「母性」永野芽郁、スイッチの入った戸田恵梨香は“怪物”「誰も声を掛けられない」

第35回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門に出品されている「母性」の完成報告会が本日10月27日に東京・東京ミッドタウン日比谷 BASE Q ホールで開催。キャストの戸田恵梨香、永野芽郁、監督の廣木隆一が出席した。

湊かなえの小説をもとにした本作は、ある女子高校生の死に端を発する母と娘をめぐるミステリー。戸田が母親のルミ子、永野が娘の清佳を演じた。

「芽郁ちゃんの母親にはなれないだろうと思いました」と話す戸田は、「親子ほど歳が離れているんだろうかと調べたくらい、成立させられるか不安でした。ですが実際に現場でいろいろ考えていくうちに、私の演じたルミ子自身が“母親になれない女性”だったこと、芽郁ちゃんが母親として見てくれたことが私の中で救いになりました」と振り返る。また「とにかく涙がポロポロ流れてくる」と永野の演技について伝え、初めて泣きの芝居のコツを役者に聞いたことを明かす。永野は「『悲しいと思ってお芝居してます』と普通のことを（笑）」と述べた。

一方で永野は「戸田恵梨香さんが主演と最初にお聞きして、脚本を開く前に『やります！』と言いました。それくらいご一緒したかった」とオファーを受けた当時の心境を吐露。続けて、共演した印象を問われた永野は「スイッチが入ったときの戸田さんは“怪物”みたい。誰も声を掛けられないくらい恐ろしいんです。ぐわーっと役に入っていく。それを間近で見ることができて、すごく貴重な経験になりました」とコメントする。戸田は「お芝居をするときはもう1人の自分がいる。憑依型のタイプでもないですし、以前に別の役者さんから『声を掛けられなかった』と言われたことがありますが、自覚がないんですよね」と語った。

そして廣木は、ハードなシーンにも挑んだ戸田と永野について「とてもいい感じだった。現場でも距離をちゃんと取っていて、僕はすごくやりやすかった」と称賛。永野はあるシーンの撮影時を「虫がすごかった！ 耳の近くで虫が飛んでいる音がすると体が勝手に動いちゃうじゃないですか。動きたいけど動けない葛藤がありましたね。ドキドキしました（笑）」と回想する。

またMCから親子関係について尋ねられると、戸田は「箱入り娘とはいかないですが、大事に育てられた印象です。幼少期はプリンセスに憧れていたので、ドレスを着て走り回ってました」、永野は「私いい娘だと思います！ お母さんが喜ぶことをしてあげたいと常に思っている。行きたい場所に連れて行ってあげたいし、運転もします。月一くらいでお母さんとお出かけしたりごはんに行ったりしています。出演作を絶対初日に観てくれるんですよ！ いい母親なんです」と頬をゆるませた。

「母性」は11月23日より全国でロードショー。