ルイス・ブニュエル特集で「昼顔」など後期6作のデジタルリマスター版を上映

12

199

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 38 100
  • 61 シェア

ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女」が1月21日から2月10日にかけて東京・角川シネマ有楽町で開催される。

「ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女」メインビジュアル

「ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女」メインビジュアル

大きなサイズで見る(全9件)

1928年にサルバドール・ダリと共作した実験映画「アンダルシアの犬」で鮮烈にデビューしたルイス・ブニュエル。カトリック主義者や極右の激しい攻撃にさらされ上映禁止になった「黄金時代」をはじめ、「忘れられた人々」「ビリディアナ」「皆殺しの天使」など作品ごとにセンセーショナルな題材で話題を振りまきながら、国際映画祭で数々の賞に輝いたことで知られる。

「昼顔」 (c)1967 STUDIOCANAL IMAGE. All Rights reserved.

「昼顔」 (c)1967 STUDIOCANAL IMAGE. All Rights reserved.[拡大]

「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」 (c)1972 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED

「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」 (c)1972 STUDIOCANAL. ALL RIGHTS RESERVED[拡大]

今回の特集では、1960年代にメキシコからフランスに活動の場を移してから発表したキャリア後期の6作品がラインナップに。カトリーヌ・ドヌーヴ主演で夫に隠れ高級娼婦として働き始める人妻を描いた「昼顔」、突飛な出来事の数々で期待する食事にありつけないブルジョワたちの滑稽な姿を描いた不条理劇「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」などが上映される。

映画評論家の山田宏一が特集に寄せたコメントは下記の通り。

ルイス・ブニュエル特集上映 デジタルリマスター版 男と女

2022年1月21日(金)~2月10日(木)東京都 角川シネマ有楽町
<上映作品>
小間使の日記(デジタル・リマスター版)
昼顔(1967年・4Kデジタル・リマスター版)
哀しみのトリスターナ(デジタル・リマスター版)
ブルジョワジーの秘かな愉しみ(デジタル・リマスター版)
自由の幻想(デジタル・リマスター版)
欲望のあいまいな対象(デジタル・リマスター版)

山田宏一 コメント

ジャンヌ・モローのブーツをかき抱いて恍惚死する老人。
昼下がりのエロチックな秘密クラブ。鞭で打つのはまだ早いと怒る変態男。
ゆれる釣鐘の生首。一瞬、カトリーヌ・ドヌーヴの乳首がかゆい。義足と松葉杖と車椅子。
招かれざる客たちの破茶滅茶な饗宴。
飢えて、歩いて、果てしなく。
革命か、テロか? 食欲も性欲も永遠に中断される。
ああ、すべては夢かと目覚めたら、それが夢のはじまりだったという、映画そのものが夢うつつの構造になっているかのようだ。
老婆はいかにして若き美女に変身するか。
食事はトイレで……貞操帯は美女のベッドで……官能か、本能か。
自由奔放? 「自由など幻想にすぎぬ」と映画のなかの人物がせせら笑う。
な、な、な、なんだ、これは。この条理と不条理、この不思議な連続と不連続。
愛だ、狂気だ、美だ、笑いだ、映画だ、ブニュエルだ。

この記事の画像(全9件)

読者の反応

白央篤司 @hakuo416

若い頃に観ておいてよかったなと思う監督のひとりです。角川シネマ有楽町か。

【ルイス・ブニュエル特集で「昼顔」など後期6作のデジタルリマスター版を上映】 https://t.co/h19YRzZwfl

コメントを読む(12件)

リンク

このページは株式会社ナターシャの映画ナタリー編集部が作成・配信しています。 昼顔(1967年・4Kデジタル・リマスター版) / 昼顔(1967年) / ブルジョワジーの秘かな愉しみ(デジタル・リマスター版) / ブルジョワジーの秘かな愉しみ / 小間使の日記(デジタル・リマスター版) / 小間使の日記 / 哀しみのトリスターナ(デジタル・リマスター版) / 哀しみのトリスターナ / 自由の幻想(デジタル・リマスター版) / 自由の幻想 の最新情報はリンク先をご覧ください。

映画ナタリーでは映画やドラマに関する最新ニュースを毎日配信!舞台挨拶レポートや動員ランキング、特集上映、海外の話題など幅広い情報をお届けします。