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本作のもとになったのは、井上荒野が作家である父・井上光晴、母、瀬戸内寂聴をモデルに創作した同名小説。寂聴をモデルにしたみはるを寺島、光晴をモデルとした篤郎を豊川、篤郎の妻・笙子を広末が演じた。
寺島は「試写で映画を観て、人と人の縁(えにし)は尊くて愛おしいものだと感じました」「お客さんが入ってくれないとこういった大人の映画は廃れてしまうので、応援をよろしくお願いします」、豊川は「5月に撮影して公開が11月。普通よりすごく速いペースでお届けできました。取材でお話しするときも当時の記憶が生々しく残っています。充実した日々が映画に焼き付いていると思います」と挨拶。「観て圧倒された」と述べた広末は、「寺島さんはすごく控えめにおっしゃるんですが、肉体的にも精神的にも大変な役を演じられて。つらいなと私も思っていたんですが、寺島さんはその何十倍もつらかっただろうなと思います。また豊川さんは正妻とも愛人とも全シーンで相手しなくてはいけないので、肉体的な疲労が大変だったかと」と笑いながら振り返った。
みはるの剃髪シーンについて質問が飛ぶと、寺島は「最初からやるとは決めていなかったんですが、廣木さんのために剃ろうと思いました。豊川さんは剃髪前日のピリピリしているときに『剃った頭に呪文が書いてあったりしたら面白いのにね』なんて話してくれて優しかったです(笑)。広末さんも剃った頭に触ってくれて楽しかった。カツラにしていたら心の動きが全然違ったと思いますし、やって正解でした。説得し続けてくれた廣木さんにありがとうと言いたいです」と回答した。それを聞いた豊川は「寺島さんはとても男前な人なので、絶対に剃髪するだろうなと。うじうじ言ってる時期もありましたが……」と冗談めかして話し、廣木も「絶対やるとみんな思ってたよね」とうなずく。
続いて話題は篤郎のキャラクターについて。豊川は「2人の女優の間を行き来して、(みはると笙子の)住まいのセットも2つありました。今日はどっちかな?といった感じで、必然的に篤郎の気分になれましたね(笑)」と言い、「もし篤郎に申し訳ないという気持ちがあったら、2人の女性の間を行き来するようなことはしていないと思います。彼は人から憎まれるなんて全然思っていなかったんじゃないかな」と解釈を述べた。広末は篤郎の振る舞いに怒りや悲しみを抑えようと演技していたそうだが、「豊川さんですから、やっぱり素敵で……。でも私は怒ってるんだという気持ちもあって、笙子もこういう気持ちだったのかな」と当時の心境を明かした。
現場の雰囲気を尋ねられた廣木は「僕は彼らを見ているだけなので」と謙遜しつつ「見ていて楽しかったですね。皆さんのお芝居が自分が考えていたものより面白かった。こうしてほしいと言った記憶がほとんどないです。彼らの面白さをすぐ撮らないとと一生懸命やりました」と述懐。最後にMCから「もし寂聴さんが映画を観ていたら、どんな反応をしてくれたと思いますか?」という質問が投げかけられ、広末は「あの方なら笑って観てくださいそう」、豊川は「寂聴さんの人生のスケッチですから、懐かしく思ってくださるんじゃないかな」とコメント。寺島は「(同じ墓地に眠っているという光晴、光晴の妻、寂聴の)お三方が、こんなことしたっけ? ここは描写がえぐいねなんて言ってくださっていたらいいななんて思っています」と笑顔を浮かべていた。
「あちらにいる鬼」は全国で公開中。
※「あちらにいる鬼」はR15+指定作品
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