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本作は日本各地の廃墟を舞台に、災いのもととなる“扉”を閉めていく旅をする少女・岩戸鈴芽(すずめ)の解放と成長を描く長編アニメーション。すずめに原、災いをもたらす扉を閉める“閉じ師”・宗像草太に松村が声を当てた。映画を観終えた直後の観客を前に、新海はRADWIMPSによる主題歌「カナタハルカ」の歌詞を引用しながら「僕にはないものでできてる、あの歌詞がまさに『すずめの戸締まり』という映画そのものだなと考えていました。この映画は僕の力で作ったものではない。演者の皆さん、たくさんのスタッフの力でできた映画。(ファンの)皆さんの声によってできあがった映画でもある気もします。ここまで導いていただきありがとうございました」と思いを込めて語りかける。
作中、すずめは椅子の姿になった草太と旅へ出る。原は「(すずめと草太が)電車に乗っているシーンが好きで。後半になるに連れてシリアスさが増すので、電車で小声で話すかわいらしい2人を思い出して心を落ち着かせながらアフレコしていました」と回想。松村は「どうも椅子です」と挨拶する。そして「原さんが取材で『草太は椅子になってから感情や人となりが見えてくる』とおっしゃっていたんです」と言及すると、新海は「草太を非現実的なほど美しい男性として描きたかったんです。そんなキャラクターが椅子になってちょこちょこ歩くのはビジュアルとしてコミカルだなと。椅子というビジュアルのおかげで草太の普段見えない部分を引き出せたんだと、北斗くんのお芝居で気付きました」と解説。松村が「予告編では“人間時代”の草太が人気でしたが、本編を観たら“椅子時代”の草太のほうが好きになるんじゃないかな」とつぶやくと、新海は「(予告編では)椅子の画に被せて『松村北斗』の名前をバーンと出しました(笑)」と打ち明けた。
原と松村には、役を通した互いの印象を尋ねる質問も。原は「実写版・草太さんでした。上品な雰囲気やしぐさ、私なんかに対しても敬語で接してくださるところが草太さんのままです」と松村を称賛する。それを受け、「本当に言葉が上手な19歳ですよね。まいっちゃいますよ」と苦笑する松村。「シンプルに言います。すずめって、かっこいいセリフの言い回しにキュンときませんか? 心をえぐられるような強さ。そういう力を持っている印象です」と原の堂々たる演技をたたえた。
すずめの叔母・岩戸環役の深津はアニメーションの声優に初挑戦。「世界中のファンが監督の作品を待っていますが、今回はたった1人、その人だけに届けばいいというようなピュアなものを感じて。こんな経験のない私にやってほしいことに何か意味があるんだろうと思って、下手くそながらぶつかろうと思いました」と出演のきっかけを振り返る。
また環の同僚・岡部稔役の染谷は、実写作品との違いに触れながら「声のお仕事をさせてもらうときは毎回チャレンジ。いつも自問自答しながらやっています。でも今回、セリフの枠の中だったらなんでも表現できるんだと、そういう楽しみを見つけられました」と述懐。すずめが愛媛で出会う少女・海部千果役の花瀬は「今もここじゃないどこかで『すずめの戸締まり』を観ている人がいると思うとワクワクが止まりません」と初日を迎えた喜びをあらわにした。
最後に原は「自信を持って、誰が観ても絶対に楽しんでもらえると言い切れる、そんな素晴らしい作品に出会えたことが本当に誇りです。監督、すごい映画を作ってくださってありがとうございました」と感極まりながら思いを伝える。松村も「愛し方が変わりながらいつまでも仲良くしていけるような映画です。“1回観た”という縁を宝物のように思っていただけたら」とアピール。そして「せっかくなのですずめさん。あの言葉を聞いていいですか?」と合図を出し、原の「行ってきます」というセリフをもって舞台挨拶の幕が降りた。
「すずめの戸締まり」は全国で上映中。
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新海作品PRスタッフ @shinkai_works
原菜乃華が松村北斗の上品さに「実写版・草太さん」、新海誠も“椅子役”を称賛(写真14枚) https://t.co/XXSvS33d7x