山形国際ドキュメンタリー映画祭が4年ぶりにリアル開催、新・香味庵クラブ始動

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山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023(YIDFF 2023)の記者会見が本日5月21日に山形・やまぎん県民ホールで行われ、同映画祭が10月5日から12日まで山形・山形市中央公民館、山形市民会館、フォーラム山形、やまがたクリエイティブシティセンターQ1などで開催されることがわかった。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023記者会見の様子。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023記者会見の様子。

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「映像で山形ルネッサンス」事業で制作された「山形×和菓子 ~未来を彩る伝統文化~」より。

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「映像で山形ルネッサンス」事業で制作された「鍛 -刀匠 上林恒平の道-」より。

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1989年から隔年で行われている同映画祭。2021年は新型コロナウイルスの影響でオンライン実施されたが、今回は4年ぶりにリアル開催される。映画祭のメイン企画となるのは、インターナショナル・コンペティションとアジア千波万波というコンペティション2部門だ。またドキュメンタリー映画の最新作、話題作を上映する「特別招待作品」、日本のドキュメンタリー作品を紹介する「日本プログラム」、映画史や映画を主題・対象として制作された作品を上映する「Double Shadows / 二重の影 3」、山形に関連した作品を集めた「やまがたと映画」、東日本大震災に端を発する作品を特集する「ともにある Cinema with Us 2023」、ワークショップ型の映画教育プログラム「未来への映画便 2」、一般参加者がプロの批評家の添削を受けながら映画祭上映作品についての批評を執筆し発表する「ヤマガタ・ラフカット!、ヤマガタ映画批評ワークショップ」などの企画を用意。さらに山形市の文化をテーマに「映像で山形ルネッサンス」事業で制作された4本も上映される。

「まだ見ぬ街」より。

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このたびの記者会見ではスペシャルプログラム「野田真吉特集(仮)」上映作品の一部とユネスコ創造都市ネットワーク特別企画「街を見つめる人を見つめる──ユネスコ創造都市の世界」のプログラムが発表された。「野田真吉特集(仮)」では戦前より映画制作に関わったドキュメンタリー映画作家であり詩人でもある野田真吉の作品を上映。没後30年の節目にあたる今年、野田の多岐にわたる活動を回顧し、軌跡をたどる。ラインナップには野田によるシネ・ ポエム「マリン・スノー-石油の起源-」、野田が三菱の長崎造船所のPR映画を演出する合間に撮影した「まだ見ぬ街」などが並んだ。

「憧れ」より。

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「呼吸」より。

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「コーラホリック」より。

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「フルーツと野菜」より。

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「街を見つめる人を見つめる──ユネスコ創造都市の世界」ではユネスコ創造都市ネットワーク「映画」分野の、山形市を除く20の加盟都市から公募しセレクトした「街を見つめる人を見つめる」をテーマとする映画を上映。ラインナップには妊娠7カ月の雑誌ライター・ミナが韓国・釡山の町を歩き「人生最初の記憶」をテーマに市民たちにインタビューしていく神保慶政の監督作「憧れ」、集合アパートの中庭や公園に集う住民たちの何気ない日常を捉えたダリア・カスペレクの監督作「呼吸」、コーラ依存症になってしまった監督のマルチン・ポドレックが自身の実体験を独白していく「コーラホリック」、反抗期の息子と八百屋を営む母親の1日をマチェイ・ヤンコフスキが実話をベースにつづった「フルーツと野菜」など8作品が並んだ。

なお、映画祭の夜の社交場として映画人に愛された「香味庵クラブ」が、場所を提供していた丸八やたら漬の廃業とともになくなってしまったことを受け、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023では「新・香味庵クラブ」として場所を変え再始動。新たな会場が山形七日町ワシントンホテルのレストラン・三十三間堂であることが発表された。

畑あゆみ

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映画祭の事務局長・畑あゆみは「コロナ禍を経て、映画を配信で観る時代になってきています。しかしドキュメンタリー映画を1つのスクリーンでみんなで観て、登壇した監督とともに議論することは意義があること。たくさんの方と語り合う場である映画祭を大切にしていきたいと思っています」と述懐。「秋の山形といえばお酒、食べ物、温泉が楽しめる場所。そんな山形で映画ざんまいの日々を過ごしていただけます。4年ぶりに会場に戻ることができて大変うれしいです」と思いを伝えた。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023のそのほかのラインナップは続報を待とう。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2023

2023年10月5日(木)~12日(木)
開催会場 山形県 山形市中央公民館、山形市民会館、フォーラム山形、やまがたクリエイティブシティセンターQ1など

「野田真吉特集(仮)」

<上映作品>※一部

「マリン・スノー ―石油の起源―」
「まだ見ぬ街」

「街を見つめる人を見つめる──ユネスコ創造都市の世界」

<上映作品>

「憧れ」(監督:神保慶政)
「呼吸」(監督:ダリア・カスペレク)
「コーラホリック」(監督:マルチン・ポドレック)
「フルーツと野菜」(監督:マチェイ・ヤンコフスキ)
「ボヤ」(監督:アナ・フェルナンデス・デ・パコ)
「同じ屋根の下」(監督:王瑜 / ワン・ユー)
「水道」(監督:アルヴァロ・マルティン・サンス)
「八月の終わり」(監督:フェデリコ・カマラータ、フィリッポ・フォスカリーニ)
「風景×映画」(監督:ルイーザ・ローズ・マックルストン)

映像で山形ルネッサンス

<上映作品>

「山形×和菓子 ~未来を彩る伝統文化~」(制作:BAQSAN株式会社)
「鍛 -刀匠 上林恒平の道-」(監督:長岡宏昭)
「山形の酒 -蔵王の恵み つむぐ技-」(監督:佐藤広一
「オーケストラのある街」(監督:佐藤広一)

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(提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭)

読者の反応

乃し梅本舗 佐藤屋 @noshiumesatoya

久々リアル開催なドキュメンタリー映画祭にて、佐藤屋八代目や職人仲間、Bar12さんも登場した「和菓子」の短編映画上映されますね!あまりに見られる機会なくて泣きそうでしたが、スクリーンで見たいよなそうでもないよな(笑) https://t.co/VivF05B1dN

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