「大和(カリフォルニア)」「VIDEOPHOBIA」の
本作は1970年代に世界中の人々を魅了しながら、ある日不意に姿を消したというアーティスト、エクスネ・ケディによるライヴ音源アルバム「Strolling Planet '74」をモチーフにした青春映画。エクスネの熱烈なファンである女子高生イブキと、同じ高校に転校してきたジュンは、運命的な恋に落ちる。
井手は
宮崎は「初めは数曲のイメージでお声かけをさせていただいたんですが、どんどん数が増えていき、新たに曲が生まれて」とオファーを述懐。井手も「最初にあがってきたラフ編集版を見て、歌詞がいらないなと思うところが多かった。音そのものはあっても歌詞はないほうがいい、と思うところがあって、もういっそ新しく曲を作ることになったんだと思います」と振り返る。宮崎は映画のどこにどんな楽曲を入れたいか簡単な言葉と一緒にまとめたリストを準備。それをもとに井手が楽曲を作る形がとられた。
宮崎は「リストにする前の段階では、既成曲を試しに仮置きしていましたよね。このシーンはこういう曲のイメージみたいな。僕はその提案に加えて『ここにも音楽があるとうれしい』という思いを伝えていきました」と説明。井手はイブキとジュンが親密になるダイナーのシーンを挙げ「ここにカーティス・メイフィールドの『Sweet Exorcist』を合わせてみたらすごくよくて。ベックの『Debra』も。映画『ベイビー・ドライバー』のコインランドリーのシーンに似たスウィートな感覚がいいなと思ってました」と具体的なイメージの源泉を明かした。
楽曲制作に大きな影響を与えたというのが、映像の色彩補正を行うカラリストとして参加しているゴンサロ・フェレイラの存在だ。「ホースマネー」「ヴィタリナ」などポルトガルの巨匠ペドロ・コスタと頻繁に組んでいるカラリストで、宮崎とは2018年の「TOURISM」から作品をともにしている。
井手は「映像のビビッドな仕上がりを観て、最初のイメージと雰囲気がガラッと変わっていたのがすごかった。あの映像の彩度の高さに導かれるように(音楽ジャンルの)エキゾチカを意識して作った曲もあります。カラーグレーディングがかなり影響を与えてくれた。何をやるにせよ思い切ってやっていいんだと思わせてくれました」と明かし、宮崎も「ゴンサロが色を仕上げてくれたものを観て『これは行ける!』と思ったのを覚えています。あのときに映画が生まれた、という感じがありました」とフェレイラの貢献に触れる。
井手のほか、音楽プロデューサーの石原洋やPLASTIC KEDY BANDのメンバーも作曲に参加。井手は「僕はそれぞれの曲が画にハマっているか、またはあえてハズすのかなど、全体を俯瞰しながら進めていきました。そうして曲が集まっていくと、ある時に急に『PLASTIC』のサントラができる瞬間があって、個人的にはその瞬間がグッときました」と振り返る。最後に、宮崎は「キャストもスタッフも1人ひとりが『これがかっこいい』というような自分のこだわりや思いを出してくださって『PLASITC』ができあがりました。誰か1人が指揮をしていたというよりも、皆さんのポジティブな、いいところがそのまま塊になって映画になっています」と語った。
宮崎大祐の映画作品
リンク
映画『PLASTIC』公式 @plastic_movie
˖°『PLASTIC』
映画ナタリーに宮崎大祐監督&PLASTIC KEDY BANDとして担当したミュージシャン、井手健介さんの対談インタビューが掲載🎶
どのように制作が進められていったのか、カラリスト、ゴンサロ・フェレイラさんの存在など、話をうかがっています。ぜひご一読下さい!
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