グラン・カジノ
グランカジノ
GRAN CASINO
製作:1946年(メキシコ)
解説 内戦で荒廃したスペインを離れ、ハリウッド経由でメキシコへ渡ったブニュエル監督の、メキシコ時代の開幕を告げる作品。石油ブームに沸く小さな町を舞台に、ミュージカルあり、恋愛ありの娯楽映画となっている。アルゼンチンからメキシコへとやって来た歌姫のメルセデスは、油田の持ち主である兄が失踪したと聞かされる。最初は使用人のヘラルドを疑っていた彼女だったが、外国のあくどい石油業者が黒幕だと知り、ヘラルドと力を合わせ油田を守るため大奮戦する。メキシコらしいマリアッチや単純なストーリーなど、「アンダルシアの犬」や「糧なき土地」を撮ったあの鬼才とは思えぬ作品ではあるが、プログラムピクチャーとして、完璧にフィルムの上に定着してしまう監督の演出手腕が見事だ。ハワード・ホークスを思わせるカッチリとしたニーショットなど、映画の文法に忠実であろうとするブニュエルの力量が、遺憾なく発揮された作品といえる。
スタッフ |
監督:ルイス・ブニュエル |
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キャスト |