写真家・長倉洋海とアフガニスタンの子供たちを映すドキュメンタリー公開

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写真家・長倉洋海を追うドキュメンタリー「鉛筆と銃 長倉洋海の眸(め)」が、9月12日から24日にかけて東京・東京都写真美術館ホールで公開される。

「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」チラシビジュアル表

「鉛筆と銃 長倉洋海の眸」チラシビジュアル表

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パンシール渓谷の学校を訪ねた長倉洋海(中央奥)。

パンシール渓谷の学校を訪ねた長倉洋海(中央奥)。[拡大]

1983年、侵攻したソ連軍に抵抗する戦いが続いていたアフガニスタンで、若き司令官・マスードと交流を深めた長倉。2001年9月9日にマスードはイスラム過激派により暗殺されてしまうが、長倉はマスードが守り続けてきたパンシール渓谷にある学校を代わりに支援することを決意する。作中では長倉が同校へ毎年のように通い、子供たちの成長を撮り続けるさまを映し出す。なお長倉はマスードの戦いや学校の子供たちを捉えた作品群で第12回土門拳賞、第36回講談社出版文化賞などを受賞している。

監督・撮影を担ったのは、2017年にNHKのETV特集「アフガニスタン・山の学校 マスードと長倉洋海の夢」を製作した河邑厚徳。彼は「本作は、一人で暮らしながら、タフに生き、深いやさしさを持つ写真家のハードボイルド作品になりました」「全編が長倉の一人語りで進みます」と説明し、「長倉は、マスードの故郷であるパンシールに残された学校の支援を20年にわたり続けています。純粋で無垢な子供たちを撮った長倉の写真が涙を誘います」とコメントした。

河邑厚徳 コメント

圧倒的な魅力と眼差しの確かさを持つ長倉洋海の写真世界。本作は、一枚一枚の撮られた背景と奇想天外の人間ドラマを紡ぎ出す感動のフォトドキュメンタリーです。その舞台の中心が今は再びタリバンに支配されるアフガニスタン。日本にも続く文明の十字路シルクロードの大地です。

本作は、一人で暮らしながら、タフに生き、深いやさしさを持つ写真家のハードボイルド作品になりました。ピューリッツアー賞を目指して写真家になったが、大学在学中にベトナム戦争は終わり、遅れてきた青年は煩悶します。挫折を超えて負けじ魂で人生を切り開いた写真家。全編が長倉の一人語りで進みます。1952年生まれで古希を超えてなお世界を駆ける写真家は、97歳の母に愛を注ぐ男でもあります。アフガニスタンで出会って、イスラム過激派の自爆テロでいのちを失ったマスードは長倉の生涯の友です。マスードはソ連を相手に祖国を守り抜いたイスラム戦士。アメリカと戦ったゲバラと並ぶゲリラ戦の英雄、カッコいい男です。2001年アメリカ同時多発テロの2日前に世を去ったマスードは、長倉に小さな山の学校を残して逝きました。長倉は、マスードの故郷であるパンシールに残された学校の支援を20年にわたり続けています。純粋で無垢な子供たちを撮った長倉の写真が涙を誘います。

私はNHK特集「シルクロード」のディレクターでした。その時唯一取材できなかったのがソ連と戦いをしていたアフガニスタンです。1983年からシリーズ第2部の放送が開始しましたが、まさにその年、長倉はマスードと出会っています。私もこの作品を作りながら縁を感じました。

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(c)2023 アフガニスタン山の学校支援の会 ルミエール・プラス

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Ko-Z @particolare1964

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