佐藤二朗「さがす」でTAMA最優秀男優賞に輝き「初めて褒められた」、松坂桃李も受賞

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第14回TAMA映画賞の授賞式が本日11月26日に東京・パルテノン多摩で行われ、最優秀男優賞を獲得した佐藤二朗松坂桃李が登壇した。

佐藤二朗

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「流浪の月」より、松坂桃李。(c)2022「流浪の月」製作委員会

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松坂は広瀬すずと共演した「流浪の月」での受賞。同作で少女の誘拐容疑により逮捕される大学生の佐伯文とその15年後を演じ、「繊細な感情の機微を零すことなく演じ、長い年月をかけた愛の灯を静かに的確に表現することで観客を物語へ引き込んだ」と評された。

松坂桃李

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松坂は待機しているときに佐藤から「場をやわらかくしろ」と命じられたそうで「話すことを考えていたんですが、今は何を話せばいいかわからなくなってしまいました」と告白して笑いを誘う。すると舞台袖の佐藤が「バラすなよ! 桃李」と叫び、会場は爆笑に包まれた。続いて松坂はチャールズ・チャップリンが自身のベスト演技を聞かれ「Next one(次の作品)」と答えた逸話に触れ、「いつか、そういうことを言えたらいいなと思ってがんばってきました。まだまだチャップリンには及ばないですが、『流浪の月』に関しては間違いなく、今の僕の中でのベスト。すべてを出し切ろうと、挑戦、勝負した作品でした」と深い思い入れを明かしながら、スタッフ、キャストに感謝した。

松坂桃李

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2018年の第10回TAMA映画賞における最優秀男優賞に続く2回目の受賞となった松坂。「『ここにまた立てるように』という言葉を残して、前回の授賞式を終えました。こうして2022年に立つことができて、本当にうれしく思っています。また、このTAMA映画賞に呼んでもらえるような作品に出続けられるように日々、精進していきたい」と抱負を述べた。

「さがす」より、佐藤二朗。(c)2022『さがす』製作委員会

「さがす」より、佐藤二朗。(c)2022『さがす』製作委員会[拡大]

片山慎三の商業映画デビュー作「さがす」で、指名手配犯を見つけた直後に謎の失踪を遂げる父親を演じた佐藤。「多面性のある父親役の多彩で濃淡をつけた演技は、観客を震撼させると共に感動に導き、役者としての凄みを見せてくれた」と評価された。

佐藤二朗

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佐藤は先ほどの松坂の暴露に関して「桃李が全部バラしましたね。俺は予想してました、想定内です。嘘です」ととぼけながら「31歳のときに映像の世界に入りました。今年22年目です。この間に唯一もらった賞はNG大賞。褒められるの大好きですけど、叱られてるような賞だったので初めて褒められた感じがします」と吐露。「よくバイプレイヤーと言いますけど、そういった俳優がこういう賞をいただけることは、日本のエンタメ界が!というと話が大きくなりますが、たくさんの俳優、もしかすると観てる方、そして僕自身の励みになります。ありがとうございました」と話した。

喜びのあまり壇上で踊る佐藤二朗。

喜びのあまり壇上で踊る佐藤二朗。[拡大]

続いて本日思いついたばかりというダジャレを「言わなかったら後悔する。言ったらもっと後悔するかもしれないけど」と迷いつつ「今日11月26日、“いい二朗の日”」と披露。本人の予想に反して、会場からは笑いと万雷の拍手が贈られた。映画ナタリーでは、同授賞式の様子を引き続きレポートする。

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