、見どころを聞いた。

取材・文 / 西森路代

映画「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」予告編公開中

週末にスクリーンで観たい、これぞ「映画」

──「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」をご覧いただいたばかりですが、観終わってのお気持ちはいかがですか?

とても素晴らしかったです! 映像もリッチだし、規模も大きくて、戦っている人たちの数の多さだけでも「今、こんな映画が作れるんだ」と感動しました。自宅やスマホで映画を観る選択肢もある中、この「グラディエーターII」は「今週の日曜日は映画館に行って、冒頭からエンドロールまでをスクリーンでじっくり観よう」って思える作品ですね。やっぱり映画って、普段の生活では体験できないようなことを追体験できますが、それって映画ならではのぜいたくさですよね。

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、ポール・メスカル演じる剣闘士ルシアス

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、ポール・メスカル演じる剣闘士ルシアス

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、ポール・メスカル演じるルシアス(左)とペドロ・パスカル演じるアカシウス(右)

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、ポール・メスカル演じるルシアス(左)とペドロ・パスカル演じるアカシウス(右)

──前作「グラディエーター」はアカデミー賞で12部門にノミネートされ、作品賞、主演男優賞、衣装デザイン賞など5部門を受賞しました。

今回もクオリティと世界観を確実にアップデートしていますよね。ハンス・ジマーさんの音楽も大好きだったんですけど、音楽や衣装、撮影テクニックなど含めて想像を超えてきたし、本当に「映画」というものを感じさせてくれる映画でした。前作を観ていなくても新鮮に楽しめるし、観ていたらより楽しめると思います。

小林直己のInstagram(@naokikobayashi_works)より

小林直己のInstagram(@naokikobayashi_works)より

母親視点の思いにぐっときた

──今、ふと思い浮かぶ印象的なシーンはありますか?

アクションシーンがすごかったですね。往年の映画のような誰もが見たいと思う映像もあるし、反対に今まで見たことのない画も見せてくれたなと思いました。“見たい画”として挙げられるのは、冒頭でアフリカの海に船がやって来て戦いが始まるところですね。当時の戦闘がどれだけの規模だったのか、どれだけ過酷だったのか、どんな強い人がいたのかがわかります。鬼気迫る戦士や、村の人の姿もちゃんと見せてくれていました。

コロセウムでの“海戦”を再現したシーンも思い出します。コロセウムに水を張って船で戦いを繰り広げるあの海戦の再現って、逸話として語り継がれているみたいで。何年か前にローマに行ったときにコロセウムを訪れたんです。ここでそんな海戦の再現があったと聞いたんですが、それを今度は映画の中で見ることができて。逸話として残っているエピソードを映像にしてくれることも映画の醍醐味だと思いました。

コロセウムに水を張り、海に見立てた模擬海戦

コロセウムに水を張り、海に見立てた模擬海戦

──物語的にぐっときたところはどこでしょうか?

前作を公開当時に観たとき、自分の視点になかったものを、今作では感じましたね。親側の思いや、この先の未来に託すものを感じ取れたことが新しい視点でした。親と言っても、特にコニー・ニールセンさんが演じた(主人公ルシアスの)母親の思いです。息子の命を守るために一度は手放したけれど、二度目は手放せないというところ。ローマをもとのような平和で栄えたローマに戻したいという目的があるけれど、それも覆してしまうほどの子供への愛、そこにぐっときてしまいました。

──気になった俳優・キャラクターはいましたか?

デンゼル・ワシントンさんって今、69歳なんですよね。でも、めちゃくちゃ動いてましたし、すごかったです。皆さん重厚でオーラを放ってる方も多かったんですけど、デンゼル・ワシントンさんはすごく軽やかでしたね。「本当にこれはセリフなのかな?」と思うくらいに、演技も自然でした。デンゼルさんが演じるのは、謎の奴隷商人マクリヌス。自分の目的を果たすためにはどんな手段もいとわない人で、変わり身も早くて、ひょいひょいっと軽やかなんですよね。今回のポール・メスカルさんや、前作のラッセル・クロウさんなんかは、重厚で圧のある演技がいいんですが、デンゼルさんは逆のアプローチで。それでいて、絶対に目的に近付いていく感じが魅力的でした。

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、コニー・ニールセン演じるルシアスの母ルッシラ

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、コニー・ニールセン演じるルシアスの母ルッシラ

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、デンゼル・ワシントン演じる謎の奴隷商人マクリヌス

「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」より、デンゼル・ワシントン演じる謎の奴隷商人マクリヌス