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重松清の同名小説を映画化した本作では、妻を事故で失った男が街の仲間たちに助けられながら、不器用に息子を愛し育てるさまを描かれる。父ヤスを阿部、息子アキラを北村が演じ、アキラの婚約者・由美に杏、ヤスの幼なじみ・照雲に安田、照雲の妻・幸恵に大島が扮した。
公開初日を迎え、北村は「届けるべき作品。温かさを1人ひとりが受け取って映画館をあとにしてくれると思うと、とてもうれしく思います」と喜ぶ。瀬々が「この映画はすごく面白いです! 今の時代に昭和かよと思われるのではないかと不安でしたが、観に来てくださって感謝しています。なんでこんなに緊張しているのか?(笑)」と語ると、阿部は「何度かご一緒しているんですが、『この映画は面白いです』とストレートに言う瀬々さんは初めて。それが本当にうれしくて、自信になっています」と笑みをこぼした。
感動したという感想が多数寄せられている本作。阿部は「歌を歌うシーンがあって、撮影当時はこの歌は設定に合っているのかな?と疑問に思っていたんですが、いざ完成した作品を観たときに、こんなに胸を打つ歌い方ってあるんだなって思いました」と感想を伝える。北村は「この映画は1本の中で、月日がとても早く流れていく。感情の波が小刻みに訪れるので、ずっと泣いていましたね」と、杏は「ちびアキラが泣いたり、現実を受け止めたりする姿にグッとくるものがありました。親目線で心が苦しくなりましたね」と述べた。
安田は、シナリオを読んだ段階からアキラが東京に行く場面で泣いていたことに触れ「そこに至るまでにもやられますね。息子が親父の心配をしている。すごく好きです」と力を込めて述懐。大島は「ちびアキラが『お母さんはどこ?』と言うシーン。映画館で幸恵おばちゃんの気持ちになって泣いていました」と振り返る。
イベントでは4月に始めたいことを登壇者がトークする場面も。北村が「父にゴルフを誘われているのでやりたいですし、釣りも本格的に始めたいです。あとサーフィンもやりたいですね」と期待に胸を膨らませると、杏は「ミニトマトを作り始めました」と、大島は「私もベランダでプランター菜園をやりたいですね」と続く。阿部が「昨日から考えているんですけど思い付かないんですよ」とこぼすと、安田は「公式ホームページを更新したほうが(笑)」と声をかける。これを受けて阿部は「あれ人気だから」とほほえみ、会場を和ませた。
最後に瀬々は「ヤスという人間の一生を描きながら、彼の生き方を次の世代にバトンタッチすることを願って作りました。女性の新しい生き方も描かれています。映画を気に入っていただいて、2度3度観てください」とコメント。阿部は「正しい親なんていないと思います。とにかく優しさと愛情を持って一生懸命人に接することが大事。この映画の中では、足りない父親であるヤスを街中で励ましながら育てていく。こういう物語は時代を超えて、普遍的に感動できる話だと信じています」と力説した。
「とんび」は全国で公開中。
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