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10月23日に封切られた「彼女はひとり」は、自殺を図ったものの生還した高校生・澄子の孤独な復讐劇。中川が立教大学大学院の修了制作として完成させ、その完成度の高さに、中川の恩師である黒沢清らが絶賛のコメントを寄せた。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018でSKIPシティアワードを受賞し、澄子を演じた福永朱梨は第13回 田辺・弁慶映画祭で俳優賞に選ばれている。
中川は1年以上掛けて脚本を書き上げたと回想。「最初はホラーで書いていたんですが、なかなか面白くならなくて、高校生の話じゃなくてもう少し登場人物の年齢を上に変えてみたんです。それもうまく行かなくて、もとの高校生の女の子の復讐ものというアイデアに戻しました。そうしたらいっぱい書いた分、引き出しが多くなったのか、やりやすくなって今の形に落ち着きました。脚本開発中はなかなか面白くならないしものすごく苦しかったです。家の中でゾンビのようにふらふらしてました(笑)」と苦労を振り返った。
また本作には、黒沢組などで知られる撮影監督の芦澤明子が参加。階段や段差を最大限に利用している構図について中川は「芦澤さんとロケハンしているときからいろいろ相談しました。金井浩人さん演じる秀明の家のシーンでは、芦澤さんにお向かいの家の屋根にまで上がっていただいたり、階段のシーンでは柵から乗り出すくらいの体勢で撮っていただいたり。ものすごいアクティブな方で驚きました!」と述懐する。北條は「監督とキャストと芦澤さんのカメラと、いろいろな要素の息がすごく合っていて、画に奥行きを感じました。映画作りにおける貪欲さがいい方向に出ていますよね」と感想を伝えた。
そして全国公開に際し、中川は「5年掛けてようやくここまで来ました。一度観て、何度もご覧いただくリピーターの方も多くてありがたいです。まだこの作品に出会ってない方も多いと思うので、ぜひ一度ご覧いただければうれしいです」と語った。「彼女はひとり」は東京・K's cinemaほかで上映中。
なおこの対談動画のフル尺版は「ミニシアタークラブ」に入会後、閲覧できる。編集版は「ミニシアタークラブ」のYouTubeチャンネルにもアップされる予定だ。
映画ナタリー @eiga_natalie
「彼女はひとり」中川奈月、黒沢組で知られる撮影監督・芦澤明子のアクティブさに驚き
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